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「応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱」を読んで

高い評価を得ていた本書を、ようやく読み終えた。 「ようやく」というのは、登場人物があまりに多く、その人物が「節操のない」離合集散を繰り返すので、一読して人間関係がすぐ理解できるというものではなかったからだ。 歴史小説なら、各人の人間性が浮かび上がってくるはずだ。 そこが歴史を記述する難しさだということを改めて考えさ…
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賤民にされた人びと

本書は「被差別民とはなにか」の続編として編まれた。 副題が「非常民の民俗世界」となっているように、被差別民・非定住民を取り上げた論集である。 山伏、山人、女性の漂泊者、唱門師、猿回し、獅子舞、山荘大夫、…etc. 蔑まれながら、ある種の特権を保証されていた集団の起源と盛衰について述べられた論集で、今でも柳田国男の論…
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ジェイン・オースティンの読書会

ジェイン・オースティンの長編小説6作を読みすすめてゆく読書会について綴られた書物である。 読書会のメンバー6名は、ジェイン・オースティンの作品の中に登場する人物を批評しながら、各人の生活や意見も語られる。 一種のメタノベルと言っていいかもしれない。 ジェイン・オースティンに捧げるオマージュであることは確かだ。 小…
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夢見る帝国図書館

昨今、買う本といえば、図書館でもなかなか借りられない人気の新刊本ぐらいになりました。 本書も100人以上の予約者が順番待ちしているので、とうとうしびれをきらしてネット書店に注文しました。 図書館好き、本好き、…何よりも本を読む時間と空間、自由を愛おしく思う人間にとって、待ってました!と言いたくなる魅惑的なタイトルです。 …
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不食という生き方

人が食に費やすエネルギーの話をしていた時、本書の著者である秋山佳胤さんの名が出た。 何も食べずに生きていける、と主張し、実際ご本人も実践されているとか。 話半分で、ふんふんと、ともすれば苦笑いしそうになるのを抑えながら、聞いていたのだけれど、「とんでも本」と決めつけずに、どのように不食の理論を展開するのか、一度読んで…
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読書日記

岡本かの子は歌人、小説家として知られているが、世に出たのは最初、仏教研究家としてだった。 一平の浮気に苦しみ、夫を愛せなくなっていたかの子に対し、悔いる気持ちからか一平はかの子の文学的成就を支援しようと決心したようだ。 その総仕上げとして、一家はヨーロッパへと外遊する。 約3年の滞在の後、息子太郎をパリに残して、帰国し…
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「限界都市 あなたの街が蝕まれる」を読んで

限界集落という言葉を聞くようになってから久しいが、次は限界都市である。 都市の人口構成は地方より遅れて老齢化するので、少子化人口減の時代において、都市も早晩、高齢化率が高くなり、住民が減少するのは避けられない。 それでも次々と再開発が行われ、タワーマンションが建てられるのは何故だろうか。 空き家問題に苦しむ自治…
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平成文学とは何だったのか

この4月まで住んでいた自治体で聴講していた助川幸逸郎先生の最新の著作である。 助川先生の講義は、源氏物語の解釈であり、主催するのが〈21世紀の生き方を「源氏物語」に学ぶ会〉 会名からも分かるように、その講義は、源氏物語の人間関係や感情のあやなどを、今日の読者にもリアルに感じられるように流行語なども使って解説するものだ…
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窓のある風景 Window Scape

窓のある風景というより、窓から眺められる風景、とするべきかもしれない。 光や風ばかりでなく視線を通行させる窓は、内からも外からも眺められる切り取られた壁。 視線が行き交う空虚である。 窓を通して、まず内から眺める外は、密かに見られる風景であり それを外から見る時は、内にあるものと住む人を想像させ、半ば視線を拒…
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灯火親しむべし ジョージ・オーウェル著「パリ・ロンドン放浪記」を読む

今度の台風で、避難所が路上生活者の受け入れを拒否した事実がニュース報道された。路上生活者への対応は自治体によって異なるようだ。 報道されたのは台東区の例だったが お役所仕事の典型をみる思いがした。 ナチスの残虐行為も官僚制の結果だった。 命令を遂行したまでです。 と、アイヒマン裁判で被告は主張している。 本書…
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短篇を読む愉しみ 「20世紀イギリス短篇選」

短篇と長篇の違いは、密度の違いだ。 長篇は歴史、時代、風俗、人間を描き尽くそうと目論まれ、滔々と記述されてゆく。 一方、短篇は人生のある断面を切り取り、フォーカスすることによって、日常見逃しがちな風景や生活感情などを、鮮やかに浮き彫りしてみせる。 詩ほど短くないが、詩に近い衝撃を受けることもあれば、とりたてて言語化さ…
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岡本かの子 生誕130周年記念の集い

NPO法人高津区文化協会が主催する、上記タイトルの集いに参加しました。 川崎市の新住民にとって、二子玉川といえばまず岡本かの子でした。 意外なことに、地元でもすでに岡本かの子の名を知らない人も多く 今回の催しですら、彼女の著作を読んだことのない参加者もいてびっくりさせられました。 息子の岡本太郎は有名なのに。 …
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ミスター・ゴッド・ハンド その死を悼む

その医者でなければできない手術というのがありますね。 ついこの間、柔道整復師の先生とそんな話をしたばかりだ。 レントゲン写真を見て、ため息をつく先生。 「あの先生はどこか違うんですよ」と、同業者の声…etc. 30年耐えている人工関節の膝の話に 上手な先生なのですねえ、とびっくりする人もいる。 ミスタ…
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秋の夜長と図書館ワークショップ

秋の夜空に月を眺めるなどという優雅な習慣は以前にはなかったことだ。 鬱蒼とした樹木と軒が、空を遮っていたからだ。 こちらへ引っ越してきてからは、高台にある建物の3階から、朝に夕に空の変化を楽しむことができるようになった。 昨夜は西の地平、上空が夕焼けの帯となり、思わず見とれてしまった。 中天に半月に近い三日月がか…
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岡本かの子アムール幻想傑作集 美少年

二子玉川から二子新地へと田園都市線で多摩川を渡るたびに、広い河川敷を眺めながら、かの子の実家大貫家のあった土地はどの辺だろう、と思う。 二子玉川の素封家の家。 幕府御用達の豪商であり、神奈川県橘郡高津村に広大な土地を所有する大地主でもあった。 かの子は、別邸の青山で生まれている。 文学部を卒業したばかりの青年…
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櫻井よしこ著「何があっても大丈夫」

櫻井よしこ氏は、右派、右翼、right wing に位置づけられるジャーナリスト、言論人だ。 韓国の従軍慰安婦や徴用工問題では気を吐いた。 詳細な調査を踏まえた上で、左派の主張に切り込む姿勢は、なかなか魅力的に映る。 論戦における冷静さ、話術の巧みさ…に間然とするところがない。 人物に興味をもち、回想記「何があっ…
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宮前図書館のワークショップに参加しました

9月7日、土曜日の昼下がり、宮前市民館の大会議室で開かれたワークショップに参加しました。 まず図書館のあり方に興味があったのはもちろんですが、これから川崎市民として生きてゆく上で、まず地域に住む人たちの意見に触れたいと考えたからです。 予め宮前市民館・図書館に関するアンケート調査があり、その際、今回のワークショッ…
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平成の黒い霧 「国家はいつも嘘をつく」

本書が挙げた9つの嘘とは、以下の9点である。 1 「アベノミクス」の嘘 2 「民営化」の嘘 3 「働き方改革」の嘘 4 「2020東京五輪」の嘘 5 「日航ジャンボ機123便」の嘘 6 「平和安全法制」の嘘 7 「刑事司法」の嘘 8 「TPPプラス」の嘘 9 「消費税で社会保障」の嘘 多分、本…
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土と兵隊 麦と兵隊

本書中に果たして戦争協力的な表現があるかどうか。 改めて「麦と兵隊」を読んだ。 火野葦平は戦後、戦犯ともされ、公職追放となっている。 徐州会戦までの従軍記録は、あらゆるドクマから自由であろうと努めているようにみえる。 当然検閲は行われ、当局から削除を命じられた部分も含んでいる。 最終稿は、捕虜の殺傷シーンな…
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けものみち

すでに読んだかもしれない「けものみち」 1965年に映画化され、テレビドラマになること3度。 小倉の松本清張記念館では、成沢民子役が米倉涼子という最新作(2006)のポスターが目立った。 私が観ているのは、1982年NHKの「松本清張シリーズ・けものみち」だ。 鬼頭洪太役の西村晃があまりにリアルだったので、頭…
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原爆忌に

原爆忌はすでに74回を迎える。 去年までは、テレビで平和記念式典を観ていた。 4年前の12月に平和記念公園を訪れ、原爆ドームを目の当たりしてから、この暑いさなかの式典がより身近に感じられる。 けれども原爆投下とその被曝の実態は、体験者でなければ語れぬ言葉があり、悲惨を極めた現実には到底近づくことができない。 過去…
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定年後の過ごし方

60代後半、そろそろ70歳の大台に乗ろうという世代。 まだ現役で働いている仲間も少なくない。 人生百歳時代に入って、この年代で悠悠自適の生活を選択できる方が、まだ恵まれているのかもしれない。 健康上の理由もあり、早々に老人ホームに入居した私は、同期の仲間からみれば、勇み足?にさえ映るのだろうか。 皮肉屋のA氏…
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戦争は女の顔をしていない

旧ソヴィエトが第二次世界大戦で対独戦をたたかった当時の、動員された女性たちの聞き書き集。 その数は百万人を越えるという。 多くは10代の少女たちで、祖国を守れ!というスターリンの檄を素直に受け入れ、愛国心に燃えて、前線で戦うことを自ら志願した女性たちだった。 著者が取材を開始したのは1978年。出版するに当たっ…
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終戦記念日をひかえて 読書日記

参院選の結果、過半数に達した与党勢力も改憲に必要な議席数2/3を獲得できなかった。 これから野党が切り崩されないことを願うが、正直なところひとまずほっとした。 米中の貿易摩擦、北朝鮮問題、日韓の対立、資源や領土問題、…etc. 過去の世界大戦の勃発を顧みると、戦争になってもおかしくない状況が頻発している。 戦…
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読書日記

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり ・・・・・・ あまりにも有名な、平家物語は、冒頭の一節。 目覚ましを鳴らすまいとして起きる時、物語の導入部の言葉がふっと脳裏を過る。 朝6時前。 間もなく丘の下から遠く、寺の鐘の音がかすかに聞こえてくる。 ベランダの閉じられた窓ガラスを通して、ひそかな波動が鼓膜に伝わる…
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宇治十帖へ

タイトルに「いよいよ」と入れたのは、源氏物語は宇治十帖の方に物語的リアリティを覚えるという個人的な体質のせいで、ようやく至近距離の古典文学に参入するぞ、という意味である。 しかし、講師の助川幸逸郎先生の語り口のおかげで、源氏「本編」にも親しみを覚えるようになったのも確かだ。 雅な、雲上人の恋愛譚。教養としてのポル…
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読書会 バンカにて

月一回の読書会を開きました。 仲間とは読む本の傾向が違うので、そのことが却って新鮮な刺激になっています。 ジャンルを限定したマニアックな読書会もいいですが、何気なく手に取った一冊、ひょんなことから舞い込んできた本を読む機会というのも、読書会の大きな効用ではないでしょうか。 読書会にも様々な方法論があるようです。 少…
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光源氏退場前夜 「幻」の巻を読む

もの思ふと過ぐる月日も知らぬまに年もわが世もけふやつきぬる 源氏物語は幻の巻。 光の君は、上掲の歌を最後に、物語世界から退場する。 その後の死に至る経緯は描かれることなく、源氏物語は巻名のみ残る「雲隠」の巻を最後に、次世代の物語「宇治十帖」へと移ってゆく。 3月の例会では、前回の「御法」の残りと「幻」を、助川幸逸郎先生…
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紫の上の死 源氏の傷心

2月の源氏物語講座は、源氏最愛の女であった紫の上の死後、源氏傷心の日々を描いた「御法」から「幻」。 とりいそぎ、角川文庫ソフィアの玉上琢彌訳注の該当箇所を読んで、出かけた。 講師は岐阜女子大教授の助川幸逸郎先生。 文法などに拘泥せず、原文を読みながらさくさくと訳してゆくスピード感がよい。 その間に、宮中におけ…
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玲子さんの薔薇讃歌

玲子さんから「饅頭本」なる美しい写真集が送られてきました。 ん?饅頭本? はじめて聞いた言葉なので面喰いましたが、玲子さんの挨拶状から、葬式饅頭になぞらえて配られる故人の遺稿集を、生きているうちに本人自ら作成して、親しい方々に感謝の気持ちをこめて送りましょう、ということだと教えられました。 生の証しに、歌集や自…
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