高校の同期会に出席して

地下鉄駅より地上に出ると
「ああ、○○さん。良かった~」という声が聞こえた。
ポツポツ降り始めた雨の新宿。
「地図がわかり難いのよねえ」と言いながら三々五々、向かう先はどうやら同じ会場だ。

M子ちゃんの傘に入れてもらって歩きはじめると間もなく、見上げたビルの看板に目的の店名を見つけた。
いつまでも若い気でいるうちに、いつしか還暦をはるかに越えて、次は古希の集いを、ということになっている。
今の60代は見た目も体力もとても若い。

けれどさすがに高校時代の面影が強烈なだけに、半世紀の歴史を刻んだ相貌はにわかには見分けられない。
社交辞令が舌をすべってゆく間、じっとその目を見つめるうちに、みるみる発展途上の幼い高校生の顔が浮かび上がり
突如として、あ~!! という歓声が上がる。
まだ海のものとも山のものともつかないつるりとした童顔は、やがて喜怒哀楽の皺をたたみ、彫りが深くなったり、ふくよかになったり…
つくづくと、自分の顔は見えないからな~、と思う。

今回の参加者は110名。
幹事が用意してくれたプリントに、物故者の名がふたつ記されてあった。
もっと語り合っておけばよかった、(学生時代は)自分のことで精いっぱいで…
と誰かが言う。
同感しつつ、でも高校生はそれでよいのだ、とも思う。
戦友が特別なものであるのと同様に、やわらかな脳みそを持った者どうし、机を並べ、互いに影響し合ったことは確かだ。

元気そうね、変わらないね…
その一言が交わせただけでよかった、と思える仲間もあった。

二次会でビールを飲みながら、次は2年の時のクラス会をしようということになった。
人恋しい年頃なのである。

幹事さんたち、本当にお疲れさまでした。ありがとう!


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