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古典は言葉のタイムカプセル 竹取物語を読む

「竹取物語」を読む。 子供の読み物としてリライトされ、引用され続けてきて、知らない人はいないと思われる「ふるものがたり」 さやさやと葉擦れをさせて、一陣の風にしなやかに揺らぐ竹林の一隅、竹の一節に小さな姫が眠っている。 その竹は、発光して、辺りをぼんやりと明るく照らしている。 私の読んだ竹取物語は、角川ソフィ…
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紫式部すまいを語る 王朝文学の建築散歩

平安時代は温暖化していたらしい。 家の作りやうは、夏をむねとすべし、 鎌倉末期にまとめられたとされる徒然草にはこう述べられている。 さらに 冬はいかなるところにも住まる、暑き比(ころ)わろき住居(すまい)は、堪へ難きことなり(徒然草第五十五段) 現代の日本に住む私たちも、冬は着込みさえすれば何と…
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紫式部の暗号

源氏物語を気象という切り口で読み解く、興味深い書物。 帯のキャッチコピーに、紫式部は平安の気象予報士だった、とある。 気象予報士の著者は、物語の文学的かつ抒情的な記述のなかに、気象科学的な裏付けを探り、さらに味わい深い読み方を教えてくれる。 当然のことながら、平安時代の人々、それも稀有な観察力と構成力、心理描写…
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花が届く

毎週金曜日にダンディライオンという花屋さんから、素晴らしい花のアレンジが届けられる。 アレンジのセンスには、さすがプロと唸らせる斬新さがある。 またそれ以上に、今まで見たこともないような珍しい花材が魅惑的だ。 ロビー中央に飾られた今回の投げ入れ フォーカルフラワーは、薄紫の「大輪」のアジサイだ。 正確には大…
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光源氏が愛した王朝ブランド品

本書は、平安時代の「ブランド品」から源氏物語を解読する趣向。 当時の王朝人の美意識があぶり出されることになり、現代のブランド志向と比較してみると、なかなか面白い。 そもそもブランドという言葉は、資本主義社会、大衆社会におけるマーケティング用語なので、王朝人が愛した贅沢な舶来の希少品と全くのイコールではない。 しかし…
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源氏物語の時代 一条天皇と后たちのものがたり

平安時代は資料が豊富に遺されているわりに研究の進んでいない分野だという(保立道久著「平安王朝」) その理由は、この時代が6世紀から奈良時代までの古代史研究と、鎌倉時代につながる院政時代の言及にとどまる中世史研究のはざまに位置しているからだといわれる。 折口信夫は、源氏物語の時代における宮廷の力が一般に思われほど大きく…
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源氏物語の女性たち

源氏物語研究で多くの功績を残した秋山虔の「源氏物語の女性たち」を読んだ。 先週の土曜日、ズームミーティングで助川幸逸郎先生の講義が行われ、録画されたものをYou tubeに公開したということで、主催者からURLが送られてきた。 (ありがとうございました) 講座は「橋姫」の巻。 講座が開かれているN市では、公民…
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人はなぜ「美しい」がわかるのか

昨年亡くなった橋本治が、60代半ば過ぎに書いたこの本を読み終えてみると、これもまた遺書の類かもしれないと思う。 私にとって、橋本治は団塊世代の先輩といった位置づけだ。 本書は難しい美学の本などではない。 美しい!と感じる瞬間は、幸福な生活実感から生まれる、ということが、繰り返し述べられる。 古典でいえば、生活実感…
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これで古典がよくわかる 

著者の橋本治は、昨年亡くなったばかりだ。 作家として72歳という年齢からもまだ早かったし、ショックというよりとても残念だったことを思い出す。 私にとっては、「桃尻語訳 枕草子」が画期的な著作となった。 以来、古典が身近に感じられるようになり、古典のハードルを低くした功績は見逃せない。 古典がマンガで描かれるように…
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『源氏物語』と『枕草子』謎解き平安ミステリー

寿ケレバ則チ辱多シ 長生きすれば辱(はじ)も多い、という言葉が、明石の尼君、桐壺更衣の母はじめ源氏物語に登場する女性たちの口から、深いため息とともに漏らされる。 典拠は荘子の中の一節だそうだ。 清少納言が仕えた中宮定子は25歳という若さで没したが、その晩年は悲惨だった。 藤原一族に生まれた定子は一条天皇に…
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「源氏物語の世界」を読む

新型コロナの猛威が続いている。 最も死者数の多い米国では、経済活動の再開を求める声が上がるようになった。 振り返ってみれば、20世紀初頭のスパニッシュ・インフルエンザの大流行は、終息に2年を要している。 今次の新型コロナウイルス感染も、門外漢の目からみても容易に収まるようには思えない。 集団免疫を獲得するまで、犠牲を…
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源氏物語講座 初めての遠隔ミーティング

「21世紀の生き方を源氏物語に探る会」主催の源氏物語講座がはじめてZoomを使って開かれました。 講師は岐阜女子大教授の助川幸逸郎先生。 新型コロナ禍のための措置でしたが、移転後なかなか講義に参加できないでいた私は、久しぶりに助川節を楽しませて頂くことになりました。 このような遠隔ミーティングは、今回の未曽有の…
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読書日記&上映会

小池都知事が、ライフスタイルを変えよう、と呼びかけた。 新型コロナ災禍による非常事態宣言があってなお、ルーティーンから離れることの難しさは、経済以上に深刻なようだ。 体力に自信のある楽観的な若者が感染源となる一方、夜の接待などの行動が「感染ルート」のつかめないクラスターのもとになる。 映画通の友人はこの際、DV…
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「私にとっての介護 生きることの一部として」

内田樹の最新の著作を検索していた時に見つけたのが本書である。 介護の問題にかかわる専門家、当事者の意見、感想を集めたもので、それぞれ短文なので深く掘り下げられたものではないが、各人各様の言葉で語られた介護は驚くほど多様である。多くの人が介護から逃れることのできない現実を改めて思い知らされた。 内田樹は武道家の見地から…
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早送り源氏物語 吉井勇抄訳を読む

角田光代による新訳が完成、刊行されて間もない源氏物語。 角田訳は敬語が廃され、センテンスの短い、歯切れの良いものだそうだ。 ところで、現代語訳でさえ54帖を読み通すのはなかなか根気がいる。 そこで歌人・吉井勇の抄訳源氏物語を手に取ってみた。 原典に忠実だという瀬戸内寂聴訳も評価が高く、田辺聖子の訳は最も多くの…
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愛する源氏物語

源氏物語の世界に参入しようとして、違和感や抵抗を覚える人は少なくないだろう。 まず、光源氏という男性が、女性に対してなぜかくも強引、傲慢にふるまうことができるのか。 現代に生きる読者にはなかなかすっきりと理解できないところだ。 時に、自ら女を自由にできる存在であることを明言しながら、迫ってゆく。 何という慢心、自…
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源氏物語を楽しく、深く読むために

本書は、「日本語研究者」大野晋と作家丸谷才一との、源氏物語をめぐるディープな示唆に満ちた対談集である。 丸谷才一が源氏物語原文から引用した箇所に訳をほどこし、その内容について、それぞれ作家の立場、研究者の立場から論じたもの。 当時の宮廷風俗、作者紫式部の実作法、作者の推理、物語の成立過程、日本語の変遷、民俗学的意…
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機械や工業材料に頼らない住まいの環境づくり「春夏秋冬のある暮らし」

本書は建築叢書の一冊だが、一読後、改めて表紙を眺めながら、重厚な合掌造りのスケッチに家の歴史を感じた。 そして、家が家族の生活と分かちがたいという至極当然のことと、「結(ゆい)」という共同体あってはじめて伝統的な家屋が維持されてきたことを思う。 建築のあり方は常に社会のそれとかかわりあっているのだと改めて考えさせる一…
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一夫一妻制で読み解く源氏物語 「源氏物語の結婚 平安朝の婚姻制度と恋愛譚」

昭和2年生まれの母は、女学校に上がる時、父親から与謝野晶子訳の源氏物語をプレゼントされたという。 紙質は悪かったが、扉はビロードの装丁だったとか。 「全然、わからなかった」 という感想を聞いて思わず笑ってしまったが、 現代語訳の文章は読めても、内容を理解するには、12歳の少女は幼すぎるだろう。 私たちにとっ…
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林真理子の宇治十帖 STORY OF UJI

未だ宇治に泊まったことはない。 薫や匂宮のように、京都市中から出かけるのだ。 馬や牛車のかわりにJR奈良線に乗って。 宇治の瀬音を聞いて早朝目覚めれば、浮船の気持ちが惻惻と身に染みるのではないかと思ったこともある。 といっても、極端な身分制社会における貴族たちの恋愛風景。 源氏物語原典からは当然のことながら生産諸…
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忘れられたパンデミック 再び

新型コロナウィルスに関するニュースが連日メディアを賑わしている。 SARSはまだ記憶に新しいが、この時の犠牲者を今度の新種ははるかに越えている。 昨日より、専門家はフェーズが上がったということをしきりに警告しはじめた。 感染経路がたどれない発症者があらわれ、感染者が予想以上に多いことが推測されるからだ。 これを専門家は市中感染と…
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京都 紫式部のまち その生涯と『源氏物語』

本の表紙の写真は、蘆山寺の「源氏の庭」です。 歴史学者・角田文衛が考証した結果、もっぱら紫式部邸址として知られています。 翻訳も含め源氏関連本を読んでいくうちに、懐かしく、物語の舞台としての京都に行きたくなりました。 京都は一昨年、葵祭を見学するために友人と二人出かけたのが最後です。 昨今は京都御苑の蛤御…
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今和次郎著「日本の民家」

6年ほど前、西東京市で「幻の民族学博物館」というシンポジウムが開かれたことがあった。 その時会場で、今和次郎の娘さんの姿をお見かけした。 娘さんといってもだいぶ高齢の方であったが。 本書は大正11年に出版されており、藤森照信の解説によれば、「民家」という言葉が流通、定着するようになったのも本書をきっかけとしてい…
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松本清張著「幕末の動乱」

本書は幕末期の政権移譲について述べたものではなく、徳川幕藩体制が稲作に依拠した経済の非に気づかず、瓦解することになった、その経過を分析している。 すべての歴史は現代史である(ベネデット・クローチェ) という有名な言葉があるように、歴史の見方は、同時代の有力な歴史観の影響を受けずにはいられない。 一方、アカデミズ…
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霧ふかき宇治の恋

源氏物語は単なる古典ではない。 また学ぶべき教養だけのものでもない。 今さらのように気づいたのは、私の不明ゆえであるけれど、これだけ多くの作家が源氏物語に言及せざるを得ないのは、それだけの理由があるということをもっと早く知るべきだった。 千年以上の時を越えて、物語が現代によみがえるのは、その時々に現代語訳が試み…
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六条御息所 源氏がたり

「六条御息所 源氏がたり」を読んだ。 直訳の源氏物語と違い、意訳小説のこなれた文章が非常に読みやすい。 ツボを心得た解説的な文章も、物語の進行を妨げず、ひとつの流れにのって小気味よく読み終えることができた。 光源氏の思い人の一人、六条御息所に源氏を語らせる趣向で、表層を穿ち、登場人物の深層を暴き出す。 それが…
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「応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱」を読んで

高い評価を得ていた本書を、ようやく読み終えた。 「ようやく」というのは、登場人物があまりに多く、その人物が「節操のない」離合集散を繰り返すので、一読して人間関係がすぐ理解できるというものではなかったからだ。 歴史小説なら、各人の人間性が浮かび上がってくるはずだ。 そこが歴史を記述する難しさだということを改めて考えさ…
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賤民にされた人びと

本書は「被差別民とはなにか」の続編として編まれた。 副題が「非常民の民俗世界」となっているように、被差別民・非定住民を取り上げた論集である。 山伏、山人、女性の漂泊者、唱門師、猿回し、獅子舞、山荘大夫、…etc. 蔑まれながら、ある種の特権を保証されていた集団の起源と盛衰について述べられた論集で、今でも柳田国男の論…
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ジェイン・オースティンの読書会

ジェイン・オースティンの長編小説6作を読みすすめてゆく読書会について綴られた書物である。 読書会のメンバー6名は、ジェイン・オースティンの作品の中に登場する人物を批評しながら、各人の生活や意見も語られる。 一種のメタノベルと言っていいかもしれない。 ジェイン・オースティンに捧げるオマージュであることは確かだ。 小…
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夢見る帝国図書館

昨今、買う本といえば、図書館でもなかなか借りられない人気の新刊本ぐらいになりました。 本書も100人以上の予約者が順番待ちしているので、とうとうしびれをきらしてネット書店に注文しました。 図書館好き、本好き、…何よりも本を読む時間と空間、自由を愛おしく思う人間にとって、待ってました!と言いたくなる魅惑的なタイトルです。 …
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