京都からやって来たお雛様

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連日、新型コロナウィイルス感染者の増加を告げるテレビニュース…
平安時代も当然のことながらウイルス・細菌はあるので、衛生思想もなく近代医療の恩恵を受けられない時代に、ミヤコは頻繁に疫病に見舞われたようだ。
インフルエンザと推測される記録も残っている。
当時の人々は、疫病の原因を、恨みを飲んで死んでいった貴人の怨霊による祟りだと考えた。
彼らは御霊神社に祀られ、加持祈祷により折伏されることが期待されたのだった。

マスクの増産、ワクチンの開発、特効薬の発見、…
現代は、科学的な手段に訴えようとするが、ウィイルスの伝播にその対策が追いつかない非常時、どのような手法であっても人の不安をなだめる効力にさしたる違いがないように思えるのはなぜだろう。
人事を尽くして天命を待つ…
当時、密教の効験に頼む人の心は、現代人が科学技術を信頼するより、はるかに強烈で精神安定化作用があったかもしれないと思う。
結局、天命を待つことに変わりはない。
それに昔の人は、諦めるということを知っていたし、大いなる力にすべてを委ねる安心を得ていただろう。

ロビーに飾られた有職雛に聞いてみる。
30歳をさほど越えない年齢で死を迎えた姫君の人生の密度について。

ウイルスという、怨霊どころか、生物ですらなく、抽象的ともいえる存在を、私たちは敵として明確に認識することができない。

私たちは平安貴族よりはるかに「贅沢」な暮らしをして、長生きするようになったけれど、果たして本当に幸せになったといえるのだろうか…
心配事は却って増えたように思われることすらある。
喜びは希釈され、繊細な感情の襞までものっぺらぼうになってしまったのではないだろうか。

美しい雛人形は京都から送られてきたものだという。
内裏雛の配置は関東風になっていた。
飾るのは関西の習慣に従って3月15日までとか。
頭も西陣織の着物もよくできたものだ。
寄贈されたのがどなたか知らないけれど、人形に感情移入する人の心は変わらない。
男雛は光源氏、女雛は紫の上、と見ると、宮中での雅が彷彿される。



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五人囃子の童子の顔 どこかで見たような…
ご近所の男の子にとてもよく似ている。
いきいきとした表情が愛らしい。
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3月3日 桃の節句 昼のメニュー
鮭といくらのちらし寿司 菜の花のお浸し 筍の土佐煮 一口にゅうめん
すっかり春の陽気 テラスで頂く

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この記事へのコメント

ワトソン
2020年03月04日 22:02
大陸との往来が盛んになった平城京に天然痘が大流行します。畿内で多くの死者があり、藤原鎌足の孫の兄弟四人も死亡します。737年 それにより、国家的な事業として、大仏の建立が行われます。開眼法要は752年。それ以後も流行を繰り返し、約1000年後の江戸時代には普通の病気となります。免疫ができたということでしょう。新大陸ではそのころにスペインからもたらされ、インカ帝国などを滅亡させています。スペインが殺したよりも多くが伝染病で亡くなったようです。
天然痘は地上から根絶されたとWHOが宣言したと記憶していますが。

2020年03月05日 15:37
素敵な文章とお写真に心穏やかに癒させます。
心安らげる毎日となりますようにお手伝いできたら幸いです。
2020年03月24日 20:33
緑さん、ありがとうございます。
素敵なお雛様とともに過ごさせて頂いた時間をありがとう!
これからも宜しくお願いしますね。
2020年03月24日 20:38
ワトソンさん、ありがとうございます。
確か源実朝も天然痘にかかっていますよね。
人類はウイルスと共存しながらサバイバルしてきたのですね。