テーマ:歴史

源氏物語の時代 一条天皇と后たちのものがたり

平安時代は資料が豊富に遺されているわりに研究の進んでいない分野だという(保立道久著「平安王朝」) その理由は、この時代が6世紀から奈良時代までの古代史研究と、鎌倉時代につながる院政時代の言及にとどまる中世史研究のはざまに位置しているからだといわれる。 折口信夫は、源氏物語の時代における宮廷の力が一般に思われほど大きく…
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エノラ・ゲイを見た人

夕方から降り始めた雨が、猛然と屋内に吹き込むようになった。 稲光が断続的に瞬き、深夜近くには地震もあった。 考え事をしているうちに眠れなくなり、いつしか時計は一時を回っている。 昨夜は、入居者のお仲間とおしゃべりするうちに長談義となった。 その話が頭を離れず、思いを巡らすうちにすっかり目が冴えてしまったのだ。 入居して一…
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京都からやって来たお雛様

連日、新型コロナウィイルス感染者の増加を告げるテレビニュース… 平安時代も当然のことながらウイルス・細菌はあるので、衛生思想もなく近代医療の恩恵を受けられない時代に、ミヤコは頻繁に疫病に見舞われたようだ。 インフルエンザと推測される記録も残っている。 当時の人々は、疫病の原因を、恨みを飲んで死んでいった貴人の怨霊による…
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一夫一妻制で読み解く源氏物語 「源氏物語の結婚 平安朝の婚姻制度と恋愛譚」

昭和2年生まれの母は、女学校に上がる時、父親から与謝野晶子訳の源氏物語をプレゼントされたという。 紙質は悪かったが、扉はビロードの装丁だったとか。 「全然、わからなかった」 という感想を聞いて思わず笑ってしまったが、 現代語訳の文章は読めても、内容を理解するには、12歳の少女は幼すぎるだろう。 私たちにとっ…
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松本清張著「幕末の動乱」

本書は幕末期の政権移譲について述べたものではなく、徳川幕藩体制が稲作に依拠した経済の非に気づかず、瓦解することになった、その経過を分析している。 すべての歴史は現代史である(ベネデット・クローチェ) という有名な言葉があるように、歴史の見方は、同時代の有力な歴史観の影響を受けずにはいられない。 一方、アカデミズ…
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霧ふかき宇治の恋

源氏物語は単なる古典ではない。 また学ぶべき教養だけのものでもない。 今さらのように気づいたのは、私の不明ゆえであるけれど、これだけ多くの作家が源氏物語に言及せざるを得ないのは、それだけの理由があるということをもっと早く知るべきだった。 千年以上の時を越えて、物語が現代によみがえるのは、その時々に現代語訳が試み…
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「応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱」を読んで

高い評価を得ていた本書を、ようやく読み終えた。 「ようやく」というのは、登場人物があまりに多く、その人物が「節操のない」離合集散を繰り返すので、一読して人間関係がすぐ理解できるというものではなかったからだ。 歴史小説なら、各人の人間性が浮かび上がってくるはずだ。 そこが歴史を記述する難しさだということを改めて考えさ…
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溝口神社へ初詣

よく晴れた昼下がり、ホームのお仲間とタクシーに分乗して、溝口神社に向かいました。 ホームのスタッフが企画したイベント・初詣です。 大鳥居は大山街道に面し、石畳の参道が続いています。 私たちは本殿脇の駐車場から入りました。 二礼二拍手一礼。 鎮守の森は周囲の住宅に浸食されて、わずかに「親楠」がその名残を留…
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賤民にされた人びと

本書は「被差別民とはなにか」の続編として編まれた。 副題が「非常民の民俗世界」となっているように、被差別民・非定住民を取り上げた論集である。 山伏、山人、女性の漂泊者、唱門師、猿回し、獅子舞、山荘大夫、…etc. 蔑まれながら、ある種の特権を保証されていた集団の起源と盛衰について述べられた論集で、今でも柳田国男の論…
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生田緑地民家園

三連休の初日の土曜日、生田緑地を訪ねた。 生田緑地には、ばら苑、民家園、岡本太郎美術館、かわさき宙と緑の科学館などが、丘陵の広大な緑地一帯に点在している。 誤算だったのは丘陵地であること、従ってそれぞれの施設へのアクセスが車ではなかなか難しいということだ。 しかし、その分風景に変化があり、日本民家園では、日本各地から移…
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短篇を読む愉しみ 「20世紀イギリス短篇選」

短篇と長篇の違いは、密度の違いだ。 長篇は歴史、時代、風俗、人間を描き尽くそうと目論まれ、滔々と記述されてゆく。 一方、短篇は人生のある断面を切り取り、フォーカスすることによって、日常見逃しがちな風景や生活感情などを、鮮やかに浮き彫りしてみせる。 詩ほど短くないが、詩に近い衝撃を受けることもあれば、とりたてて言語化さ…
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櫻井よしこ著「何があっても大丈夫」

櫻井よしこ氏は、右派、右翼、right wing に位置づけられるジャーナリスト、言論人だ。 韓国の従軍慰安婦や徴用工問題では気を吐いた。 詳細な調査を踏まえた上で、左派の主張に切り込む姿勢は、なかなか魅力的に映る。 論戦における冷静さ、話術の巧みさ…に間然とするところがない。 人物に興味をもち、回想記「何があっ…
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「ロングライフ国際学会」に参加して

9月6日の金曜日、「ロングライフ国際学会」という、ものものしいネーミングのシンポジウムに参加した。 有料老人ホームを中心に経営するロングライフグループが主催するもので、9つの介護の現場から研究発表が行われた。 テレビや新聞の取材もあったようで、小さめのホールに座りきれない盛況ぶりだった。 有料老人ホームや在宅…
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土と兵隊 麦と兵隊

本書中に果たして戦争協力的な表現があるかどうか。 改めて「麦と兵隊」を読んだ。 火野葦平は戦後、戦犯ともされ、公職追放となっている。 徐州会戦までの従軍記録は、あらゆるドクマから自由であろうと努めているようにみえる。 当然検閲は行われ、当局から削除を命じられた部分も含んでいる。 最終稿は、捕虜の殺傷シーンな…
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窓の想像力

窓に切り取られた風景は、どこか懐かしい。 撮った瞬間に過去へと流れ去る宿命的な写真のように。 写真がいつもアングルを気にするように、窓からの風景は視界を限定する。 窓が風景に与える情趣はまた、心理的なものだ。 窓を媒介にして、守られた内側から、外界を眺める時、人はいつもより内向的に、そして内省的になるだろう…
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原爆忌に

原爆忌はすでに74回を迎える。 去年までは、テレビで平和記念式典を観ていた。 4年前の12月に平和記念公園を訪れ、原爆ドームを目の当たりしてから、この暑いさなかの式典がより身近に感じられる。 けれども原爆投下とその被曝の実態は、体験者でなければ語れぬ言葉があり、悲惨を極めた現実には到底近づくことができない。 過去…
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終戦記念日をひかえて 読書日記

参院選の結果、過半数に達した与党勢力も改憲に必要な議席数2/3を獲得できなかった。 これから野党が切り崩されないことを願うが、正直なところひとまずほっとした。 米中の貿易摩擦、北朝鮮問題、日韓の対立、資源や領土問題、…etc. 過去の世界大戦の勃発を顧みると、戦争になってもおかしくない状況が頻発している。 戦…
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通称あじさい寺 妙楽寺にて

今年は、引越しという身辺の変化があり、ゆっくり紫陽花見物をする余裕もなかろう、と半ば諦めていたところ、地元に妙楽寺という名所があることを教えられた。 先に入所されていた方とごいっしょして、タクシーを走らせた。 ホームでも来年は是非皆で行きましょう、などと話し合っていたところだった。 ところは、川崎市多摩区…
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歴史と文学の町 小倉を歩く

北九州出身やゆかりの作家というとまず、松本清張、火野葦平、俳人の杉田久女、…etc. 森鴎外は軍医として小倉に赴任、約3年を過ごしている。 その時「小倉日記」を残しており、一時行方知れずになっていたその日記を探索する物語「或る『小倉日記』伝」を松本清張が書いている。 小倉に出生届を出している松本清張は特に北九州と…
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北九州工場夜景 海上からの眺め

小倉で催された某患者会の大会終了後、北九州夜景観賞定期クルーズに参加した。 北九州市の工場地帯の夜景は、前から観たいと思っていた風景のひとつだ。 運航は4月から9月の土日に限られるので、ラッキーなめぐりあわせだった。 小倉港に向かうタクシーでは、杖をつく友人の姿をみて 「大丈夫ですか。揺れますよ」 と、気遣…
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平成最後のお花見

元号の発表を待ち構える姿ばかりがクローズアップされて、元号そのものにはあまり興味のない人間がいるということが忘れられているのではないでしょうか。 平成の改元の時よりはるかにメディアが騒いでいるように見えます。 天皇の死を機に元号が改められるのではなく、退位という異例の事態によるものだから、というばかりでもなさそうです…
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宿から一保堂茶舗まで

近くまで行くことがあれば、是非一保堂本店に寄りたいと思いがなら、なかなかその機会がありません。 京都へ来て二日目、まず護王神社に詣で足腰の無事を祈願してから、京都御苑を散策。 午後は、烏丸通から家具屋街の夷川通を経て寺町通に抜け、寺町通沿いを観光しながらぶらぶら歩いて、ようやく一保堂茶舗でお茶を頂くことができました。…
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頌春

気忙しい師走に京都を訪れました。 宿はこの護王神社の北側、12世紀には土御門烏丸邸、江戸時代には水戸藩邸が営まれたところ。 烏丸通に面し、下長者町通をはさんだお隣が護王神社です。 護王神社の祭神は和気清麻呂とその姉広虫で、文覚上人が高雄にある和気氏の氏寺・神護寺を復興した時、清麿を護王善神として境内に祀り、鎮守社と…
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井の頭公園秋景

吉祥寺行きのバスに乗ってからも、まだどこに行くか決めかねていた。 大正通りで見つけたお店に、何か素敵な洋服がありそうな気がした。 並びのモノギャラリーを覗いてみようか。 吉祥寺美術館に行ってもいいし… などと考えながらも、快晴にめぐまれたその日、アウトドアで過ごさない手はない。 雑踏を想像して、うんざりした時、…
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北島国造館と島根県立古代出雲歴史博物館

60年に一度という大遷宮の事業中だった2009年に一度出雲大社を参詣している。 9年ののち、大遷宮なった出雲大社に詣で、その違いを感じたのは、北島国造館でも同じだった。 前はオープンに出入りができなくて、もっぱら門の外より撮影させてもらっている。 北島国造館という大きな看板も掲げられてなかったように思う。 出…
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銀閣寺と京都駅

銀閣寺を最後に訪れた日から17年の歳月が流れていた。 Kさんの要望を聞いた時、私の方が懐かしい気持ちになった。 葵祭見学の後にタクシーを走らせて銀閣寺に向かう。 運転手は 京都の人は金閣も銀閣も行ってませんよ などと言う。 京都人の冷めた視線はそのまま観光客にも注がれているのだろうか… 通称「銀閣寺」正式に…
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妙法院「五月会(さつきえ)」と蓮華王院三十三間堂

声明がすべての芸能の起源だという。 また折口信夫は、平安時代以降に成立した芸能で踊躍念仏の影響を受けていないものを見つけるのは困難である、と述べている。 仏教と芸能に切っても切れない縁のあることは今さら言うまでもない 葵祭り見物が目的の旅だったが、5月の京都は祭りが多い。 稲荷祭り、藤森祭り、今宮祭り、上賀茂…
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環境フェスティバル 原子核研究所址にて

いこいの森公園で環境フェスティバルが開かれた。 タクシーの運転手は 「いこいの森公園ってどこですか?」 と、ぴんとこない様子だ。 東大農場の北側ですよ、原子核研究所のあったところ といっても、まだわからない。 「ああ、あのバーベキューするところですね」 ようやく車の速度が上がった。 真夏並みに照りつ…
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葵祭2018

京都人は行かない?という葵祭。 タクシーの運転手は興味なさそうに話していた。 金閣寺も銀閣寺も行ってないですよ、とも。 東京人が東京の名所を意外に知らないのと同様である。 今回の京都行きは、前から葵祭に執心していたKさんのおかげで実現したものだ。 有料観覧席は事前にチケットを予約しておいたが、当日券もあった…
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関八州鎮護の神 伊豆山神社に詣でる

友人が東急ハーヴェストクラブの利用券を融通してもらったからと、2泊の熱海行きを計画した。 快速アクティーが熱海駅に到着したのが12:15 駅ビル「ラスカ熱海」内の観光案内所で旅行情報を得た後、送迎バスの午後便を待つ間、仲見世通りで昼食をとることにする。 仲見世通りには寿司、蕎麦などの飲食店が並んでいるが、なかでも「…
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