ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン

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フランスの画家デュフィが、モード界の帝王と呼ばれたポール・ポワレとどのようにコラボレーションしたのか。
フェリス女学院准教授・朝倉三枝氏の講演の行われた日に、パナソニック汐留美術館「ラウル・デュフィ展」に出かけた。
講演前に展示を観たが、絵画と当時のファッションとの関係がよく分かる、楽しい展示だった。

ポール・ポワレは、ウエストを苛酷に締め付けるコルセットからの解放など、ファッションの近代化の先駆けをなし、モード界のスルタンともいわれる存在だ。
一点物のオートクチュールをデザインするクチュリエとして、顧客はブルジョワの上流階級である。
純粋芸術であるタブローがテキスタイルに発展し、女性が身にまとう服になるという現象が起きたということは、いかにも時代を語って興味深い。
まさに複製技術による大衆化の時代を予告している。

アンリ・マチスの影響を受けたという画家の色彩は、あくまで明るい原色使いで、闊達で即興的な描線からはまるでメロディーが流れてくるようだ。
デュフィの作品が奏でる音楽性は、教会のオルガン奏者も務めた父とヴァイオリン奏者だった母の影響が大きいと言われる。
軽快なタッチ、鮮明な色づかいは、応用芸術、総合芸術に相応しい。
デュフィの色彩のマジックに魅せられない人はないだろうと思われた。

それを衣服に活かそうとしたポワレの発想も一時代を画すものとなった。
朝倉氏の談によれば、それまでリボンやフリル、レースなど立体的な装飾がほどこされていた衣服の平面を、鮮やかな色彩、斬新な文様のテキスタイルが埋めたということだ。
お針子の手仕事に頼っていた衣服の装飾が、画家の大胆な発想と、やがて大量生産へと発展する型染に取って代わられる。
因みにこの頃渡仏した藤田嗣治も、小紋からヒントを得たテキスタイルを制作しているそうだ。

デュフィの色彩とタッチは、今日の女性でも身に着けるものに応用したくなる明るさ、形態のリズミカルな連続性といった条件を満たしていたのだ。


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コンサート(1948)

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黄色いコンソール(1949)

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