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みんなの「本」ブログ

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いのちの源流〜愛し続ける者たちへ〜 中村純エッセイ集を読む
いのちの源流〜愛し続ける者たちへ〜 中村純エッセイ集を読む 詩人中村純のエッセイ集。 読書会の時、一時期詩を書き続けていたことがあるというIさんから中村純の名を聞いた。 詩集より先にエッセイ集を読むことになった。 詩を理解するために、必ずしも詩人の来歴を知る必要はないが、詩を読む助けになるのは確かだ。 ...続きを見る

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2017/07/26 22:20
古賀茂明著「日本中枢の狂謀」を読んで
古賀茂明著「日本中枢の狂謀」を読んで 何もこの猛暑のさなか、ことさら暑苦しい政治的テーマについて述べた本を読まなくてもいいじゃないか、と思わないでもないが、 著者の古賀茂明氏はマスコミに登場して以来、一貫して中立の立場から勇気ある発言を続けており、その誠実さにはぶれがなく爽やかな印象を保ち続けている。 はじめてテレビで観た時は、その訥々とした語り口に、エリートの元通産官僚らしからぬ好印象を与えたものだ。 上から目線もなければ、事情通の訳知り顔もみられず、肩透かしを食うようないわば自然体に好感を覚えた。 古館伊... ...続きを見る

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2017/07/21 21:38
魂でもいいから、そばにいて 
魂でもいいから、そばにいて  読書会の効用のひとつに、ふだん自分のアンテナに触れず、縁がないままに終わるだろう本をたまたま手に取ることになる、という意外性の面白さがある。 私にとって本書は、そういった類の本だった。 まず題名と「霊体験」の一語に抵抗を覚えるのは私だけではないだろう。 大手出版社による刊行なので、きわものではないと思って読み始めた。 ...続きを見る

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2017/05/26 21:58
上野千鶴子著「<おんな>の思想」を読む
上野千鶴子著「<おんな>の思想」を読む フェミニズムは20世紀をゆるがす 思想と実践だった 21世紀の今日 フェミニズムは賞味期限をすぎただろうか? ...続きを見る

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2017/05/16 16:52
国谷裕子著「キャスターという仕事」を読んで
国谷裕子著「キャスターという仕事」を読んで 午後7時半という時間に生番組として放送されていた「クローズアップ現代」が2015年、夜10時に移行し、国谷裕子キャスターは降板した。 国谷さんはNHKの職員ではないため、契約は1年ないし3年で更新されていたという。 現場では当然2016年も続投と思われていたらしい。 本書には時間帯やキャスターの変更の理由について具体的には触れられていない。 国谷さんの「切込み型」とも言われるインタビューを人によっては不快と感じる向きもあっただろう。 しかしアメリカなどでは攻撃的インタビ... ...続きを見る

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2017/04/30 10:51
糸魚川の春の大祭 けんか祭り
糸魚川の春の大祭 けんか祭り まだ大火の記憶も生々しい糸魚川に出かけました。 糸魚川の一の宮・天津神社の「けんか祭り」に誘われたので ちょうど卒寿を迎えた母にとっても、最後の貴重な機会になるだろうと思いました。 体力が衰え、旅行への興味も失いがちだった母も、故郷へ帰るのはまた特別な意味を持っているので、会いたい人に連絡したり、気持ちの準備をしていたようです。 ...続きを見る

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2017/04/15 19:45
京都ひとり旅 蘆山寺へ
京都ひとり旅 蘆山寺へ  京都は学生時代から休みのたびに訪れていた懐かしい場所だ。 当時まだ市電がのんびりと走っていた。 若い頃の記憶は、風景だけでなく、気温や風向きや汗ばむ具合まで思い起こせそうなほどに鮮明なのだ。 ...続きを見る

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2017/04/02 19:19
介護者になって慌てないために「家族に介護が必要な人がいます」」
介護者になって慌てないために「家族に介護が必要な人がいます」」 構成員の少ない核家族が当たり前になって久しい。 「家族力」の衰弱した今日、多少とも介護にかかわることのない人の方が珍しいのではないだろうか。 孫が祖父母の介護をするケースや、時にパートナーの祖父母をみる例なども聞き及ぶ。 ...続きを見る

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2017/03/29 21:06
はるか王朝の雅のあとを訪ねて 源氏物語の世界を歩く
はるか王朝の雅のあとを訪ねて 源氏物語の世界を歩く 夕顔町という、物語中の女の名を冠した町を探した。 酔狂な、と思われそうだが、本人は歩きながらかすかなときめきを覚えている。 まるで萩原朔太郎が幻視した「猫町」を現実の風景に重ねてみるように。 悪いことをしているわけではないのだが、一般的な観光からすれば、何だか道を外れている… けれど歴史ある土地を歩く人は多少とも己の幻を追い求めるものだろう。 それは歴史の真実というより物語としての歴史である。 そこで、京都はひとり旅らしき人を多く見かける。 妄想を同行者にも強要する... ...続きを見る

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2017/03/23 21:45
森正洋の言葉。デザインの言葉。
森正洋の言葉。デザインの言葉。 生活するための道具・モノとの付き合い方は難しい。 生活のダウンサイジングを心がけねばならない年齢に至ればなおさらだ。 ...続きを見る

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2017/03/12 20:46
小池百合子著「自宅で親を看取る」を読んで
小池百合子著「自宅で親を看取る」を読んで 小池百合子著「自宅で親を看取る」を読んだ。 石原慎太郎氏が、築地市場の豊洲移転問題について参考人招致に応じることで話題になっているが 現東京都知事・小池百合子氏は平成25年晩夏に自宅で、母恵美子さんを看取っていた。 ...続きを見る

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2017/02/09 17:45
ロマノフ王朝展 東洋文庫にて
ロマノフ王朝展 東洋文庫にて 「ロマノフ王朝時代の日露交流」「トルストイに初めて会った日本人 小西増太郎」というふたつの講演を聴くために東洋文庫を訪れた。 北方4島をめぐる今日の日露の駆け引きに鑑みて、両国の因縁は興味深い。 ...続きを見る

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2017/02/07 23:47
怪しい店
怪しい店 ミステリーを読むのは久しぶりだ。 一日が終わり、一冊のミステリーを抱えてベッドにもぐりこむ時の解放感と幸福感は何とも言えない。 若い時なら、翌日が何の予定もない休日であればなおのこと、 さあ思う存分読み明かそうとばかり、すべてを忘れ非日常の世界にどっぷり浸かってページを繰ったものだ。 そのうち夜が白々と明けそめてきて、慌てて灯を消すのが常だった。 ...続きを見る

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2017/02/04 23:11
「罪の終わり」を読む
「罪の終わり」を読む 東山彰良著「罪の終わり」を読み終えた。 2016年の第11回中央公論文芸賞を受賞した作品である。 林真理子と浅田次郎の選評がよかったので、軽い気持ちで、読書会の課題図書として提案した。 ...続きを見る

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2017/01/19 11:27
年表を読む
年表を読む 「地域を彩りはぐくむ女たち」という本が西東京市女性史研究会の手でまとめられた。 西東京市の女性の聞き書き集と年表である。 聞き書き集としては「女の絆と底力」(平成25年)に続く第二集になる。 戦争を経験した世代の女性13名の記録である。 ...続きを見る

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2016/12/23 23:23
坪内祐三著「文学を探せ」を読む
坪内祐三著「文学を探せ」を読む 坪内祐三の「文学を探せ」を読んだ。 平成13年(2001)に刊行された本で、小口部分からページ周囲にかけて薄茶色に日焼けしている。 地域の図書館が都立図書館から借り出したものだ。 市立図書館の蔵書になかったのが不思議なほど、古くても今なお刺激的な本だったので、一気に読んでしまった。 ...続きを見る

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2016/12/20 21:24
私の本棚
私の本棚 蔵書に関する23篇のエッセイである。 既成作家ともなれば、献本、資料の類から、愛書的な思い入れのある図書…etc. 本は限りなく増えてゆく。 本書の半ばは、蔵書に対する執着と管理しきれない本との闘いの記録ともいえよう。 ...続きを見る

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2016/12/17 21:56
「永い言い訳」
「永い言い訳」 映画「永い言い訳」を観ました。 何の前知識もないままに公開終了ぎりぎりに吉祥寺プラザに出かけることになったのですが、手もなく引きこまれてしまいました。 例によって「愛」をめぐって展開する物語です。 言葉にすると嘘になったり、空虚に響くことが、映像ではすんなり受け入れられるということがあります。 映画ならではの表現があるはずです。 ...続きを見る

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2016/11/28 20:45
「コンビニ人間」 芥川賞受賞作を読む 
「コンビニ人間」 芥川賞受賞作を読む  Iさんとジャズ喫茶「バンカ」で読書会を開いた。 実はこの読書会まだリテラチャー・サークルともブック・クラブとも名がついてない。 会員も3名だけ。 その一人がよんどころない用事で欠席すれば、必然的にふたりだけの気ままなおしゃべり会になってしまう。 ...続きを見る

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2016/11/17 21:25
誰も知らなかったココ・シャネル
誰も知らなかったココ・シャネル ココ・シャネルほど伝記に書かれたファッション・デザイナー、クチュリエはいないだろう。 シャネル自身もまたシャネルブランドも、ほとんど伝説化された存在といえる。 様々なエピソードや彼女自身が語った言葉に彩られたシャネル現象の中でリアルなシャネル像を求めても、読者自身の反映に過ぎない想像上のシャネルが鏡像のように写っているのを遠くから眺めているような感じがするばかりだ。 ...続きを見る

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2016/09/23 22:26
老後の生活設計は元気なうちに
老後の生活設計は元気なうちに Tさんが老人ホームに入居された頃からだろうか。 私自身が還暦を迎え、「老後」の2文字が俄かにリアルに感じられるようになったのは。 友人たちを見ていても最初は「還暦」という現実があまりぴんとこなかったが、それから数年を経るうちに、時に「シニア」扱いされることに抵抗を覚えなくなっている自分に気づいた。 ...続きを見る

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2016/09/12 22:33
「汝を愛し、汝を憎む」 津軽の旅を計画する
「汝を愛し、汝を憎む」 津軽の旅を計画する 「汝を愛し、汝を憎む」 ...続きを見る

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2016/08/21 11:22
今日も富士山がよく見える 清泉寮にて
今日も富士山がよく見える 清泉寮にて 団体客で貸し切りのためホテルで昼食をとることができなかったので、清泉寮まで車で送ってもらった。 本館のレストランから眺めると、梅雨時にもかかわらず富士山の美しい稜線がはっきり見えた。 時節柄諦めていたのに、思いがけず富士山が視覚に入ってくると途端に晴れ晴れとした気分になった。 それは清泉寮の創立者であるポール・ラッシュ氏も同じようだ。 ロータリーの胸像は相変わらず富士山に相対して飽きることがない。 ...続きを見る

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2016/07/22 22:02
ミケランジェロ展 ルネサンス建築の至宝
ミケランジェロ展 ルネサンス建築の至宝 「ミケランジェロの建築に見る古代との闘い」と題された講演会が、パナソニック汐留ミュージアムで開かれた。 気宇壮大なテーマに魅かれ、パナソニック東京汐留ビルに出かけた。 この美術館は、オーナーの企業・旧松下電工の業務がら、建築、住まい、工芸、デザインなど、生活に関わりの深いテーマで、毎回小規模ながら興味深い展示を行っている。 ...続きを見る

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2016/07/03 12:15
伊藤野枝伝 「村に火をつけ、白痴になれ」
伊藤野枝伝 「村に火をつけ、白痴になれ」 伊藤野枝伝を読んだのははじめてだ。 はじめてにしては破格の伝記だった。 ...続きを見る

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2016/06/28 21:34
ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実
ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実 オバマ大統領が現職大統領として初めて広島を訪れ、謝罪はなかったが、被爆者を含む戦争犠牲者に対して哀悼の意を表した。 テレビで大統領のスピーチに耳を傾けながら、抽象的で原爆を投下した当事国の大統領としては「他人ごと」過ぎるような気もしたが、核廃絶に向けての大きな第一歩だったことは、アメリカの事情を考えれば間違いないと思う。 広く、戦争一般の犠牲者への想像力を強調するスピーチは格調も高く、心を打つものだった。 ...続きを見る

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2016/05/28 23:25
映画 「64 ロクヨン」
映画 「64 ロクヨン」 映画「64(ロクヨン)」をユナイテッド・シネマとしまえんで観た。 「ロクヨン」とは、昭和64年に起きた誘拐殺人事件を指す符丁で、昭和64年という年は昭和天皇が崩御して平成になるまでの7日間しかない。 未解決事件の被害者は、時効まであと一年という今も、その7日間に置き去りにされているのである。 ...続きを見る

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2016/05/20 22:34
ゴールデンウィークものぐさ読書日記
ゴールデンウィークものぐさ読書日記 大型連休も今日で終わり。 備忘のため読書日記としました。 ...続きを見る

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2016/05/08 21:40
映画「レヴェナント 蘇えりしもの」
映画「レヴェナント 蘇えりしもの」 「レヴェナント 蘇えりし者」をユナイテッド・シネマとしまえんで観ました。 同行した映画通の友人は駅から近いこのシネコンをよく利用するそうですが、外光が差し込むロビーは明るく、映画館らしくない雰囲気が気に入りました。 近くに遊園地、ガーデン温泉もあり、晴天のゴールデン・ウィークとあって、駅周辺は気晴らしに興じる人々で賑わっていました。 ...続きを見る

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2016/05/03 21:59
映画「あん」を観て
映画「あん」を観て 2015年5月に劇場公開された映画「あん」を市民ホールで観ました。 「萌の朱雀」でデビューした河瀬直美監督の作品です。 クローズ・アップを多用した「あん」は、人間の感情の動きや息遣いを自然にとらえ、映画作品という虚構であることをしばし忘れさせるものでした。 ふとした日常の何気ないシーンの中に宿る未だ名づけ得ない真実。 ...続きを見る

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2016/05/01 22:28
「日本の反知性主義」を読んで
「日本の反知性主義」を読んで 本書のタイトルはリチャード・ホーフスタッターの「アメリカの反知性主義」(原著は1963年刊)をふまえており 内田樹が各分野の論客9名に寄稿を依頼し編集したアンソロジーである。 ...続きを見る

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2016/04/27 18:22
ナラティヴ・アプローチとオープンダイアローグ
ナラティヴ・アプローチとオープンダイアローグ 熊本地震、余震が続き、避難所生活の不自由さ、苛酷さが思いやられます。 テレビを見るだけでも辛いのに、被災された方たちはどんなでしょう・・・ 嘆く余裕もないほど今を生き抜くのに懸命になっておられることでしょう。 天災には勝てないという絶望感と言葉の無力さを感じます。 せめて、この余震が一刻も早くおさまってくれることを祈ります。 ...続きを見る

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2016/04/20 18:50
ナチスの時代を検証する2冊の本 「ナチスの戦争」と「ヒトラー演説」
ナチスの時代を検証する2冊の本 「ナチスの戦争」と「ヒトラー演説」 一抹の不安を感じるのは、現代でもヒトラーのような独裁者が出現する余地があるかどうかということだ。 議会制民主主義のワイマール共和国で独裁政治を許したのだから、現代でもあり得ないことではないという見方は けれども、少々雑駁過ぎるだろう。 「民主主義者なくして民主政治は存在しない」という言葉がある。 ワイマール共和国の人々は政治的洗練度、いわば民主主義者としての政治的熟練度が低かった、と結論付けることもできるだろう。 ... ...続きを見る

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2016/04/15 18:43
ヒトラーに抵抗した人々 反ナチ市民の勇気とは何か
ヒトラーに抵抗した人々 反ナチ市民の勇気とは何か 「わずか一二年のナチス期」は、そのはじまりの教訓と、その後に尾を引いた問題を考えるまでもなく、現代史の中でも特別に重要な時期であることに異論はないだろう。 本書は、ナチスに抵抗した人々の行動と倫理観について、一般の市民から上級将校、聖職者たちまでのそれを述べたものだ。 今日もまた移民排斥や宗教対立、経済格差が引き起こす不寛容が露わになってきている。 極限状況にあったナチス時代を多角的に検証することは、戦後70年を経た現代に通用する教訓を引き出すことになるだろう。 ...続きを見る

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2016/04/03 21:42
第三帝国の愛人 ヒトラーと対峙したアメリカ大使一家
第三帝国の愛人 ヒトラーと対峙したアメリカ大使一家 読書会に参考図書として「ヒトラーランド」と「第三帝国の愛人」を持参した。 前者は約500ページ、後者は約400ページの、内容も量も少々重い本だったせいか、読書会でとりあげるのは難しい、という意見があった。 お財布にもやさしく、あまり時間をかけずに読める新書程度の本が適当ということになった。 書評ではなく、本をネタにして談論風発、そのきっかけになればよいのだから、広く話題を提供してくれる本がよいだろう。 そこでネット書店を検索したところ、「ヒトラーに抵抗した人々 反ナチ市民... ...続きを見る

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2016/03/28 18:41
ヒトラーランド ナチの台頭を目撃した人々
ヒトラーランド ナチの台頭を目撃した人々 歴史を学ぶことの意味は言うまでもなく今現在の政治的判断の指標となるからだ。 とりわけ第一次世界大戦後の疲弊したドイツに登場したヒトラーとその時代を検証することは、経済格差が広がり民主主義が脅威にさらされる時代にあっては間違いなく大きな教訓をもたらすはずだ。 ...続きを見る

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2016/03/21 21:40
論理という神話 科学という名のフィクション      「背信の科学者たち」を読んで
論理という神話 科学という名のフィクション      「背信の科学者たち」を読んで 「論文捏造はなぜ繰り返されるのか?」と副題のついた本書を読み終えた。 論文の捏造については、1980年代からアメリカ議会において問題視され、すでに大きな社会問題と化していたことがわかる。 本書の旧版は1988年に翻訳されており、STAP細胞事件はじめ21世紀を迎えた頃から、日本でも急増した科学者の不正行為を受けて、改めて刊行されたものである。 ...続きを見る

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2016/03/07 18:21
小保方晴子著「あの日」を読んで
小保方晴子著「あの日」を読んで すでに科学史に残る大スキャンダルとして記憶されそうなSTAP細胞事件。 真相は未だ藪の中であり、当事者自身の主張が相反している以上、部外者は、「水掛け論」を公平に裁く材料を完全には手中にしていない。 ...続きを見る

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2016/02/29 22:23
捏造の科学者 STAP細胞事件
捏造の科学者 STAP細胞事件 奇々怪々たるSTAP細胞事件。 本書を読みながら、途中から科学ミステリーを読んでいるような気分になった。 STAP細胞のルーツをたどる樹形図辺りより、小保方晴子氏が若山照彦・山梨大学教授に手渡した「STAP細胞」が、何ものかの意図的な捏造によるものか、或いは研究資料のずさんな管理によるものか、ES細胞が紛れ込んでいる可能性があることが疑われた。 論文の不正疑惑が指摘され、STAP細胞作製という一大トピックスのヒロインにまつりあげられた直後小保方氏は急転直下、マスメディアその... ...続きを見る

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2016/02/18 22:14
SF小説「夏への扉」
SF小説「夏への扉」 ・・・・・・ だが胸のなかには冬があり、ぼくは夏への扉を探しつづけていた。 ...続きを見る

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2016/02/15 22:55
遅ればせながら「火花」を読んでみました
遅ればせながら「火花」を読んでみました 遅ればせながら第153回芥川賞受賞作「火花」を読んでみた。 最新の芥川賞が発表されたばかりで、感想文を記しておくタイミングとしては、はなはだ間が悪いけれど、もともと新刊にすぐ飛びつく方ではない上、芥川賞にも直木賞にももともとあまり興味がないのである。 常に新しいものを追いかけ、時代を呼吸しないではいられない人もいる。 だが、温故知新などという言葉を持ち出さずとも、優れた書物には古典であっても当然ながら今日的「読み」が可能なのだ。 ...続きを見る

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2016/02/07 16:47
樋口一葉のシニカルな眼差し 「書く女」を観る
樋口一葉のシニカルな眼差し 「書く女」を観る 世田谷パブリックシアターで永井愛作・演出の「書く女」を観る。 ヒロイン樋口一葉を演じるのは、初演の時は寺島しのぶ、再演になる今回は、今最も注目される女優の一人、黒木華。 ...続きを見る

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2016/01/31 22:47
夏への扉
夏への扉 軒下に残った雪が凍り付き、空気がしんと冷え渡る冬の某日。 青梅駅に降り立ち、「夏への扉」を目指した。 「夏への扉」とは喫茶店の名前である。 同名のSF小説のタイトルからとられた店名だということは後で知った。 ...続きを見る

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2016/01/28 19:59
「明治文壇の人々」を読み、一葉と緑雨について考える
「明治文壇の人々」を読み、一葉と緑雨について考える 永井愛の芝居「書く女」を観に行く前のウォーミングアップのつもりで、ウェッジ文庫の「明治文壇の人々」を読んでいたら、またぞろ樋口一葉をとりまく男たちの関係がまるで生けるがごとく、なまなましく浮かびあがってくるような気がした。 永井愛 作・演出の「書く女」の再演が、現代劇の設定で行われる理由がわかるような気がする。 樋口一葉も斎藤緑雨も現代に生きていたら、ともに売れっ子作家になっていたに違いない。 志半ばで肺病に斃れることもなく… それを思うと、時代の制約の大きさから、果たし... ...続きを見る

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2016/01/20 22:36
読書会はじめ 家族について
読書会はじめ 家族について 新年早々、初読書会ということで、某サークルの例会が開かれた。 読書会とは、体の良い名目のようなもので、その実、寿司割烹でランチの後、ジャズ喫茶で本をだしにしてのおしゃべり三昧となった。 とはいえ、当会を順調に発展させて、地域の親睦会から女性問題について考える会にしたいのは、会員それぞれの共通の思いではないだろうか。 ...続きを見る

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2016/01/17 18:39
「家族という病」を読んで
「家族という病」を読んで 家族に巣食う病、家族というイデオロギーの拘束と核家族化による弊害が家族間の葛藤を生みだしているのは事実だろう。 今日、家族の問題に悩んでいる人は意外に多い。 一方、親世代に何かあれば次世代がほっとかないし、仲違いした兄弟でもしぜんもとの関係にもどるものだ、と自信をもって言う人もいる。 しかし、覆水盆に返らず、とはよくいったもので、家族間の甘えからつい禁句を口にしてしまい、それがしこりとなり後を引くようなことも起こりがちだ。 ...続きを見る

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2016/01/06 21:58
一〇三歳になってわかったこと
一〇三歳になってわかったこと ベストセラーだそうである。 お行儀が悪いのだけれど、テレビの駅伝を横目に、お雑煮を頂きながら読み終えた。 篠田桃紅さんという人を少し間違って記憶していたようだ。 書家だとばかり思っていたのだが実はもっとはばの広い美術家(さらに言えば前衛芸術家)であり、映画監督篠田正浩氏の伯母あるいは叔母だと思っていたのが、実は従姉だった。 そういうわけで篠田桃紅という人についてはほとんど知らないも同然である。 ...続きを見る

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2016/01/02 18:02
4冊目になる3年連用日記
4冊目になる3年連用日記 2016年 あけましておめでとうございます。 ...続きを見る

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2016/01/01 17:01
芥川賞受賞作「スクラップ・アンド・ビルド」を読んで
芥川賞受賞作「スクラップ・アンド・ビルド」を読んで 羽田圭介著「スクラップ・アンド・ビルド」を読んでみた。 毎回芥川賞受賞作を熱心に読む方では全くないので、素朴に本作品に接することができたと思う。 読むきっかけは、某サークルで年明けに読書会をしようということに何となく決まって、テキストとして本著作と下重暁子著「家族という病」の二作がまた何となく選ばれたのだ。 一体だれが推選したのか思い出すことができないほど自然に決まった本作をアマゾンで購入。 ...続きを見る

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2015/12/29 15:50
自作について語る村上春樹と村上春樹論の間
自作について語る村上春樹と村上春樹論の間 品切れを恐れた書店が「買い取り」で確保したという話題の本。 ニュースを聴いた時は、「やれやれ」と思っただけで格別の興味を抱くこともなかったのだが、ひとつの村上春樹論を読んでからにわかに「自伝的エッセイ」と他者の批評の間に横たわる差異について知りたくなった。 ...続きを見る

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2015/11/02 18:17
小泉今日子はなぜいつも旬なのか 小泉今日子論を読む
10月13日に発売された「小泉今日子はなぜいつも旬なのか」を早速読んでみる。 芸能界にうとい人でも、人生の岐路で臨機応変に対処するための心得についてのハウ・ツーものとしても読める本。 といっても各論的な本ではなく、生きる姿勢といったおおもとにかかわる本である。 ...続きを見る

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2015/10/19 19:46
徳島の名産品あれこれ ルネッサンス リゾート ナルトにて
司馬遼太郎著「阿波紀行」は、藍生産について紙数を割いており、それを読むと「藍師」「水師」の職人気質が、徳島県人の気風に影響を与えたらしいことがわかる。 今ではすたれてしまった藍という産品と、その生産がもたらした富の結果ににわかに興味をかきたてられた。 藍生産のおかげで、阿波徳島藩の表石高25万7千石が、のち実質45万石といわれるまでになったというのだから… ...続きを見る

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2015/10/17 11:59
アルフレッド・シスレー展
練馬区立美術館で「アルフレッド・シスレー展」が開催中だ。 開館30周年記念として、印象派でも人気の高いシスレーは芸術の秋にふさわしい。 ...続きを見る

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2015/10/12 00:18
人間の大地 労働  セバスティアン・サルガード写真集
サルガドの写真集「人間の大地 労働」(1994)を図書館で借りて、リュックに入れた。 高価な写真集は絶版になっており、中古品の値段は正価のおよそ3倍している。 ...続きを見る

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2015/09/14 21:13
愛されなかった私たちが愛を知るまで            傷ついた子ども時代を乗り越え生きる若者たち
当然のことながら未だに知らない世界はたくさんある。 ところが日常、自分の周囲とアンテナがキャッチする偏った情報だけにとらわれていて、隣接する他者が生きる空間に対する想像力の方は眠り呆けてはいないか。 それは人間の認識の限界であり、宿命として片づけてよいものとは思われない。 無意識のうちに私たちはきっと偏向した世界に安住している。 ...続きを見る

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2015/09/10 22:19
煙草と喫茶店
「煙草はせりふを割って吸え」 ...続きを見る

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2015/09/08 19:09
タイラー・コーエン著「大格差」を読んで
タイラー・コーエン著「大格差」を読んだ。 タイトルは言うまでもなく昨今拡大していると指摘される、所得の格差を意味している。 邦訳の副題には、「機械の知能は仕事と所得をどう変えるか」とあり、機械と協同できる人が今後所得を増やしてゆくだろう、という自論が展開されている。 ...続きを見る

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2015/08/30 20:35
それぞれの源氏物語
源氏物語については気になる言葉がある。 いつか暇ができたら原文を読破しようなどと考えていたら、一生源氏物語を読まずに終わってしまうだろう。 だれの現代語訳でもよいから、一度通読すべしという内容であった。 いつ読むの? 今でしょ!というわけだ。 「源氏物語論」を書いた吉本隆明の言葉だ。 ...続きを見る

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2015/08/28 21:13
「ナイアガラ」を観る 公民館にて
本作の上映会は、「ひきこもり・ニート問題を考える」講座の一環として公民館で開かれた。 受講者ではなかったが、今回だけ、映画への興味から参加させてもらった。 映画鑑賞後、監督早川千絵氏と自立支援に携わる相談所所長高橋亜美氏のトークも行われた。 大阪で少年少女が殺害された事件に衝撃を受けたばかりでもあり、映画と、現場で日々問題に直面している方からの話を通じて子供をとりまく教育環境が著しく悪化していることを強く印象づけられた。 ...続きを見る

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2015/08/23 19:56
お盆休み読書日記
終戦70年という節目の年、安倍談話が発表され、メディアには例年になく力の入った戦争特集が組まれた。 取材力のあるNHKの番組は見落とせないので、連日スペシャルを観ることになる。 その中のひとつ青少年に語りかけるマハティール・元マレーシア首相の言葉が印象に残った。 世界を牛耳っているのは理想を忘れた老人たちだ、だから君たちはいつまでも理想を見失わないようにしなければならない、という内容だった。 今まさに権力の中枢にいる... ...続きを見る

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2015/08/17 21:58
「日本のいちばん長い日」を観て
終戦記念日間近。 テレビでも連日戦争特集が組まれている。 戦後70年にして新たに発掘される事実や映像があり、それらに接する度に、今まで抱いていた歴史観に微妙な変更を加えることにもなるのだ。 実際に体験した人から聴く話は、記憶が時の流れの中で変質することを免れないにせよ、あまりにも生々しい。 ...続きを見る

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2015/08/12 19:28
清里の父ポール・ラッシュの戦後 
NHKスペシャル「密室の戦争」を観た。 映像の中にポール・ラッシュらしき人物を発見し、彼が戦後GHQの民間諜報局に配属されていたことを思い出した。 番組は、戦中捕虜となった日本兵がアメリカ兵から尋問される様子を、録音テープの肉声によって生々しく伝えるものだった。 ...続きを見る

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2015/08/06 18:14
世界の夢の図書館
本が売れないとずっと言われているにもかかわらず、本は相変わらず大量に出版され、最悪の場合、本屋は梱包を解くこともなくそのまま取次に返品する。 本は誰の手に渡ることもなく裁断されゴミとなる。 一部は古本市場に出回り、割引価格で販売される。 ...続きを見る

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2015/08/02 17:54
舟越保武彫刻展 まなざしの向こうに
猛暑さなか、友人を誘うのも気が引けて、独り練馬区立美術館へ。 舟越保武彫刻展開催中の関連イヴェントとして、日大芸術学部教授の高橋幸次先生の講演があった。 ...続きを見る

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2015/07/31 21:58
「がんに負けるな!免疫力を上げるポジティブ生活術」を読んで
帯によれば、現役の医師と落語家の<がんジイ対談> 対談を含め、吉野槇一・元日本医科大学教授が、自らの体験をもとに「がん」との向き合いかた、或は病気全般との付き合い方について有益な示唆を与えてくれる本。 ...続きを見る

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2015/07/27 19:21
「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」を観て
近くのホールで「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」を観ました。 ハリウッドの人気美人女優だったグレース・ケリーが人気の絶頂期に、モナコのレーニエ大公と結婚し、その後ヒッチコックからの誘いがあったにもかかわらず、ついに映画界に復帰することなく、不幸にも自動車事故で52歳の生涯を閉じたことはあまりにも有名です。 ...続きを見る

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2015/07/06 00:26
ヴァチカン教皇庁図書館展U 書物がひらくルネサンス
印刷博物館で開かれている「ヴァチカン教皇庁図書館展U」 美しいリーフレットが、かつて書物が放っていた圧倒的なオーラを記憶のかなたから呼び起こすようだ。 ルネサンス期の出版人アルド・マヌーツィオについて、雪嶋宏一氏と白井敬尚氏の対談のあった土曜日に印刷博物館を訪れた。 ...続きを見る

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2015/06/29 22:05
ゆり園にて
実地踏査を兼ねて、という名目で所沢のゆり園を訪れました。 週日であるにもかかわらず、最寄り駅の西武球場前へ向かう人が多いのに驚きました。 ...続きを見る

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2015/06/26 19:22
太宰治の辞書
本書におさめられた3篇のうち、表題作「太宰治の辞書」は書下ろしである。 ...続きを見る

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2015/06/24 21:58
人類が永遠に続くのではないとしたら
いかにも正論という意見、解決不可能と思われるほどの深刻な話を、日常的な場ではもうだれも口にしない。 特に3.11以後は。 一刻一刻をそれなりに楽しく過ごし、日々が無事に過ぎゆけばそれでよい、と思っている。 どこか刹那的な気分に覆い尽くされているように感じるのは諦観からだろうか。 ...続きを見る

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2015/05/24 23:45
口腔衛生について 歯科衛生士に聞く
医療は日進月歩で変化している。 昨日の常識が今日になればすでに非常識、ということもありがちだ。 まことしやかに喧伝される健康法を、いつしか眉に唾して冷やかに受け止めるようになる。 ...続きを見る

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2015/05/18 21:10
邸宅美術館の誘惑
「邸宅美術館」の一語に魅かれてしまう。 貴族の館や富豪の屋敷で、ごくごく内輪の集まりの機会にしか観ることのできない個人蔵の名品たち。 たとえば「エコール・ド・パリ殺人事件」のようにミステリアスな事件の発生する場、或は富を独占する一族に降りかかる悲劇、遍歴する美術品の数奇な運命…etc. 美術館のガイドブックなのに、妄想がふくらみ、それ以上を期待させる。 美しい写真で紹介される美術館は、大西洋をはさんだ15館。 アメリカの5館に、イタリア3館、ベルギー3館、フランス2館、... ...続きを見る

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2015/05/08 22:18
平和時にも、「静かなノモンハン」が
労働者は、彼が富をより多く生産すればするほど、彼の生産の力と範囲とがより増大すればするほど、それだけますます貧しくなる。 労働者は商品をより多くつくればつくるほど、それだけますます彼はより安価な商品となる。 事物世界の価値増大にぴったり比例して、人間世界の価値低下がひどくなる。 ...続きを見る

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2015/04/27 11:38
「保守も知らない靖国神社」を読んでみました
タイトルからは、靖国神社の表層的なイメージを脱して「靖国神社」の成り立ちからその存在意義に迫るものであることを想像させる。 帯のコピーは少々挑発的な、誤解を招きそうな文言になっているので、靖国問題についての著者の考えを知るためには、最後まできちんと読むべきだろう。 そうしてはじめて本書を批判するなり、賛同するなりすればよいのである。 ...続きを見る

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2015/04/13 22:52
どこでもないところで 河野裕子遺歌集を読む
歌集「蝉声(せんせい)」を読んだ読者なら、このエッセイ集のタイトルが意味するところ、その深淵をのぞき込んだような気がして沈黙せざるを得ない。 「どこでもないところ」とは彼岸でも此岸でもない、文字通り「どこでもないところ」である。 広大でありながら空虚。 一方、この世は「さみしくてあたたかかりき」 ...続きを見る

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2015/04/10 21:30
「奥さまは愛国」を読んで 女たちの絶望の深さについて
北原みのり&朴順梨著「奥さまは愛国」を読んだ。 ふつうはスルーして読まないままで終わる本との出会いは、考えてみればとても不思議な運命的体験といえるだろう。 本書を読むに至る経緯について書いてみよう。 ...続きを見る

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2015/03/19 22:25
ブックデザイナー、受賞作を語る 印刷博物館にて
自らの作品について語るブックデザイナーの貴重な話を聴くことができました。 印刷博物館で開かれている「世界のブックデザイン2013−2014」展の講演会でのことです。 出席者は、アートディレクターの葛西薫氏、ブックデザイナーの佐藤亜沙美氏と濱崎実幸氏のお三方でした。 ...続きを見る

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2015/02/21 23:55
「街場の共同体論」を読んで
本書の中で秀逸なのは、あまりにも当たり前過ぎる教育論である。 ...続きを見る

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2015/02/08 16:00
街場の憂国会議 日本はこれからどうなるのか
どうしたら民意を政治に反映させることができるのだろうか。 ...続きを見る

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2015/02/02 16:32
医療につける薬
感染症などを専門とする岩田健太郎医師が、内田樹、鷲田清一と対談&鼎談するかたちで、医療制度や医療倫理、身体論などについて論じた本である。 医学あるいは医療の世界を、哲学や身体論の立場から説明すると、どんな言葉が飛び出してくるのか… 専門的な言葉はソリッドで融通性がきかず、時に思い込みという陥穽におちいる。 今日通用している治療指針なども、十年後には全く見当違いの非常識になっているかもしれない。 病気を総合的に診る際に、少し視点をずらすことで病が異なった様相を帯びてくる。 ... ...続きを見る

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2014/12/31 15:32
本田靖春著「K2に憑かれた男たち」
数十羽のニワトリを同じ条件で飼育していると、その中から強者があらわれて、これに追従する群が形成される。反対に弱者も出てくるが、これは強者を中心とする群にいじめられて、ますます弱くなってゆく。そして、弱いニワトリをかばうものは一羽もいない。 ...続きを見る

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2014/12/22 19:41
「ホーキング、自らを語る」を読んで
数日前のネットニュースに、人工知能が完成すれば、それは人類の終焉を意味するだろうというスティーヴン・ホーキングの談話が掲載された。 人工知能は自己を再設計することにより加速度的に進歩するため、生物的制約に縛られた人間は追いついていけない、ということだった。 ...続きを見る

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2014/12/06 18:46
シェイクスピアを追え!消えたファースト・フォリオ本の行方
本にまつわるミステリー、それも本物のドキュメンタリーなのだから、まだまだこの世には謎がいっぱい、わくわくさせられること間違いない。 まさに世界は劇場であり、一見平凡に見える世相にも、きっとドラマが潜んでいる。 シェイクスピアが戯曲に題材をとったような事件は時代が変われば違った様相を帯び、また新たなドラマが生まれるのだ。 一方、本そのものも数奇な運命をたどり、人間ドラマの悲喜劇に彩られる・・・ ...続きを見る

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2014/12/03 18:26
世界のブックデザイン2013−14 本の過去と未来
昨日より印刷博物館で「世界のブックデザイン2013―14」が始まりました。 毎年「世界で最も美しい本」のコンクールがライプツィヒで開かれていますが、その受賞作を含む本の展覧会です。 展示された本のほとんどが手に取りページを繰って、感触を確かめ、本の物質性を味わうことができるようにさりげなく置かれています。 ...続きを見る

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2014/11/30 21:30
見つめて、シェイクスピア展 美しき装丁本と絵で見る愛の世界
テクストを読みたいだけなら、モノによる呪縛からはなれた電子書籍がある。 だが、本というのは今でも特別な何ものかである。 11/30までという会期終了間近の「見つめて、シェイクスピア展 美しき装丁本と絵で見る愛の世界」で、イギリスの製本装丁家協会「デザイナー・ブックバインダーズ」によって選ばれた、美しい皮革装丁本の数々を観て、本というのは特別なモノなのだということを改めて実感した。 ...続きを見る

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2014/11/27 23:19
岩崎コレクション〜孔子から浮世絵まで 東洋文庫にて
浮世絵の話を聴くために連休最後の日、東洋文庫ミュージアムに出かけた。 六義園の紅葉を見がてらにと思ったのだが、いつもは閉門している駒込駅近くの裏門が開いていて、チケット売り場に行列ができていた。 本郷通もいつもより人出が多く、いかにも暢気な行楽客が行き交っている。 ちょっと迷ったけれど、紅葉はパスして東洋文庫に直行することにした。 岩崎コレクションの浮世絵は特に保存がよいという。 講演前の時間、それらをじっくり観て過ごすことにしよう・・・ ...続きを見る

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2014/11/25 20:44
バービーと私
バービー人形は1959年3月ニューヨークのトイフェアでデビューしたそうだ。 子どもだった私のもとへバービー人形がやってきたのは、それから間もない頃だったことを、本書によって知った。 成熟したおとなの体形をしたバービー人形に当初はめんくらったと思う。 高くバストが張り出した人形を見て 「子供の教育にどうなんでしょうか…」などと疑問を呈する母の友人がいたのもを記憶している。 今では笑い話である。 ...続きを見る

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2014/11/12 22:28
ファストファッション クローゼットの中の憂鬱
よほど禁欲的で利口な消費者でない限り、今日「クローゼットの中の憂鬱」と無縁な女性はまずいないのではないだろうか… 流行先端の服が格安で手に入る時代である。 著者はH&MやForever21に頻繁に足を運び、まるで日々のお惣菜を買うくらいの気軽な気持ちで服を購入する習慣がもたらす弊害に警鐘を鳴らす。 ...続きを見る

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2014/11/01 22:39
本田靖春著「私戦」を読んで
ガイドヘルパーをしているSさんが、寸又峡へ行くという。 視力障害者に付き添っての一泊旅行である。 そういえば「金嬉老事件というのがあったわよねえ」 ある年齢以上の人にとって、寸又峡という地名は金嬉老と切っても切れないものなのだ。 ...続きを見る

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2014/10/13 16:19
「村が消えた」 六ヶ所村弥栄地区の戦中戦後
読売新聞の辣腕記者で後にフリージャーナリストとして活躍した本田靖春の「村が消えた」(‘80)を読んだ。 今ではタイトルの意味を限界集落、過疎の村と読み違えそうであるが、表題の「村が消えた」は、従来の共助によって生きる村が、国策に翻弄された挙句、有機的な村の機能を失う以前に、文字通り農村そのものが消滅してしまったことを意味している。 (狭義には、関東軍の武力を背景に中国東北部に誕生した「弥栄(いやさか)村」、満蒙引き上げ後に国有地に入植した開拓部落「上弥栄村」を指していよう) ... ...続きを見る

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2014/10/04 20:01
聞き書き集が完成しました!
公民館のワークショップ全8回の最終日を迎え、聞き書き集の完成を楽しみに講座に出席しました。 (上掲の冊子がその完成品です) 当講座は、「女性の生き方講座」として「「私」のものがたりを紡ぎましょう」というタイトルがついています。 副題として「語り手と聞き手の力を引き出す「聞き書き」の魅力」とあり、聞き書きならこれからの課題として取り組んでみたいと思い、参加することになったものです。 ...続きを見る

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2014/09/25 18:46
愛と日本語の惑乱
日本語は難しい。 本書はコピーライターを主人公にして、日本語の誤った使い方、放送され活字化される際に問題になる差別語、若者言葉を例に挙げ言葉が生きものであること、脳と言語活動の関係など、小説中のエピソードとして紹介しながら、言語の問題がどこか主人公の愛情生活ともかかわり合っていることを諧謔的に暗示するという内容となっている。 ...続きを見る

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2014/09/12 22:26
原発ジプシー 被曝下請け労働者の記録【増補改訂版】
本書は、福島第一原発事故をはるかに遡る1979年に出版された原子力発電所潜入記を、事故後に増補改訂したものである。 下請けの労働者となった著者は高度に汚染された管理区域にも入り、日記形式でその作業の実体を詳細に報告している。 期間は1978年9月から1979年4月まで。 ちょうど第二次オイルショックの時期に重なっている。 場所は美浜発電所、続いて奇しくも福島第一原子力発電所、さらに最も汚染されているという敦賀発電所である。 ...続きを見る

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2014/08/30 15:23
みんな誰かの末裔 「ご先祖様はどちら様」
父方母方双方の祖父母の名前、或は祖母の旧姓を正確に言える人はどれくらいいるのだろうか。 やんごとなき家柄か系図を偽装していない限り、庶民の先祖は3親等以上も離れれば、もう霧の中である。 ...続きを見る

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2014/08/27 23:46
「弱くても勝てます」 開成高校野球部のセオリー
タイトルもいいし、装幀もイラストも、ほのぼの脱力系であるのが気に入ってしまった。 本書はウリ坊さんのブログより教えて頂いた。 もちろん、内容も面白い。 文体も、開成高校野球部に対する視線・スタンスもよく計算されているという印象を受ける。 ...続きを見る

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2014/08/17 19:02
「聞き書き」は難しい!
公民館主催の聞き書き講座に参加して、5回目を終了したところだ。 「聞き書き」はふつうに日本語を話すことさえできれば、小学生でも可能だという。 実際の「作品」を拝読すると、同じ人から聞き取っていながら、書かれる段になると別様の表現となり、その違いは驚くほどだ。 ...続きを見る

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2014/08/15 21:48
聞き書き集「女の絆と底力」
公民館主催の女性の生き方講座で、参加者が互いに聞き書きをして小冊子にまとめることになった。 講座のタイトルは「『私』のものがたりを紡ぎましょう」。 ...続きを見る

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2014/08/05 19:00
新考察「銀河鉄道の夜」 もりおか啄木・賢治青春館にて
盛岡に着いてから、夜の会食までの時間を友人と市街をぶらついてみることにした。 盛岡には5年前に来たことがあるので、土地っ子のように町を自由に歩けるのが爽快だった。 ...続きを見る

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2014/06/30 23:11
「ひたすら確かなものが見たい 白洲正子」を読んで
白洲正子の骨董の師匠が青山二郎であるのは有名な話だけれど、骨董によって文学を知ったと自ら語った小林秀雄が白洲正子に文学の何たるかを教えた。 モノにあれだけ愛着した白洲正子が晩年に至り「所詮モノよ」と言い放ったという話をどこかで読んで、なるほどモノに秘められた美の背後に人がいて、モノそのものよりも作者なり伝統を受け継ぐ人の実在こそ大きかったのだろうという気がしたものだ。 ...続きを見る

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2014/05/15 19:12
「アナと雪の女王」を観て
東映アニメーションギャラリーの筋向いにあるシネコン、Tジョイ大泉で「アナと雪の女王」を観た。 アンデルセンの原作を大幅に翻案してあるが、凍り付いた心を愛が解かす、というテーマは変わっていない。 子供の頃読んだ絵本、アンデルセンの「雪の女王」は、ハッピー・エンドよりも少年カイが雪の女王に連れ去れる場面ばかりが印象に残っている。 傷つくことを恐れる幼い感受性は、物語の顛末よりも強烈なシーンをことさら強く記憶しているものだ。 日曜日のホールの暗闇で、時折子供たちのクスクス声が響... ...続きを見る

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2014/05/12 19:18
短編小説の醍醐味 「20世紀イギリス短篇選」
短篇小説は素晴らしい。 「20世紀イギリス短篇選」を読んで改めてそう思う。 すでに絶版となっているのが惜しいほどの名作揃いだ。 ...続きを見る

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2014/04/19 20:19
聞き書き「3.11の現実 そして、私たちはこの町にきた」を読んで
東日本大震災より3年を越える歳月が流れようとしている。 当初の衝撃が去ると、いつの間にか原発再稼働への動きが表面化してきた。 福島から300q離れた地に住んでいても、原発が水素爆発を起こすテレビ映像を観た時は、東京も安全ではないのではないか、との疑念が過ったものだ。 3年の歳月と300qの距離は、人々の心にどのような違いをもたらすのだろうか。 ...続きを見る

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2014/04/07 22:03
「記事を書いてみよう」 ウェブライター講座最終回
ウェブライター講座もいよいよ最終回を迎えた。 1〜2年かけて学ぶことを全4回、計8時間の講座で習得しようというのは土台無理な話であろう。 ただ公民館の催事としては受講生が必ずしもライター志望ではないこと、PCの普及によって機関誌などの作成が身近になったこと、今や一億総ライターというのは少々大げさにしてもウェブ上に文章を公開する機会が増えた今日、情報リテラシー及びネチケットも含めて基本的な心構えを再確認できた意義は大きかった。 ...続きを見る

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2014/03/30 14:58
圧巻!モリソン書庫 東洋文庫にて
前から気になっていた東洋文庫。 ちょうどチベット映画「静かなるマニ石」の上映会があり、初訪問となった。 六義園の近くなので、枝垂桜の開花状況の観察も兼ねて、園内を散歩しながら、染井門より正門へと通り抜けた。 残念ながら3月23日現在、桜の方は写真の通り蕾のままだった。 見ごろは今週末くらいだろうか。 ...続きを見る

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2014/03/26 16:35
取材の仕方・インタビューの心得 第3回ウェブライター講座
今まで何気なく読み飛ばしていたウェブ上の記事。 「ウェブライター講座」を受講してからは、構成や細部が気になりだし、言葉遣いそのものに意識が向いてしまう。 一行目から読者を惹きつける修辞は作家にとって生命線だが、ウェブ上を泡沫のように浮かんでは消えする文章だからこそ、内容以上にライターのテクニックがものをいう。 ...続きを見る

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2014/03/15 15:40
「君は隅田川に消えたのか ―藤牧義夫と版画の虚実」
事実は小説より奇なり 漢籍からの引用かと思っていたら、実はバイロンの言葉だそうだ。 が、そんなことはどうでもよい。 言葉で説明された、後講釈の物語など、事実のほんの一側面に過ぎない。 事実の射程は遠く、深度は底知れない。 本書を読んだ後の一番の感想である。 ...続きを見る

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2014/03/04 17:37
読ませる文章をつくる 第2回ウェブライター講座
タイトルのテーマで2回目のウェブライター講座が近くの公民館で開かれた。 最初に参加者全員の自己紹介があり 多くの方が 「人に伝わる文章を書きたい」 という受講目的を挙げておられた。 すでにライターとして仕事をされている方、地域の機関紙の編集をされている方などが、いかに読者を惹きつける文章を書くかに苦心され、文章力をさらにアップさせたいと思っていることがわかる。 ...続きを見る

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2014/02/28 18:34
アマチュアの気楽さと自由 ウェブライター講座に参加して
昨夕、公民館で開かれたウェブライター講座に参加した。 講師は広告代理店勤務を経て、編集プロダクションと、在宅ワーク支援を行うNPO法人を運営されている女性だった。 受講者もライターを目指しているか、もしくはすでに仕事にしている方も多いように見受けられた。 ...続きを見る

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2014/02/13 19:02
『魯迅の言葉』ができるまで 印刷博物館にて
「世界で最も美しい本コンクール2013」で銀賞を受賞した「魯迅の言葉」 この本は、題名が示すとおり魯迅の箴言の中から日本人向けの内容を選んで編集したものだ。 平凡社と中国の三聯書店との共同制作であり、三聯書店は日本でいえば岩波書店にあたる存在らしい。 中国版の方は白で、日本版は赤という、両極端の色で装丁されているのが面白い。 ...続きを見る

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2014/01/27 19:28
中村文則著「掏摸」の快楽
中村文則著「掏摸」を読む。 数ページ読んだところで、たちまち既視感に襲われる。 すぐにそれがロベール・ブレッソンの「掏摸」という同名の映画であることに気付いた。 冒頭の部分、スリの実行場面は、ブレッソンの映画のクローズ・アップ・シーンをそのまま描写したのではないだろうか… ...続きを見る

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2014/01/25 23:17
信田さよ子著「コミュニケーション断念のすすめ」を読んで
「絆」が本来の意味をはなれ、肯定的に使われる一方、コミュニケーション不足が罪悪視されがちな今日。 臨床心理士である著者の考え方に日頃親しんでいる読者としては、題名から本書の内容をほぼ推察できるのであった。 ...続きを見る

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2014/01/22 19:58
ケネス・クラーク著「風景画論」を読む
ケネス・クラークの風景画論を読んでいると、絵画に及ぼす「観念の歴史」が走馬灯のように過り、著者自身が最初に断わっているように、美術史ではないにもかかわらず、何気なく美術館で目にする作品に、人類の「眼の歴史」が凝縮されていることに気づき、圧倒されずにおられない。 彼があるひとつの美術作品に言及していれば、その明晰な解説を実地に確かめるべく、当の作品が展示されている美術館に今すぐ走ってゆきたいような気持ちにさせられる。 批評や評論的論述はかくありたい、と思うような一書である。... ...続きを見る

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2013/12/30 22:33
復刻の聖母 渡辺千尋展
「復刻の聖母」は、日本で最初の銅版画とされる作品を渡辺千尋が復刻したものです。 ...続きを見る

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2013/12/21 22:51
「原発ホワイトアウト」を読んで
いつの間にか原発再稼働に向けてのタイムスケジュールが動き出している。 本書で示されたシナリオ通りに事が進んでいるようだ。 著者が現役官僚であるからこそ、世論を操作し、意図するところを実現してゆく官僚の手法を熟知しているということだろう。 顔を隠してのペンネームによる執筆だが 「日本中枢の崩壊」の古賀茂明に続いて政府の内部告発をする人が現われた。 ...続きを見る

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2013/12/14 21:14
電子申告をすべきだろうか・・・?
来年こそ税理士に頼らず、自分で確定申告をしてみようと発奮したのはいいのですが e−Taxでお手軽に、と考えたのは大きな間違いでした。 国税庁のサイトにアクセスしたところ、確定申告前の準備段階で早々に挫折。 e−Taxを利用するためにはまず電子証明書を取得する必要があり、その前に電子証明書を格納する住民基本台帳カードを入手せねばならないのでした。 あの悪名高き住基ネット… (すべての国民に住基カードが交付されることになれば、ICカードの特性上たやすく多機能化が図られ、国民総背番号制度が完... ...続きを見る

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2013/12/11 23:02
「おじいちゃんの少年時代と軍隊生活」 武蔵保谷村から
「下保谷の自然と文化を記録する会」が発行した本書を、文化財ウィークの企画事業として開催されたシンポジウムで目にした。 シンポジウムは、かつて保谷に立地していた「民族学博物館」を、宮本馨太郎・渋沢敬三・高橋文太郎・今和次郎という4人の民俗学者とのかかわりを通して回想するものだった。 ...続きを見る

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2013/11/18 19:26
リアリズム絵画入門
いかにも堅苦しい題名は、これから写実絵画を目指そうという画学生を念頭に置いて書かれたものだからかもしれないが、一般の美術ファンにとっても絵画の観方を進化させる手助けとなる良書である。 著者である野田弘志の作品をホキ美術館で観て、写真という記号表現の彼方、或いは奥行き、そして時間の経過まで表現するのが写実絵画であることを納得した。 ...続きを見る

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2013/11/09 18:52
「IOC オリンピックを動かす巨大組織」を読んで
9月7日、ブエノスアイレスで開かれたIOC総会で、2020年のオリンピック大会を東京で開催することが決まった。 関係者の喜びようはテレビを観るだけで十分に伝わってきた。 一般の人たちはどうだったのだろうか… オリンピックという巨大ビジネスの経済効果を今から皮算用して手放しで喜ぶ人ばかりではないだろう。 福島の原発事故の影響が懸念され、IOC総会で決まるまでは、悲観的な見方が大勢を占めていたように思う。 2000年の開催都市に北京が名乗りを上げた時は、天安門事件がIOC委... ...続きを見る

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2013/10/15 19:19
東京ジャズ喫茶物語
本棚の整理をしていて、何十年も前の本につい引き込まれてしまい、或いは変色した新聞の切り抜きの、小さな活字を追いはじめるや忽ち、遠い日にタイムスリップしてしまって、一向に所期の目的を達せなくなることはありがちなことだ・・・ と、書き始めて、いかにも説得力がないのは、昨今本は消耗品と割り切って、どんどん新陳代謝する人が多いだろうし、 さらには電子本の普及や、本は図書館でという読書家が増えているような気がするからだ。 ...続きを見る

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2013/09/29 19:34
若干ちょっと、気になるニホン語
東日本大震災以来、重宝に使われている言葉に「絆」がある。 人間どうしの結びつき、というくらいの意味でマスコミに頻出したのだが、その「いかがわしさ」を指摘する声も聞かれた。 主な批判は、そもそも「絆」はネガティブな意味合いで使われる言葉であったはずだというものだ。 本書でも、この言葉に触れ、「自由を束縛するもの」という本来の意味をとりあげ さらに震災直後に、「津波てんでんこ」の教えにからめ、「てんでんばらばら」になった個人がこれからどう自立していくかがカギだと語った小沢昭一... ...続きを見る

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2013/09/21 18:44
「はだしのゲン」を読んで
1972年に「月刊少年ジャンプ」にはじめて掲載された「はだしのゲン」をほるぷ版改訂版で読んだ。 掲載誌を替えながら紆余曲折を経て、良書として読み継がれてきた本書に何故今更、開架から閉架措置へという松江教育委員会の要望があったのか。 (現在、閉架処置は撤回されている) ...続きを見る

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2013/09/15 12:14
紅の党 習近平体制誕生の内幕
「保秘(秘密保持)」の厚い壁に隔てられ見え難いのが中国の権力構造だ。 薄煕来事件を突破口として、中国における最高権力の闇を解明しようというのが、2012年6月より朝日新聞紙上ではじまった連載である。 本書は連載された第一部「薄煕来」、第二部「赤い貴族」、第三部「指導者たち」に加え、習近平体制発足に至る最近の情勢を分析している。 ...続きを見る

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2013/09/12 22:43
帝都の事件を歩く 藤村操から2.26まで
「藤村操から2.26まで」と表題の横に書かれているように、明治後半から昭和初期にかけての近代史を辿りながら、かつての「帝都」を歩く。 歴史的事件の起きた現場を歩きつつ対談を行うのは、中島岳志と森まゆみ。 散歩対談の後におさらい篇として、さらに深く地誌と歴史を顧みての対談が続く。 とてもディープな内容の東京散歩である。 「東京を抱きしめる」博覧強記のガイドに導かれて、百年余前の東京に遡行して、時代の空気をまざまざと追体験するような臨場感がある。 ...続きを見る

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2013/08/29 21:19
「脱グローバル論 日本の未来のつくりかた」を読んで
日本の富裕層向けに、税負担の少ない国に移住するためのセミナーが盛んだと聞いて驚いた。 先日のNHKスペシャル「“新富裕層”vs.国家〜富をめぐる攻防〜」での話だ。 50分足らずの番組で深く掘り下げるのは難しいが、それでも登場するアメリカの新富裕層と呼ばれる人々に、稼がせてくれるのは世間だという意識が全くないのにはこれまた驚かされる。 こんな感慨を抱く人間の方がアナクロなのであって 資本がグローバル化する世界で、親密であると同時に手厳しい「世間」というものはとっくの昔に雲散... ...続きを見る

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2013/08/22 22:15
宮崎市定著「中国文明論集」を読む
シナ学及びアジア史の泰斗 宮崎市定の本を、なるべく気軽なものから読みたいと思って本書を手にした。 熱帯夜、眠くなるまでの小一時間。 朦朧と霧のかなたにあるかのような歴史的現実が平明な記述によって素人にも分かりやすく説かれる。 ...続きを見る

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2013/08/20 21:12
緒方貞子著「満州事変―政策の形成過程」
戦争をはじめるのは簡単だが、戦争を終わらせるのは難しい、という。 これは先の大戦からの教訓でもある。 終結が困難であると同時に、民主主義的な政体であれば、開始もまたそう容易く許せるものではないはずだ。 日中戦争から太平洋戦争へと拡大した先の大戦では、どのようにして戦端が開かれ、生産力ではるかに勝る米国を相手に戦わざるを得ない状況にまで国民を追いこんでいったのか。 ...続きを見る

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2013/08/16 16:54
「風立ちぬ」を観て
宮崎駿のアニメ映画「風立ちぬ」を観に近くのシネコンへ。 (因みにこのシネコンの斜め向かいに東映アニメーションギャラリーがあり、入場無料で見学することができる) ...続きを見る

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2013/08/14 21:55
本土決戦の虚像と実像
また終戦記念日がめぐってくる。 年を追って戦争体験者の数が減り、何もしないでいれば生々しい戦争の記憶もおのずと風化してしまうことだろう。 そこで、戦争経験を人に語らせるだけでなく、「モノ」に語らせようと「戦争遺跡」の保存に取り組んでいる人々がいる。 本書は、戦争末期に本土決戦を画策した軍部による地下壕の跡を検証し、見学のためのガイドともなっている。 ...続きを見る

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2013/08/10 00:34
岸田國士戯曲賞受賞作再演 永井愛(作・演出)の「兄帰る」を観る
劇場までわざわざ足を運ぶのは、言うまでもなく人間のドラマを観たいからだ。 これは映画を観に行くのとは、似ているようで全く違う。 生身の人間が目の前で演じるリアリティは映像表現にはないものだ。 ...続きを見る

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2013/08/05 15:28
漱石の長襦袢
夏目漱石について書かれた本はとても多いのだろう。 なかでも記憶に残っているのは、鏡子夫人の聞き書きをまとめた松岡譲の「漱石の思い出」だ。 松岡譲という作家の名前を知ったのもその本によってであり、未だに他の著作は読んだことがない。 ソクラテスの妻のごとく、鏡子夫人が悪妻にされてしまったいきさつについては、漱石の孫である半藤未利子の書いた本書に詳しい。 「漱石の思い出」を読んだ時ですら鏡子夫人が悪妻だとはとても思えなかった。 おおらかで気どりのない性格であることは、漱石が結... ...続きを見る

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2013/07/21 16:00
戦争の記憶を武蔵野にたずねて
以前「廃線路を歩く」というタイトルで、中島飛行機武蔵製作所への引き込み線の跡・グリーンパーク遊歩道の写真を拙ブログに掲載している。 ...続きを見る

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2013/07/15 16:22
松井今朝子著「壺中の回廊」を読んで
秘密めいたタイトル。 役者絵に蛇の目傘を配し、背景は紅蓮の空にモダン建築の黒いシルエット… 大いにそそられて早速、松井今朝子の新刊を手にした。 ...続きを見る

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2013/07/12 18:58
「能」をめぐる文化史講座 武蔵大学にて
演劇研究家の河竹登志夫が亡くなったのを知ったのは、松井今朝子のブログからでした。 ...続きを見る

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2013/06/16 21:18
葬儀の歴史
ほんの身内だけで納棺の儀が行われた。 棺に安置する前に、逆さ水(水に湯を加えた温水)を含ませた布を死者の肌に触れさせる。 これは湯灌を省略して、清拭とするためだ。 黄泉の国(仏教ではこうは言わないが)への旅支度として、足袋、手甲脚絆、数珠、草鞋を着ける。 編笠と額に着ける三角の白布はさすがに滑稽と思われたのか、納棺の後に頭部の傍らに置かれる。 頭陀袋には三途の川の渡り賃、六文銭をプリントしたもの、予備費?として千円札が入れられた。 布製の小さな造花が枕辺に並べられ ... ...続きを見る

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2013/06/13 21:00
辺見庸著「水の透視画法」を読んで
東北大震災後に著された「瓦礫の中から言葉を わたしの〈死者〉へ」(辺見庸著 NHK出版’12.1)は、ですます調で書かれていた。 天災・人災を問わず、想像を絶する圧倒的な災害に見舞われた時、被災者への共感を示そうにも、言葉そのものが沈黙してしまう。 どのような表現も、死者を悼む言葉に届かない。 震災直後マスメディアは失語症にかかったかのように、同じCMを流し続けた。 直接に被災した人間と今回辛くも命拾いした人間の間に決定的な断絶があることだけは確かなので 言葉を尽くして... ...続きを見る

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2013/06/10 19:19
フェルディナント・フォン・シーラッハ著「犯罪」を読んで
人が人を裁くことの重さを殊に強く意識させられるようになったのは、裁判員制度がはじまってからではないだろうか。 それまで専門家に任せて、安閑というわけではないが、目をつぶっていられた事象が、にわかに心をかき乱し、皮膚感覚的にリアルなイメージを結ぶようになった。 ...続きを見る

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2013/06/04 19:33
村上春樹著「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読む
謎めいた題名は少し異様な印象を与える。 何か仕掛けがあるのだろう、と思って読み始めた。 ...続きを見る

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2013/06/02 23:17
中国化する日本
中国化するとはどういうことだろう? 尖閣諸島の領有権をめぐる昨今の軋轢を考えると、日本がやがて中国にのみこまれてしまいかねないという危惧を表明したものか、などとネガティブな想像をしてしまうが 本書の言う「中国化」とは 「日本社会のあり方が中国社会のあり方に似てくること」 と、ゴシックで書かれている。 ...続きを見る

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2013/05/26 18:48
技術者の世界から描いた「零式戦闘機」を読み、今考えること
あまた存在する零戦物語に加えて、技術という視点から書かれたのが本書である。 初出は週刊文春誌上、1976年に連載されている。 高度経済成長期を経て、経済を優先させた結果、公害問題が噴出し、技術者として働くことが果たして世のためになるのだろうか、と懐疑的にならざるを得ない時代だったと記憶している。 ...続きを見る

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2013/05/19 15:47
「国家、人間あるいは狂気についてのノート」(辺見庸 著)を読んで
福島の原発事故が起こる少し前に手に取った朝日ジャーナル誌上だったと思う。 世界のどこかで甚大な原発事故が起こるだろうと予告していたのが本書の著者である辺見庸だった。 浅原彰晃ですら、この辺で(地震が)起こりますね、と神戸周辺を指して、予言者然としていたところ本当に阪神淡路大震災が起こってしまったのだから、この手のペシミズム、地震大国の日本ではまぐれでも当たらない確率の方が高いに違いない。 しかし、特別に緊急増刊された朝日ジャーナルはさすがに読み応えがあり、特に辺見庸による巻... ...続きを見る

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2013/05/15 18:42
零戦見学 所沢航空発祥記念館にて
零戦を見るために、所沢航空記念公園を訪れました。 アメリカからやって来た零戦は、展示期間が大幅に延長され、8月いっぱい見学できるそうです。 戦争を経験した世代は、最後には特攻機として利用された零戦を見るのは辛いかもしれません。 しかし、日本における航空機製作の黎明期に、技術者たちの知恵を結集した零戦です。 その技術の粋を目の当たりにし、技術立国として起とうと決意した敗戦後の日本にまで思いを馳せてみるのも、理数科離れが進んでいるといわれる今日だからこそ意義あることではないで... ...続きを見る

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2013/05/04 12:40
人殺し医療 マフィアが支配する現代メディカル・システム
あまりに過激なタイトルなので、最初から眉に唾して読み始めた。 すでに破綻していると言われる国民皆保険制度であるが、依然として公平な医療が安価で受けられる日本である。 保険料は高く、治療の結果に満足できないことも多いけれど、それは医学の限界ではなく、医療システムの制度上の欠陥であることを、改めて痛感する。 著者は、アメリカとイギリスの医療体制の欠陥を、西洋医学そのものの「構造的な欠陥」ととらえている。 ...続きを見る

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2013/04/23 22:08
「ハピネス」
久しぶりに桐野夏生の筆力に圧倒されて、その小説世界を堪能できると思っていたのだが、残念ながら期待外れだった。 女性誌に連載されたものを大幅に加筆修正したものだそうだ。 「VERY」という、子育て中の若いママを読者に想定した月刊誌だが、ここの読者はこの程度…、という計算が見え透いている気がする。 作家もサービス業であるから、読者の隠れた欲望を刺激し、その解消に向けて筆を揮うことが求められるのは分かるのだけれど… ...続きを見る

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2013/04/14 19:27
「下流志向」
遅ればせながら内田樹著「下流志向」を読んだ。 未だ「下流志向」は反省されていないようにみえるから。 「内田樹の研究室」では、当初たちまち絶版となった韓国語版「下流志向」が新訳で出ることが報告され、そのことについて若干の論考が加えられている。 このページの文章は、そのまま「下流志向」韓国語版序文になっている。 ...続きを見る

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2013/04/11 20:02
ベーシックインカムは究極の社会保障か
証券マンの、仮にA君としておくが、彼は財布に3千円以上は入れておかないのだという。 1日の当座の支出を抑えるための工夫だそうだ。 彼が取り扱う全口座残高と比べた時、その禁欲的な姿勢に驚いた。 高度経済成長は一度しか訪れないという。 資本主義500年の歴史からみて、19世紀から20世紀の経済成長が例外中の例外であることは、萱野稔人が強調するまでもなく、今日、共通の認識となっているはずだ。 バブルを経験した世代と、経済成長と無縁に過ごした世代とでは、その金銭感覚に大きな違い... ...続きを見る

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2013/03/24 15:31
誰がJ-POPを救えるか? マスコミが語れない業界盛衰記
CDが売れないという。 音楽はだいぶ前から単価100円から配信される商品になってしまったようだ。 B面の曲やアルバムの曲を抱き合わせで買わされることはない。 コピーが簡単にできてしまうので、3000円もするCDは高過ぎるという印象を与える。 ヨーロッパではクラシックのCDはほとんど売れず、来日する音楽家たちは外国人のコンサートに集まる日本人に驚いているとか。 ...続きを見る

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2013/03/14 19:18
反自然としての庭 「新・作庭記」
平安時代に書かれた「作庭記」に因んで、作庭の“鬼”たる丸山健二が書いた作庭の指南書にしてエッセイ。 趣味としての庭造りに取り組む姿勢があまりにも真摯なので、期せずして読者の笑いを誘う。 多分、作者が意図してのことではないのだろう。 真剣に生きようとすればするほど、傍から眺めてどこか滑稽味を帯びてしまうことがある。 英雄的行為には悲哀が付きまとい、理詰めな主義主張も正論であるがゆえに虚無的に聞こえてしまう。そういう時代なのだ。 老年期を迎えた「売れない作家」が吐く気炎に、... ...続きを見る

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2013/02/17 17:59
「小田嶋隆のコラム道」を読んで
小田嶋隆が面白いのだと熱っぽく言われて、読んでみた。 テクニカル・ライターとして出発した人で、コラムニストとしては職人芸が際立つ。 巻末に掲載された対談の中で、内田樹が「説明の名手」として橋本治、村上春樹、三島由紀夫の3人を挙げ、彼らに並べて小田嶋隆を絶賛している。 (対談の相手なのだから、いくらかリップサービスの意味もあるだろうが) テクニカル・ライターとしての研鑽に加え 視点を移動させることによって凡庸な景色に意外な光を帯びさせる。 その妙趣、描写の深さをいうのだ... ...続きを見る

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2013/02/13 18:49
北朝鮮14号管理所からの脱出
ナチスの絶滅収容所や旧ソ連のラーゲリのような過去の話ではない。 国家による人道に対する犯罪が今なお現在進行中である。 そのことに痛みを覚えるのは、過去の歴史を断罪する自信ありげな態度に比べ、同時代の非人道的行為に対してはあまりにも無力だからだ。 ...続きを見る

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2013/02/11 19:36
「ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪」
フリーター、ニート、引きこもり、超早期退職、うつ病、少子化、生活保護受給…etc. これらの問題を意識の問題として語りがちな傾向から、社会構造の問題として捉えなおし明確化したのが本書である。 有効求人倍率の低下を受けて、激しい就職戦線を「勝ち抜き」無事正社員として雇用されたあかつき、早々に退職を余儀なくされ、「すべり台」を滑り落ちるように生活困窮者となってしまう経緯を追い、そこにブラック企業の巧妙な労務管理の手口をみる。 ...続きを見る

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2013/02/06 17:16
暴力よさらば!「ズタボロ」
暴力のコントロールは人間にとって永遠の課題だ。 戦争だけでなく、日常的に起こり得る児童虐待やDV… なかでも、大阪市立桜宮高校バスケ部で見られたような「体罰」は論外だ。 顧問と生徒という上下関係において、無力で無防備な相手に一方的に行使される肉体的な懲罰行為は、暴力であると同時に、基本的な人間の尊厳を踏みにじるものだった。 だから、生徒は死んだ。 ルールに従って競うスポーツを指導する教師が、スポーツマンシップをないがしろにするような掟破りをしてみせたということだ。 ... ...続きを見る

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2013/01/25 19:06
青い鳥文庫ができるまで
「青い鳥文庫」というのは講談社が刊行している児童向け叢書だそうだ。 小説を中心に内容は多彩だ。 電子書籍の時代到来かと思いきや、まだまだ本という「かたち」に愛着する子どもたちは多いのだろう。 その青い鳥文庫ができるまでをドキュメントタッチで追ったのが本書である。 デッドラインをにらみながら、作家たちを鼓舞し、編集者を中心に、本という物質に結実するまでが、スリリングにまたサスペンスフルに描かれている。 一冊の本が構想されてから読者の手に渡る過程に、いかに多くの専門家、縁の... ...続きを見る

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2013/01/22 18:42
大往生したけりゃ医療とかかわるな 「自然死」のすすめ
挑発的な題名に相反して内容は至極まっとうなものであった。 医療に多くを求め過ぎた結果、医療保険財政の破たんを招き、死生観や教育など死にまつわる文化も劣化したように思えてならない。 霞が関の語り草ともなった国民皆保険制度。 医療従事者と患者双方がこの制度にどっぷり浸かって、病を癒し健康を維持することの本質を見失った結果、いつしか経済優先の医療に堕してしまったのではないだろうか。 健康保険制度のない時代、庶民にとって医療は高値の花であった。 それを万民が享受し得るサービスと... ...続きを見る

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2012/12/25 19:12
3冊目の3年連用日記
10年連用日記をつけてみたら面白いのではないかと思ったことがあった。 ところが10年分の日記を一冊におさめるのだから、記入欄が小さすぎて用をなさない。 その割に手元に置くにはかさばる。 今年も終りに近づき、来年の手帳や日記帳が並ぶ本屋の店頭で、再び10年という区切りのことが頭にチラついた。 「ひと昔」で括られる年月だ。 難点は書きこむスペースの小ささよりも、10年無事に暮らせると思っている自分の楽天ぶりの方だった。 ...続きを見る

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2012/11/25 21:10
本屋さんで待ちあわせ
駅前の本屋さんが消えて久しい。 駅なかに図書館ができ、駅ビルの地下にTSUTAYAが入り、それでほとんどの需要がまかなわれているのだとしたら悲しい。 そういう筆者からして別段何の不自由も感じないで、本を手に入れ、ほとんど平積みの新刊本を目にすることなく過ごしているのだけれど。 それでも隣駅の本屋に立ち寄る機会があれば、書評欄にとり上げられない本が並んでいて、最近の出版傾向が別角度で眺められる。 ネット書店で本を買う時代になっても、本屋さんは本のショールームとしても、新刊本... ...続きを見る

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2012/11/22 19:10
映画「黄金を抱いて翔べ」を観て
映画を観た翌日、朝日新聞の夕刊(11/9)に井筒和幸監督の談話が載っていた。 原作は高村薫のデビュー作となった同名小説。 240億円の金塊を狙って銀行強盗をする話だ。 強盗団のメンバーは、「人間のいない土地に行きたい」と願っている主人公をはじめ、社会からはみ出した面々だ。 未読のため比較できないのが残念だが 監督は、長年あたためてきたテーマを映画化するのは失業率の高い格差社会の今だと思ったと語っている。 ...続きを見る

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2012/11/16 20:36
友だち地獄 ―「空気を読む」世代のサバイバル
いじめによる自殺が相次いでニュースになる。 いじめられたり、いじめたりは昔からあったことだが… 今日的形態のいじめが問題化するようになったのは、個性化教育という理念が学校現場に導入された1980年代だという。 意外である。 個性、いいじゃないか、と誰でも思う。 ところが、創造力という多様な個性も、社会の要請にほかならない、と著者はいう。 均質な工場労働者から多種多様なニーズに応え得る人材の育成へと、教育の目的が変わった結果だと。 そのような意図が遠からず子供の世界に... ...続きを見る

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2012/11/12 20:04
「生命の未来を変えた男 山中伸弥・iPS細胞革命」を読んで
新たな発見や発明がされると、その内容のあまりの影響力の大きさに唖然とし、まるで自分が縄文時代人のまま停滞しているかの感に陥りがちな筆者なのですが 今般ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授のiPS細胞に至っては、不安と期待が相半ばするというより、はるかに不安の方が強いのでした。 ...続きを見る

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2012/11/09 16:19
ねにもつタイプ
書くということは思い出すことだ と、どこかで読んだような気がする。 プルーストの言葉だったかもしれない。 いかにも「失われた時を求めて」を書いた作家らしい。 ...続きを見る

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2012/10/22 16:54
読書の技法
「読書の秋」である。 いったい何度経巡ったことだろう… 芳しい成果に恵まれたという記憶は一向にないのだが(^_^;) ...続きを見る

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2012/10/16 17:45
フラワー・オブ・ライフ
三浦しをんのエッセイ経由で、よしながふみの「フラワー・オブ・ライフ」を知り、ネット・オフから購入。 面白く読んだ。 それにしても筆者のマンガ体験は、萩尾望都、竹宮恵子あたりで中断しているので、その後の少女漫画の動向をわずかながら推測させることにもなった。 ...続きを見る

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2012/10/13 11:30
あやつられ文楽鑑賞
文楽鑑賞は素人という三浦しをんが、古典や作劇術の素養を下地に、その初々しい視線で文楽の肝を語る、という一冊。 三浦しをんの父は、三浦佑之で、2002年に「口語訳 古事記」をヒットさせた上代文学者である。 そこでまず気になったので、お父さまの「口語訳 古事記」と筆者手持ちの全訳注・次田真幸(つぎたまさき)による「古事記」の訳を比較してみた。 原文に忠実な直訳の後者に対して、三浦佑之の口語訳は、口承文学がまだ生きていた時代の溌剌とした息吹を伝えるものだった。 そのようなDNAを受... ...続きを見る

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2012/10/09 18:52
映画「天地明察」を観て
「原作(冲方丁 著)を読んでいないと分かりにくい」という感想を聞いて そんなに難しいのか?と 「暦」といえば数学と天文学だからなあ…、映画化しにくいだろう、と思っていはいたが、映画(主演・岡田准一 監督・滝田洋二郎)としては至極分かりやすい映画だった。 たぶん…、少し居眠りしてしまったようだ(^_^;) ...続きを見る

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2012/10/06 22:44
ほとけの履歴書 奈良の仏像と日本のこころ
仏像ブームだそうで、仏像関連の書籍が続々と出版される。 仏像を読み解くために、美的鑑賞の観点だけでは飽き足らず、仏像の素材や技法、仏師集団を統率する大仏師の人間像に興味を抱くのはしぜんの成り行きだ。 著者の藪内佐斗司は、奈良県のマスコットキャラクター「せんとくん」をデザインしたことで知られる。 「せんとくん」のデザインについてはマスコミが広く報道していたことが思い出される。 個人的には昨今流行りのゆるキャラを見慣れた目には明快な画像が却って新鮮なくらいだ。 ...続きを見る

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2012/09/16 17:03
どんどん沈む日本をそれでも愛せますか?
内田樹と高橋源一郎の対談集。 渋谷陽一によるインタビュー雑誌「SIGHT」に連載された6回分に語り下ろし一回分をプラスして収録する。 (「沈む日本を愛せますか?」の続編だが、こちらの方は未読である) 東日本大震災以前に2回、以後に4(+1)回の対談が行われていて、奇しくも日本のシステム劣化が3.11を境として顕在化したことをあぶり出す内容となっている。 ...続きを見る

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2012/09/08 19:06
読めない遺言書
ミステリー小説ではあるが、社会派ともいえるし、青春小説としても読める。 松本清張のように巨悪に対峙するような権力構造を見せるわけではないが、貧困者ビジネス、無縁社会、デート商法、ひきこもり、…etc.今日的社会問題が浮き彫りにされている。 ...続きを見る

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2012/09/04 21:52
沖縄から撃つ!Okinawa 2004-2011
2004年に休刊した月刊誌「噂の眞相」の編集長だった岡留安則が沖縄への移住後、2009年7月から2011年9月までの間、発信した時事評である。 中心は勿論基地問題だが、中央政界にとって辺境である沖縄から見えてくる政治の実相がリアルだ。 東京にいる限り決して見えないものがある。 沖縄を訪れる閣僚のパフォーマンスが米国を意識したものに過ぎないことは、東日本大震災で現地を訪れた政治家たちのおざなりな対応と重なる。 ...続きを見る

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2012/08/30 22:03
「逝かない身体 ALS的日常を生きる」を読んで
ALS(筋委縮性側索硬化症)は脊髄の病気で、原因はまだ解明されておらず、神経性の病気のなかでは難病の代表とされている。 本書はALSのなかでも重篤なTLSの母親を、その死まで在宅で看た記録である。 ...続きを見る

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2012/08/25 20:51
タブーの正体! マスコミが「あのこと」に触れない理由
過敏なほど「空気を読む」 妙に物分かりがいい したり顔でタブーの存在をほのめかす ...続きを見る

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2012/08/22 22:21
「原発・正力・CIA」を読んで
日本への原子力発電導入はどのように始まり、方向づけられていったのか。 本書は、アメリカの公文書館などの主にCIA文書を探るうちに、とりわけ「正力松太郎ファイル」にこれまで知られていなかった事実の多くあることを発見し、正力とCIAの関係から戦後史の知られざる一面を明らかにしている。 ...続きを見る

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2012/08/19 21:21
「貧乏物語」
名著とされる本や気になる本は、とりあえず買っておく癖があったので、「つんどく」状態にあった本書をようやく読んだのが、購入してから25年後のことだった。 ...続きを見る

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2012/08/16 21:59
短篇の愉しさ 「チェスの話」
シュテファン・ツヴァイクによる、表題作を含む4つの短篇がおさめられている。 久しぶりに短篇小説を読んだ、堪能した、という読後感が残った。 チェホフやキャサリン・マンスフィールド、O.ヘンリーなど、古今東西数え切れないほどの短編小説の名手がいるが ツヴァイクが最も成功した伝記作家であるだけでなく、歴史の闇や心理の機微を巧みに表現する短編小説作家であったことが分かる。 ...続きを見る

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2012/08/12 19:00
メリー・スチュアート伝
ロンドン・オリンピックをテレビ観戦しながら、新潮文庫の復刻版、シュテファン・ツヴァイク作「メリー・スチュアート」を手にとった。 ...続きを見る

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2012/08/08 21:59
国が亡びるということ 本当のことを語っているのは誰か
新自由主義は国民を幸福にしないばかりか、国家を弱体化させると考える佐藤優が、新自由主義者とされる竹中平蔵と、TPP、ギリシア危機、震災復興、橋本徹…etc について語り合ったのが本書である。 タイトルからは各論が見えてこないが、年金問題、少子化、産業の空洞化、加速する公債残高の膨張など、日本は(世界は)どうなるんだろう、という不安を誰もがかかえていることを痛感させる表題である。 幅広く豊富な読書量を誇る佐藤優が、竹中平蔵の著作を精読した結果、「新自由主義者」「市場原理主義者... ...続きを見る

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2012/08/06 19:50
シュテファン・ツヴァイク ヨーロッパ統一幻想を生きた伝記作家
シュテファン・ツヴァイクの名は、同時代に同じように平和主義を唱えた「ヨーロッパ人」ロマン・ロランほど知られていないのではないだろうか。 私自身が、伝記文学「マリー・アントワネット」によってその存在をはじめて知ったような、遅れてきた読者だ。 ...続きを見る

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2012/08/02 21:30
「七十歳死亡法案、可決」を読んで
ショッキングな題名だけれど、このようなテーマはフィクションでなければ語れない。 社会保障についても今までタブーとされていたことがようやく、おおっぴらに議論されるようになった。 生活保護しかり、経管栄養などの延命措置についてもしかり… ただ、魔女狩りにならないよう、少数意見にも耳を傾け、世論の公平性を保つことに十分配慮した上での話であるが。 (いつの時代にも用心すべきは、想像力と寛容を忘れた独断である) ...続きを見る

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2012/07/29 13:47
「フクシマ」論−原子力ムラはなぜ生まれたのか−
節電の夏。 電力消費を極力抑える努力ぐらいしかできない現実に忸怩としながら、「フクシマ論」を読み終えた。 本書は、「中央と地方」と「日本の戦後成長」の関係を論じるために、福島原発にターゲットを絞って書かれた修士論文がもとになっている。 それも、福島原発事故の起きる約2カ月前に、東京大学大学院学際情報学府に提出され、加筆の後、原発事故後に発行された。 ...続きを見る

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2012/07/26 21:32
銀河列車を待ってみたくなる 小海線清里駅にて
清里はすっかり変わってしまった。 何よりも道路がよくなった。 比較するのが、アンノン族が闊歩していた時代をさらに遡り、清泉寮と学校寮くらいしかなかった頃の話なのだから、若い人には分からないだろう。 ...続きを見る

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2012/06/29 20:54
清泉寮
清里といえば清泉寮。 それにしても清泉寮ってこんなところだったかな〜、とびっくりするほどの観光客で賑わっていた。 大型観光バスが到着するたびにソフトクリーム売り場は長蛇の列。 ご多分にもれず筆者もソフトクリームを手にして アメリカ直輸入の雑貨などを販売し、ミルクスタンドや足湯を併設するジャージーハットのテラスから広々とした牧場を眺めた。 なだらかに東南へ傾斜してゆく牧場の彼方に秩父連山が遠望できる。 その背後で富士山が雲の中に隠れているのだ。 清泉寮をつくったポール... ...続きを見る

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2012/06/24 14:10
謎解きはディナーのあとで
ミステリを読む、というのは実は「アリバイ」か口実に過ぎなくて、恥ずかしながら、やはり“文学”!が読みたいのだ。 その点、本作には落胆せざるを得ない。 (これが前年の本屋大賞受賞作とは納得できない) 肩の力が抜けたついでにキャラクター設定や体言止めを適度に散りばめたテンポのよい文体を適当に愉しめたことを果とすべきか。 ...続きを見る

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2012/05/03 23:15
映画「わが母の記」を観る
予想したよりはるかに素晴らしい映像作品になっていたので、ここに記しておくことにする。 出演者は、もともと演技力に定評のある役所広司、樹木希林、宮崎あおい等。 原作は井上靖のエッセイあるいは小説の「わが母の記」 役所広司演じる主人公は、井上靖自身、その母を樹木希林が演じている。 3人の演技がごく自然に感じられるのが、芸達者の芸というものであろう。 ...続きを見る

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2012/04/30 11:58
「舟を編む」 2012年本屋大賞受賞作を読んで
言わずもがな、2012年の本屋大賞を受賞した「舟を編む」 題名から、植物の繊維を編んで水上で使用する小舟を想像し、民俗学的なテーマかな? と、思いきや、言葉の海を渡る辞書を編纂する作業のことだった。 とても詩的な、喚起力に富んだ題名で、タイトルだけでも読む気にさせた。 思いっきりペダンチックな内容を期待していたが、これも裏切られた。 言葉というコミュニケーションのためのツールを編纂するプロジェクトを通して、人間関係が言葉によって出来上がっていることをしみじみと感じさせる... ...続きを見る

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2012/04/27 18:51
マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙
演技派として定評のあるメリル・ストリープがアカデミー賞主演女優賞を獲ったというので話題になった映画。 アルツハイマーになってはいても今まだ生きている人物が映画化されているのである。 女優が演じる政治家像というのにてんから興味が持てなかったのだが、劇評で信用のおける松井今朝子が、ブログで褒めていたので観る気になった。 ...続きを見る

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2012/04/16 19:42
「解説」する文学
書評というのは、費やす手間と労力を考えれば到底、割に合わない仕事だ と、井上ひさしが書いていたのを思い出す。 テレビ書評というのが新鮮で、NHKの週刊ブックレビューを観ていたことがあった。 関川夏央はその頃よく出演していて、同席していた羽仁進が感に堪えたように、本そのものより説明のうまさに舌を巻いたと語っていたのが印象に残っている。 ...続きを見る

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2012/03/23 18:56
ホームレス歌人のいた冬
(柔らかい時計)を持ちて炊き出しのカレーの列に二時間並ぶ ...続きを見る

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2012/03/20 19:59
あれから一年
もう一年経ったとはとても思えない。 衝撃的な津波の映像はついこの間の出来事のようだ。 その直後の原子力発電所の事故。 電源の喪失によってみるみる干上がってゆく冷却水、 空焚きとなって早々にメルトダウンした燃料棒。 しかし、いつの間にか危機意識そのものが風化しつつあるようなのだ。 悪夢のような出来事は今も継続中だというのに。 あの時の心臓をわしづかみにされたような恐怖は今も生々しい。 それなのにどうかすると今が非常時であることを忘れている。 緊張に耐えられず、無意... ...続きを見る

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2012/03/13 21:04
宇治十帖の世界を歩く
宇治といえばまず平等院、末世に出現した浄土の世界である。 JR宇治駅に降り立ち、駅前通りを宇治橋の袂で平等院の参道へ折れるのがごく一般的なコースだろう。 学生時代にはじめて平等院を訪れた時は、ずいぶん寂れた印象を持ったものだ。 今思えばそれは廃墟の美に通じる趣であった。 特に展示棟「鳳翔館」が出来てからはすっかりきれいに整備されてしまった。 ...続きを見る

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2012/03/07 21:04
哲学の道
岩倉行きのバスを「南禅寺・永観堂道」で降りた時 白い雪片がひらりと舞うのが見えた。 急かされるように、南禅寺も永観堂もパスして、昼食の後「哲学の道」を歩きはじめた。 ...続きを見る

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2012/03/05 22:18
司馬遼太郎記念館
大和西大寺で近鉄奈良線に乗り換えて河内小阪まで30分余。 奈良か京都に行く際いつか立ち寄る機会もあるだろうと思っていた司馬遼太郎記念館をついに訪れた。 ...続きを見る

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2012/03/03 16:59
夢顔さんによろしく
題名からはのほほんとしたユーモア小説のような印象を受けるが この題名が意味するところは深長で、国家的な謀略がからんでいる。 「オール讀物」に掲載されたのが平成7年、単行本化された後も文庫になり版を重ねているので、多くの人が読まれていることだろう。 浅利慶太が絶賛して、劇団四季では「異国の丘」としてミュージカル化している。 ...続きを見る

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2012/02/22 19:26
山本有三記念館にて
三鷹駅前で車を降りた時、白い雪片が舞うのを見た。 あ〜、よりによって、こんな寒空の下を散歩がてら「山本有三記念館に行こう」だなんて! もの好きといおうか、言い出しっぺの責任を感じてしまった。 Nさんがすべて調整してくれて、高校時代の仲間と会うことになったのだ。 玉川上水沿いをそぞろ歩いて、記念館を見学の後、井の頭公園に面したイタリアンレストランでランチというコースである。 レストランに直行組が2名。 三鷹駅で落ち合った5人の中に卒業以来の仲間がいたせいもあり、リュック... ...続きを見る

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2012/02/17 22:31
「いつもそばに本が」
本書は作家、映画監督など73人の読書体験にまつわるエッセイ集。 1993年から2004年にかけて朝日新聞の読書欄に掲載されたものだ。 各人各様の読書遍歴が興味深いが、おのずから読書案内にもなっている。 ...続きを見る

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2012/02/08 19:40
東京考現学図鑑
過去に、今和次郎の「考現学入門」を読みふけったことがあった。 今和次郎の絵と文章には何ともいえない味があり、郷愁を誘った。 ...続きを見る

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2012/02/06 21:26
権力の館を歩く
政治が好きかどうかで人間の種類を大きく二分できるようだ。 政治にあまりよいイメージを持たない人は、政治を必要悪だと思っているのだろう。 君子危うきに近寄らず、という古い格言に従い、なるべく自分の生活から政治を遠ざけようとしているかにみえる。 ここでいう「政治」とは議会制民主主義でも平和憲法でもなく、人を動かす術である。 ...続きを見る

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2012/02/03 19:24
幻視の座 能楽師・宝生閑 聞き書き
幻視の座とはワキのことである。 能舞台でまず満座の注視を浴びるのはシテである。 シテの姿、衣装、面、舞に視線が集まるのは当然のこととして、シテの語る物語の聞き役であるワキ(旅僧が多い)を、観客がどのようにとらえるかが実は重要な鑑賞ポイントであることを本書から教えられた。 ワキは一般に観客の代表者ともみられている。 そこでワキをまるで空気のようなものとして軽視しがちなのではないだろうか。 ...続きを見る

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2012/01/23 22:10
バルテュス、自身を語る
バルテュスは自作について語ることの少ない画家だった。 それがついに晩年の聞書きによって、バルテュス作品の謎に迫るのが本書である。 その作品は時にスキャンダラスなものと看做された。 抽象やシュールレアリスム全盛の頃に一切の風潮に背を向け、具象を追求した画家… 本書にも、モンドリアンの描く樹木の美しさに言及しながら、彼が抽象に走ったことを非難する言葉が印象的である。 ...続きを見る

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2012/01/16 21:24
ぶらり散策門司紀行
誰でも気ままな個人旅行の自由に憧れる。 といっても実際には、未知の土地を自在に歩くことはなかなか難しい。 先達なしで石清水八幡宮に詣でたつもりになった仁和寺の法師のようなことになりかねない。 そこでホテルが主催するワンコインバスツアーに参加することにした。 時間は2時間。 門司港ホテルに集合、小型バスに乗り、日替わりで設定されたテーマに従いガイドが案内する。 門司港は観光に力を入れているので、休日には街歩きガイドツアーが各所で行われているようだ。 ...続きを見る

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2011/12/28 19:43
溝上純子さんの靴
某靴店に、履きやすく歩きやすいからといって、不格好な靴は嫌!と言明して、相談にのってもらったことがありました。 (表参道ヒルズにもお店のあるとてもおしゃれな靴屋さんです) マスターオブシューフィッターのK氏がドイツ製の靴を選び、弱冠調整してもらったところ、その安定感、堅牢さと気まじめな美しさが気に入りました。 その時、歩きやすさと靴としての美しさはちゃんと両立することを確信しました。 「用の美」というのは靴にも言えることなのかもしれません。 ...続きを見る

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2011/12/18 17:06
源氏物語九つの変奏
源氏物語というと、何か喉元に引っかかった魚の小骨のように感じてしまう今日この頃…(^_^;) 何が何でも原文で読むんだと力んでいないで、現代語訳で読むことをすすめていたのは吉本隆明でした。 源氏物語はあまりに長く、あまりに古典過ぎ、あまりに我々の生活とかけ離れているように感じてしまうせいでしょうか。 かく言う筆者も原文で通読したことは一度たりともないのです。 ...続きを見る

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2011/12/06 19:50
個人美術館の愉しみ
インターネットの内容が今ほど充実していない頃は、美術館のガイドブックはやはり便利なものだった。 しかし、こんなに「愉しい」「ガイドブック」はなかった。 ...続きを見る

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2011/12/01 19:19
縦横無尽の文章レッスン
表題からは、何だか凄い文章が出てきそうですが… そして、すさまじい文章修業が想像されますが 著者は下関の大学で、ごく平易に文章作法を講じている小説家です。 基本的なことが書かれています。 文章の基本は、当たり前のことですけど、まず何を書きたいか、です。 その「何か」はまだ言葉では捉えられたことのないことかもしれない。 ...続きを見る

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2011/11/29 19:21
安曇野挽歌 田淵行男写真文集
安曇野へ行こう、と思った時に、この写真集を手にとった。 すでに購入できない本なので、図書館より貸し出した。 出版されてからすでに30年近くの歳月が流れ、掲載された写真の中には、さらに20年余の時間を遡るフィルムより現像されたものがあった。 今から50年前の安曇野の風景が蘇る。 ...続きを見る

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2011/11/07 16:15
「原のぶ子の生涯  近現代日本服飾界の礎」を読んで
落葉を踏みしめて、皮のブーツで闊歩したくなる。 暑く長い夏が終わり、ようやくおしゃれをしたい季節になった。 そんな秋の日に、日本の洋装の歴史を牽引した原のぶ子の生涯に思いを馳せ、装うことの意味を今一度問い直してみたい。 著者は、原のぶ子の姪である原秋櫻子。 和装から洋装へと日本人の衣生活が激変してゆく時代に、まず和裁を修めた原のぶ子は昭和9年に、洋服について学ぶために、文部省の委託を受けてパリへと旅立っている。 日本人としてはじめてのことだった。 渡航先のフランスでは... ...続きを見る

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2011/11/04 16:38
平曲と能
以前一度だけ、上原まりが平家物語を語る筑前琵琶を生で聴いたことがあった。 同じく上原まりの「耳なし芳一」を聴き、琵琶なら是非平家もと思ったのだが、こちらは正直、あまり面白いとは感じなかった。 (正確には近世以降に平家物語に取材してつくられた曲は、平曲とは呼ばないそうだ) 平曲とは、盲僧が琵琶をかきならしながら、平家物語を語る(うたう)音楽である。 ...続きを見る

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2011/11/03 11:48
秋山紀行 紅葉情報
昨年11月1日に秋山郷を訪れた人が、その錦秋の美しさを忘れることができず、今秋再びの願いを込めて遠路遥々足を運んだと話していた。 残念ながら紅葉の盛りはこれから10日ほど後のことになろう。 日々に、アントシアンの色を深めてゆくこの時期、山はひと雨ごとに赤く染まってゆく。 ...続きを見る

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2011/10/21 12:39
「花に焦がれて ―植物採集にかけた情熱」 牧野記念庭園にて
爽やかな秋の午後、一駅お隣の牧野記念庭園まで足を延ばした。 小学生の頃、スケッチブックを片手に、先生に引率されて見学したものだ。 昨年夏にリニューアルオープンしており、展示棟がすっかり新しくなっていた。 白木の建物が庭の緑にとけ込んでいる。 ...続きを見る

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2011/10/12 21:26
川上弘美句集 「機嫌のいい犬」
朝夕の空気がひんやりしてくると、肩の凝らないものが読みたくなる。 そこで、川上弘美の句集が目についた。 「私を読んで!」とことさら共感を求めるでもなく、つぶやかれた17文字。 ほとんど余白の頁の中に、ぽつんと最短詩型が二行だけ… ...続きを見る

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2011/10/11 18:57
正宗白鳥を読む 「新編 作家論」
夜ごとに正宗白鳥の「作家論」を読んでいる。 充実の作家論なので「一目十行」というわけにはいかない。 岩波文庫約460ページ、平明で読みやすい文体は、小林秀雄が「白鳥百話」を評して「音楽みたい」と言った通りだ。 日本近代文学の苦闘!の歴史が、一人の作家の肉体を通し、咀嚼されて目の前に横たわっている。 高踏派から自然主義まで、西欧の文学作品に打ちのめされ、江戸の歌舞伎に象徴されるようなエロ・グロ・ナンセンスを克服して、日本近代の名にふさわしいいかなる作物が創造されたか… 走... ...続きを見る

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2011/10/04 22:10
正宗白鳥を読む 「世界漫遊随筆抄」
小林秀雄が高く評価していた正宗白鳥の「作家論」を読み始めた。 金木犀が香りはじめ、空気は爽やかに澄んでいる。 読書には最適な季節でもあり、日頃読まないものを読んで粗雑な知識の空隙を埋めようと思う…(^_^;) ...続きを見る

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2011/10/01 12:07
「小林秀雄対話集」は面白い!
高踏派を気取っているような人でも、ゴシップに興味を懐かない人はないと思う。 一見俗っぽい出来事が、人間存在の深みを探るきっかけになるのだから、好奇心に訴えないはずはない。 昨今テレビを席巻している俗悪な番組とは、別の次元に属する問題だ。 ...続きを見る

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2011/09/23 14:07
斎院・斎宮と「源氏物語」  国立能楽堂にて
夕暮れ時、屋敷林の傍を通りかかると、いかにも涼しげに虫の声が聞こえてくる。 オーケストラというよりも大合唱である。 ヤマボウシの実が熟れて落ち、カツラの木が香ばしい匂いを発散していた。 ...続きを見る

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2011/09/18 14:36
定家明月記私抄
厳しい残暑が続いているが、コントラストの強い日射しも風も空気もどこか秋である。 街路樹の桜も気早に黄葉して散りはじめている。 さすがに月がきれいだ。 ...続きを見る

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2011/09/14 18:50
読書の秋に先立ち、名著「私の國語教室」を読む
年齢の為せるわざか、世の中のシステムに対して何かと不満が萌すことが多くなった。 そのせいもあり、福田恒存が文部官僚の思惑を見抜き、レトリックを駆使しつつ強固に張り巡らせた論陣に、本論をはなれてまず爽快さを感じるのだった。 このレトリックに関しては、反対派から批判のタネともなったようだが、そこは戯曲作家の面目躍如といったところだろう。 ...続きを見る

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2011/09/05 19:37
吉村昭著「三陸海岸大津波」を読んで
貞観以来、千年に一度の規模の津波だといわれて、果たしてその災禍に完璧に備えることができただろか、と問われれば、「否」である。 地震多発地帯である三陸海岸沖で、殊に湾入が深い田老町では、過去に幾多の津波を経験している。 当然のことながら防災意識は高い。 巨大な防潮堤は海外からも見学者が訪れるほどだったという。 ...続きを見る

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2011/09/03 19:05
子どもたちの「津波碑」
しかし途中で母が「だめだ、もう走れない。無理だ、あきらめる。みんなのことお願いね」と言って、走るのをやめてしまったのです。俺が「何ふざけた事を言ってんだ。津波がそこまで来てるんだぞ!走れ!がんばって走れ!」と言うと、また少し走り始めました。でも正直言うと俺は、“もう間に合わないかもしれない。全員津波にのみ込まれてしまうのでは”と不安でたまりませんでした。 ...続きを見る

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2011/08/29 21:18
デフレの正体
デフレはいつまで続くのか。 インフレが来ると不安を煽り、消費へと煽る向きもある。 本書は、消費が低迷し物価が下落する理由を、マクロ経済からではなく、人口動態から説明している。 「経済を動かしているのは、景気の波ではなくて人口の波で、つまり生産年齢人口=現役世代の数の増減だ」というのが要旨である。 ...続きを見る

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2011/08/26 21:45
白川静 漢字の世界観
「孔子伝」を拾い読みした後で、「白川静 漢字の世界観」を読む。 (「孔子伝」は後日、じっくりと読むことにしよう。夏風邪が長引き、根気がない) ...続きを見る

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2011/08/24 18:11
徳富蘇峰 日本ナショナリズムの軌跡
徳富蘇峰といっても、今時芳しい反応は帰ってこないだろう。 「不如帰」を書いた徳富蘆花の兄で、考え方の違いから疎遠だったとか… 大ジャーナリストと言われる「大」の意味を実感できるほどの知識もない。 ...続きを見る

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2011/08/22 19:02
「周恩来秘録」を読んで
BSプレミアムで「家族と側近が語る周恩来」を興味深く観た。 文化大革命当時のことが未だにタブーとされる中国で、ごく内輪の人間だけが語る周恩来像に、まだまだ秘された部分が大きいことを感じざるを得ない。 インタビューからは克己心の強い優秀な実務家としての政治家像がクローズアップされていた。 学生運動時代に知り合った妻のケ穎超との間に子はなく、姪や甥の面倒をよくみた。 一説にケ穎超が子を産まなかったのは、いつ政治的迫害の累が及ぶか分からない過酷な権力... ...続きを見る

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2011/08/19 23:26
「ゴランノスポン」 町田康を読む
町田康の作品は、小説でもエッセイでも調子よくどんどん読めてしまう。 作者自身の強烈な自意識も、深刻さを相対化しているので、太宰治のパロディにまでなっている。 ...続きを見る

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2011/08/13 11:26
「白川静読本」 文字に「呪」をこめた遠い昔
「空海と密教美術展」(〜9/25@東博)に因んだテレビ番組の、第2集「名筆の誕生」を観た。 東京国立博物館で、空海の直筆「聾瞽指帰(ろうこしい)」に惹きつけられた理由がよく分かった。 迷うことなく仏道修行に邁進しようと決心した沙門空海の、まさに青春の書。 戯曲仕立てで書かれているということが、何よりも空海の文学的創造力のたくましさを語っているように思う。 勿論、漢文による内容をただちに理解できるはずもなく、ただただ文字に魅せられた。 運筆の呼吸、一気呵成に書き上げられた... ...続きを見る

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2011/08/10 19:18
京都からやってきたブローチ
京都には茶道、華道、芸能、花街など、1100年の古都としての歴史を誇る文化が、時代の流れに抵抗しながらも、伝承されています。 それぞれの文化に伝統的な職人さんたちの手わざが必要とされるので、細々とながらも技術が受け継がれていることは心強いことです。 ...続きを見る

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2011/08/03 19:15
人間小唄
久しぶりに町田康の文章を読んだ。 町田康節は相変わらず快調で、読者に心地よい浄化をもたらす最良の解毒剤である… なんて御大層な感想をもらせば、作者自身は、してやったりと、ほくそ笑んでいるような気もするのだが、どうしてこんな文章が出てくるのか分からない。 ギャグや文体のパロディ、スラング…など パンク少年の出自をもつ作者の独特の言語感。 次々に予想を裏切るような奇想天外な言葉の速射砲、そのリズム感。 言葉の奴隷であった読者がいつかその牢獄を脱し、リセットされるような気が... ...続きを見る

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2011/07/27 18:53
神のものは神に・・・ 「神の火」を読んで
日本にスパイ小説が根付いた形跡はあまりないのではないだろうか。 「神の火」の主人公は元スパイという設定である。 それでもスパイなどという「職分」はどうも日本という政治風土にはしっくりこない。 ...続きを見る

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2011/07/24 11:08
福島原発メルトダウン
菅直人首相が、一旦は玄海原発再稼働に対してゴーサインを出しておきながら、全原発のストレステストを行う方針を示し、海江田経産相が辞任を示唆する発言をするなど、波紋を呼んでいる。 菅直人を反原発の旗手と見るナイーブな有権者はよもやいまい、と思っていたところ、一部にはなお続投を望む声があるらしいことに驚く。 彼の「反原発」がまがいものであることをおそらく多くの人が見抜いているのではないだろうか。 自民党の政策を変更するどころか、なおも推し進めて原子炉輸出のトップセールスを務め、ベ... ...続きを見る

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2011/07/09 08:22
話題の書「日本中枢の崩壊」を読んで
戦後長い間、有権者は、日本の官僚の優秀さを信じ、政策決定から執行までのすべてを任せてきた。 政局が混乱して、今日のような政治の空白期が生れても、行政府があれば政策は実行され、日々の生活に支障を来たすことはないだろう、と故もなく安穏に構え、あまり深く考えることもなく役人たちに白紙委任状を与えてきてしまったのではないだろうか。 しばしば、事情を知る人から、日本は役人天国ですからね、とあきらめ顔で言われることはあっても、寄らば大樹の蔭、を決め込んで、政治にタッチすることを忌避してき... ...続きを見る

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2011/07/03 19:41
ロング・グッドバイ 浅川マキの世界
一読後、残念なことをした、という思いが過った。 音楽は消えてゆくものだし、人は死ぬものだという、当たり前のことを、本当に知っていなかったなあ… 若い頃、と思う。 ...続きを見る

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2011/06/23 18:27
「屠場」 本橋成一写真集
傍らに積んでおきながら、なかなか扉を開けることができないでいた写真集だ。 「屠場」という今までカメラを拒んできた労働の現場、そして食肉を日々の食卓にのせながら、暗黙のうちにその源へ遡ることをタブーとしてきた世界… ...続きを見る

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2011/06/19 23:04
原子力の社会史―その日本的展開
本書は、原子力という切り口から概観された日本の「現代史」である。 戦中の原爆研究に触れた上で、1954年の中曽根康弘らによる原子力予算の出現から、本書が書かれた1999年に至るまでのほぼ半世紀にわたる原子力開発の歴史が、非常に明晰に分析・論述されていて、圧倒的だ。 すでに10年以上も前に、このような本が出版される土壌が醸成されていたにもかかわらず 原子力開発の問題点が出揃い、識者の共通認識となっていながら、福島第一原発のような事態に至ったことは、残念というより無念の一語に尽... ...続きを見る

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2011/06/17 19:28
「リスクセンス」を読んで
リスクセンスとは、複雑な技術システムが稼働し、科学の進歩が今まで未知数だったリスクを明示する時代に、リスクの質と量を正しく認識し、判断する感覚のことだ。 最早リスクゼロを求めて細菌を徹底的に追いつめたり、危険が回避できるという幻想を抱ける時代は終わったのだ。 あるリスクを軽減するためにとった処置が他のリスクを増大させる。 膨大な危険物質、ささいなヒューマンエラーによって生じる巨大事故から人はどのように距離をとり、より安全な選択をすることができるのだろうか。 リスクは相対的... ...続きを見る

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2011/06/13 18:57
二酸化炭素温暖化説の崩壊
二酸化炭素が地球温暖化の最有力候補として浮上したのはいつの頃からなのだろうか。 そもそも地球は温暖化しているのか。 著者の問題設定はより根源的である。 ...続きを見る

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2011/06/08 20:25
日本復興計画
菅内閣の不信任決議案が否決された。 復興の目途をつけ世代交代したところですみやかに退陣するという言質を与えて民主党議員の造反を辛うじて抑えたかたちだ。 いずれにせよ、菅内閣の当座の続投が決まったからには、与野党心機一転して、サクサクと復興計画を遂行して欲しい。 ...続きを見る

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2011/06/02 17:38
「人はなぜ逃げおくれるのか ―災害の心理学」
ありふれた日常の風景が、一瞬の後には暗転して目を覆うばかりの惨劇が出現する。 その一瞬の差が生死を分ける。 人はなぜ逃げおくれるのだろうか (私たちは果たして原発の被害から逃げおおせるのだろうか…) ...続きを見る

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2011/05/29 18:41
「原発事故はなぜくりかえすのか」
高木仁三郎の絶筆「原発事故はなぜくりかえすのか」を再読しました。 高木仁三郎は萩原朔太郎の出身地でもある前橋の生れで、実は小説を書きたかったのだそうです。 病床でJCO事故を知り、やむにやまれないような気持ちになったのでしょう。 「市民科学者として生きる」に続いて書かれたのが本書です。 技術論でないところからこの事故に迫ってみたい、ということで少々抽象的な論述になっています。 ...続きを見る

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2011/05/15 20:09
「核」論 鉄腕アトムと原発事故のあいだ
都心に行く用事があって、リュックに放り込んだのが加藤典洋の「敗戦後論」 文庫本で軽いけれど、電車の中で読むにはちょっと肩がこる代物だが、翌日手にとった「核」論がこの本の引用からはじまっている偶然にちょっと驚いた。 ...続きを見る

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2011/05/14 10:40
「原発の経済学」より
音もしない霧雨が、いつしか梅雨時のような本降りになった。 肌寒い。 以前だったら思わずガスストーブに手が伸びるところだけれど、節電の習慣がガス器具にまで省エネさせている。 ...続きを見る

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2011/05/12 19:43
幻の東南海地震1944年
確率論的にいえば、人は一生の間に一度は大地震に遭うそうだ。 東京で震度5という3月11日の地震が、自分の経験では最も大きなものだったので、まだこれからも当然油断できない。 原子炉の寿命を30年から60年(100年と豪語する人もいる)と見積もると、やはり一回くらいは大地震に遭遇すると考えるのがふつうではないだろうか。 まして、地震期に入ったといわれる日本列島、それも活断層上の原子炉においてをや。 ...続きを見る

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2011/05/09 17:24
「市民科学者として生きる」高木仁三郎の生き方
本好きのSさんが、しばらくぶりに池袋の大型書店に立ち寄ったところ 「原発コーナーができているんですよ!」 と、驚いている。 泥棒とらえて縄をなう… 思わず苦笑してしまうが、さもありなん。 きっと岩波新書・新赤版の本書も10年ぶりに蘇って、平積みにされていることだろう。 ...続きを見る

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2011/05/07 18:28
原発と地震 ―柏崎刈羽「震度7」の警告
本書を読むと改めて、中越沖地震の記憶がまだ遠くないにもかかわらず、福島第一原発の事故が防げなかったことを残念に思う。 本書は、中越沖地震があぶり出した世界一の原発集積地・柏崎刈羽原発の問題点の記録である。 あくまで中立の見地から、東京電力、国、地元、電力消費地である東京、それぞれの立場からの本音を引き出しているように思う。 原発の是非を判断するのは読者である。 ...続きを見る

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2011/05/05 21:04
天国よりもふるさとを!「ナージャの村」
     悲しみの大地、と人は呼ぶが、      ここで暮らしている人々のことは知らない。      放射能のたべもの、放射能の家、放射能の大地、      そして放射能のふるさと。      問題は放射能ではなく、いのちのことなのに。      そんなことは誰も云わない。      ただ危険だから逃げろ、と云う。      いまだに花も咲くし、穀物だって収穫できる。      美しく藍色の空はひろがり、落ち葉が舞う。      何もかわらない、わたしのふるさと... ...続きを見る

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2011/04/30 09:52
危険な夢
食卓の向かいから妹が目配せする。 「もうその話はしないで」 というわけだ。 ...続きを見る

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2011/04/22 07:12
「原子炉時限爆弾」を読んで
余震が続く。 慣れっこになってしまうのが怖い。 「天災は忘れた頃にやってくる」と言ったのは地震研究所員だった寺田寅彦。 日本列島は吊り橋の上にのっているようなものだ、という彼の言葉も最近の「天声人語」に紹介された。 寺田寅彦は当然のことながら「プレートテクトニクス」理論を知らなかった。 それでも科学者の直感は凄いと思う。 理論として整理される前の、ひらめきに英知がある。 細分化されたセクションの専門家になってしまうと見え難くなることを、きちんと洞察している。 ...続きを見る

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2011/04/11 21:17
新型インフルエンザの教訓
渦中にある時は誰でも、事の成り行きを正確に見極めるのは難しい。 現実はいつも想像の域を越えているようだ。 新たな大惨事が起これば、たちまちにして過去の事件は忘れ去られる。 千年に一度の災害に遭遇して、その圧倒的な不安のただ中では、ほんの一年前の出来事でさえ、まるで夢のように感じられる。 ...続きを見る

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2011/04/08 17:29
「プルトニウムの恐怖」
原子力産業は、細分化した専門家たちの構成する産業となってしまいました。これらの専門家たちは、この工学技術の部分部分を推進し精巧化しようとしていますが、それらが私たちの社会に全体としてどんな影響を与えるかなど、ほとんど気にかけないのです。 ...続きを見る

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2011/03/30 21:38
一〇〇年前の女の子
タイトルのつつましさに比して、心の底から清水が湧き出るような感動に何度か襲われた。 ...続きを見る

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2011/03/26 11:36
黙示録の世界
梅畑は満開で、まるで低い位置に霞がたなびいているようだ。 陽はうらうらと、春爛漫の景色に、大災害がまるで悪夢に過ぎなかったかのように思える。 あれは夢だったのです、と誰かに言って欲しい。 けれど決して夢ではない証拠に、この一週間というものテレビは連日黙示録のような風景を映し続けてきたではないか。 被災者にとっては想像をはるかに超えてしまった現実である。 ...続きを見る

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2011/03/19 22:21
「霧笛」 大佛次郎セレクションより  
大仏次郎著「霧笛」を再読する。 治外法権の居留地を支配する「暴力」の諸相。 弱者と強者がこれほど白日の下にさらされる舞台もない。 本書の登場人物の中で最強の人間として描かれるのは英人クーパーである。 クーパーの屋敷で下男として働く千代吉は、主人を畏怖しながら、無意識のうちに激しく憧れてもいる。 作者大仏次郎は、その感情をはっきり「恋」と名づけているのだが あえて深読みせずとも、クーパーを欧米列強の象徴的存在とみることは容易い。 ...続きを見る

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2011/03/01 08:10
江戸琳派 花の図譜
今年は酒井抱一生誕250年に当たるそうで 美術館でも琳派に関連した特別展示が複数、企画・開催されている。 ...続きを見る

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2011/02/27 17:41
「折たく柴の記」を読む
書名の典拠は一般に、新古今和歌集に載っている後鳥羽院の次の歌だと考えられている。 ...続きを見る

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2011/02/23 18:09
「いき」の構造
「いき」という言葉は今でも「生き」ているのだろうか。 そんな疑問とともに、今さらながらの名著『「いき」の構造』のページを繰った。 ...続きを見る

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2011/02/20 13:04
網野善彦編 「日本の名随筆 歴史」
絶望が虚妄であるのは、まさに希望と同じだ ...続きを見る

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2011/02/15 18:59
「私家版 日本語文法」
昭和56年に刊行されてから、新潮文庫版で29刷をかさねている名著である。 リアルタイムで読まなかった怠慢及び不明を恥じる一冊であった。 ...続きを見る

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2011/02/09 21:41
幻の「モロッコ紀行」とは
開高健らにより名著と称賛された「モロッコ紀行」は、戦後禁書扱いになっており、今日でも自由に読むことができない。 そこで自選集第三巻に収められている同じ著者による「モロッコ」を読んだ。 後者の「モロッコ」は「モロッコ紀行」の序文の三分の二、本分の前半二分の一を使った短縮版だということだ。 一体、何が削られたかは「モロッコ」を読めばほぼ推察できるのではないだろうか。 「モロッコ紀行」は戦時下の1943年に刊行されている。 約40日にわたる現地取材をもとに書き上げられたものだ... ...続きを見る

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2011/02/06 21:14
高村光雲の「幕末維新懐古談」を読む
たまたま志ん朝の「富久」をCDで聴いていたので相乗効果となって、高村光雲による「浅草の大火の話」が真に迫り何とも面白く読めた。 高村光雲が座談の名手であったことは、このくだりを読むだけで明らかである。 職人といえば、意固地で気難しい無口な人間を想像しがちだが、苦労人の光雲には世間知があり、親に孝養を尽くし、木彫渡世しつつ、情に縛られながらも世間の義理を果たし生涯を全うした。 何度か瞼の裏が熱くなったのも、語り口の見事さの背後に、職人らしい腰の低い誠実な姿が一貫して垣間見られ... ...続きを見る

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2011/02/02 18:02
明治日本旅行案内 東京近郊篇
本書は1881(明治14)年に横浜で刊行された三巻本のうちから、東京とその周辺の観光地を取り上げ編成されたものである。 二人の編著者のうちの一人はアーネスト・サトウで、それまで粗悪なガイドブックしかなかったところ、最良の日本案内記となった。 ...続きを見る

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2011/01/26 18:44
風呂文化にささげるオマージュ?「テルマエ・ロマエ」
マンガ大賞、手塚治虫文化賞など数々の漫画賞を受賞した「テルマエ・ロマエ」 あまりに面白かったので第二弾も読んでみた。 ...続きを見る

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2011/01/24 19:07
円朝の女
松井今朝子の「円朝の女」 語りのリズムに気持ち良く乗せられて一気に読んでしまう。 ...続きを見る

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2011/01/22 22:15
エンディングノートを買ってみました
エンディングノートを買いました。 私ではなく母のために。 というより家族に一冊、なかなか真剣に話し合う機会がないけど、是非これだけは伝えておかねば、ということを書き記しておけば、いざという時助かるでしょう。 複数の出版社で出しているようですが、コクヨがいい、という人がいました。 若い時から書きこむことができる体裁だとか… 別に大学ノートでもかまわないのですが、書式が決まっていて、ちゃんとエンディング・ノートと書いてあれば、誰にでも目につくし、心構えが違います。 野村証... ...続きを見る

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2011/01/20 19:01
銀座開化おもかげ草紙 完結編 「西南の嵐」
どうも今という時代が気に食わない…となると 過去のどこかに理想の時代を求めがちで、人間退行に陥る危険なきにしもあらず。 けれども、その危険を冒しても、江戸時代は懐かしいものなのだ。 ...続きを見る

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2011/01/18 19:04
対談集「美術館をめぐる対話」
人は何を求めて美術館に行くのだろうか? そんなの決まっているじゃないか、好きな美術作品を観るためさ。 という即答が返ってくるには今日、美術館に求めるものがもっと多様化しているように感じる。 いずれにせよ来館者のほとんどが非日常の空間で何らかの刺激を受けることをひそかに期待しているに違いない。 ...続きを見る

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2011/01/16 18:39
「雑食動物のジレンマ」を読んで
ことさら「食育」という言葉を持ち出さねばならない時代になった。 (そもそも「食育」とはいったい誰による造語なのだろうか) 事態はそれほどゆゆしいことになっているのか… ...続きを見る

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2011/01/14 18:43
「一外交官の見た明治維新」が面白い
この年になるまで読まずに放っておいて「しまった!」と後悔する本がある。 この本もそういう本であった。 ...続きを見る

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2011/01/04 19:57
「誇り高き老女たちの食卓」
著者のデビュー作である「アメリカの食卓」を愛読したものとしては、タイトルから独居や孤食という寂しい食卓にも決して手を抜かない老女たちの「誇り高く」豊かな食卓を想像して、きっとどんな読者をも勇気づける内容だろうと期待したのだった。 ...続きを見る

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2010/12/06 19:28
追体験する「須賀敦子が歩いた道」
「考える人」秋号に、松山巖が須賀敦子のことを書いていた。 須賀敦子が大学院生だったころに、父親から「『澀江抽斎』ぐらいは読んどけ」と言われたエピソードが紹介されていた。 それで、いよいよ澀江抽斎を読まねば、と思ったわけではなく、「ミラノ 霧の風景」や「コルシア書店の仲間たち」で登場した須賀敦子を、もう一度じっくり読んでみたい、という気になったのだ。 全集が文庫本になっているので、今年の冬の楽しみ…、とはなはだそぞろな気持ちで買い求めた。 ...続きを見る

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2010/11/26 16:12
「武蔵野に大学の森をたずねて」東大演習林80周年記念出版
公民館で開かれた「身近な樹木に親しもう」という講座に参加した時に紹介された本。  講座の方はなかなか人気のようで、前回は募集開始間もなく定員いっぱいになり参加できなかったものだ。 共催は「東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林」。 ...続きを見る

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2010/11/24 19:10
仏教は楽しい「ボクは坊さん。」
著者の白川密成さんは、四国八十八ヶ所霊場第五十七番札所、栄福寺の住職だ。 祖父が亡くなったあとを継いで、高野山大学密教学科を卒業した後、書店員を経て、24歳で僧侶という「仕事」に就くことになる。 先代住職であった祖父の8度目の命日に、あとがきが書かれた。 ...続きを見る

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2010/11/09 18:22
佐野洋子さん逝去にあたって「100万回生きたねこ」を想う
絵本作家でエッセイストの佐野洋子さんが、11月5日乳ガンのため逝去された。 72歳だった。 乳癌の手術を受けて余命2年と宣告された時から3年余を生き抜いた。 驚いたのは、ガン告知を受けると、それまで苦しんでいた鬱病からすっかり解放されたという話だ。 生母との間の確執、認知症になった母の介護、それが佐野洋子さんを鬱にした要因のひとつだろう。 逆に認知症を患うようになってからの母と和解する。 ...続きを見る

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2010/11/07 14:50
「木に学べ 法隆寺・薬師寺の美」
西岡常一棟梁が最後の宮大工と云われる理由は、この本にも語られている。 本書は西岡棟梁からの聞書きである。 法隆寺の宮大工の口から大和弁で語られる内容は、分かりやすく、胸のすくような爽快感にあふれ、そして宮大工という存在の終焉を痛感させられ哀切でもある。 法隆寺専従の宮大工は、当初60人くらいいたのが、ついに西岡さん一人になってしまったという。 生活のため、と言ってしまえばそれまでだが、西岡さんは儲けのない仕事でも黄金の釘を打ち込んでるんや、と宮大工の誇りを貫き通した。 ... ...続きを見る

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2010/10/30 21:27
北山修著「最後の授業 心をみる人たちへ」を読んで
どう踊ればいいのか、ようやくわかった時に体がいうことをきかず辞めねばならない。人生ってそういうもんだ。 ...続きを見る

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2010/10/25 18:43
松本幸四郎主演「カエサル」を観て
塩野七生原作の「ローマ人の物語」を舞台化した「カエサル」を観に日生劇場に行く。 阿古屋貝を埋め込んだ天井、グロッタ風の包みこまれる感じが、ローマ的だ。 思わず天井にカメラを向けてシャッターを押すと、すかさず係員が飛んできて削除を求められた。 舞台セットではないのだからいいじゃないの…と思うが、劇場内での撮影は昨今どこでも不可となっているのだろう。 ...続きを見る

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2010/10/23 15:01
「蟲師」の世界
灯火親しむ頃となった。 いそいそと本を片手にベッドに入る瞬間が、最高にリラックスできるひとときだ。 秋の夜が長いからといって、必ずしも読書がすすむわけではないけれど。 ...続きを見る

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2010/09/28 18:25
辻井喬の「古寺巡礼」
同工異曲の本が多いけれど、本書は辻井喬の「古寺巡礼」である。 古寺も奈良に限らず、若狭、近江、河内、紀州、鎌倉…などの寺に及んでいる。 セゾングループを統帥していた経済人であった堤清二が、辞任してから20年近くを経過した今、日本の古い文化財に接して何を感じ、どのように評価するのか興味をそそられた。 ...続きを見る

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2010/09/22 19:21
「良寛という生きかた」
霞立つながき春日を子どもらと手毬つきつつこの日暮らしつ ...続きを見る

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2010/09/19 08:15
「ポスト消費社会のゆくえ」(辻井喬・上野千鶴子対談集)を読んで
セゾングループ代表だった堤清二と、「セゾングループ史(全6巻)」の編纂に参加した上野千鶴子との対談集である。 「セゾングループ史」は、執筆を外部の研究者に依頼し、一般向けの図書として販売するという、通常の社史とは全く異なる発想でつくられたものらしい。 その際、取材は自由、情報の隠匿はしない、検閲なしという、これもまた異例である。 ...続きを見る

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2010/09/14 17:47
大人になってもおばけに会えるだろうか…「ゲゲゲの鬼太郎」
朝ドラの「ゲゲゲの女房」が好評のうちに終わろうとしている。 ...続きを見る

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2010/09/12 10:46
琥珀の中で見る夢は・・・
古代には、バルト海から地中海に至る「琥珀の道」が知られていたという。 ...続きを見る

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2010/09/08 11:18
古典を読まないままに終わらせないために 「ロンドンで本を読む」
「ロンドンで本を読む」を読んでいたら、プルーストの「失われた時を求めて」の書評の完璧さ!に心底感嘆させられてしまった。 ...続きを見る

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2010/09/02 17:57
「花祭」 民俗学の名著を読む
愛知県と長野県の県境付近の伊那谷に古い芸能が伝わっていることは聞いていたが、詳しいことは知らず、それが却って天竜川流域の村々を隠れ里めいた神秘なものに感じさせていた。 いつか行ってみたい土地だ。 信州は山々に隔てられ、地域ごとに驚くほど気風が違うという。 土地勘のない天竜川流域、高遠以南は私にとって未知の土地である。 ...続きを見る

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2010/08/30 19:11
「塩の民俗と生活」 宮本常一著作集49
塩こそ交易のはじまりではないかという説がある。 塩の重要性を考えると、他の資源に先駆けて交易品となったことは十分に考えられる。 ...続きを見る

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2010/08/28 13:34
「北越雪譜」を読む
塩沢へ行くことを考え、それでは「北越雪譜」を読まないことにはお話にならないだろうと思い、20年近くも本棚で埃をかぶっていた岩波文庫を手にとった。 ...続きを見る

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2010/08/25 17:18
「熈代勝覧」にみる三井大店(おおだな)
上掲の日本橋三井タワーは、2005年に竣工し、その業績に対して同年の日本建築学会賞を受賞している。 隣接する重要文化財の三井本館の意匠、特にギリシア神殿風の列柱を取り入れて、高さ26mというアトリウムの大空間がとても贅沢な印象だ。 このスペースに、三井本館に開設された三井記念美術館の入口が開いている。 バブル崩壊後、ガラス壁に覆われた大規模空間に対する反省もみられたようだが、その贅沢も一部ではまだ健在なようだ。 ...続きを見る

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2010/08/21 15:22
「阿修羅」を読んで
解離性同一性障害(一般に多重人格と呼ばれる)に悩む女性が治癒を目指し、回復してゆく物語。 その症状に、阿修羅が仏教における八部衆の一員となるまでの重層的イメージが重なる。 しかし題名の意味するところは、阿修羅がいつ三面六臂の姿になったかは知らないが、神が複数の顔を持つことにあるのだろう。 ...続きを見る

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2010/08/19 18:49
「夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」
書物を手にし、一ページ目を繰る手の動きに、運命的なものを感じたりすることはめったにないことだ。 本は巷に溢れ、特別な本でもない限り、欲しい本がなかなか手に入らないということもまずない。 ましてや高速スキャンが書物をコピーし続ける今日では、やがてネット上で自在に「本」を手にすることができるようになるだろう。 それでもなお本との出会いが縁であること、だから他の体験と同様に運命的なものであることに思い至るのは、例えばこのような短編集に出会った時である。 ...続きを見る

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2010/08/16 16:25
ナショナリズム論の名著50
ナショナリズムに関連する図書の充実したガイドブック。 「ナショナリズム」というと必ず引用されるベネディクト・アンダーソン、エリック・J・ホブズボームからハンナ・アーレント、吉本隆明の「共同幻想論」まで縦横に論じられ、紹介者の書き手50人がそれぞれ参考にした文献も含めると夥しい著作がリストアップされている。 ...続きを見る

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2010/08/12 13:35
「永遠の0(ゼロ)」
戦後、雨後のタケノコのように戦争体験を語る手記が出版されたそうだ。 そのうちのいくつかは後の評価に耐えて、今日まで読み継がれている。 記憶は変質する、とアウシュビッツでの経験を克明に記したプリーモ・レーヴィは述べている。 トラウマを克服しようとする無意識が記憶を歪曲することもあるだろう。 自己正当化の心理が働いて、客観的な見方にバイアスがかかる場合もあるだろう。 風化が危ぶまれる、戦後65年を経た今、あの戦争をさらに検証し、記憶を更新し続けなければならない。 ...続きを見る

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2010/08/08 09:19
「忘れ残りの記」
この本は何よりも、吉川英治の「母を恋うる記」である。 (因みに吉川英治は「母を恋うる記」を書いた谷崎潤一郎より6年年少である) 「人に語っておもしろいものではない」という著者の謙遜は必ずしも謙遜とばかりは言えないだろうが、作品がすべての作家にとってみれば、自己を語ることはできれば避けたいこと、もとより語るべきことではなかっただろう。 作者の影は作品の外にある。 日記をつける習慣さえ持たなかった作者が、編集者の長年にわたる求めに応じてついに「四半自叙伝」を書き上げたのは、家... ...続きを見る

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2010/08/04 19:14
「日本のいちばん長い夏」
今夏も何人かの訃報を聞いた。 当然のことなのだけれど、死者が持っていた記憶もまた失われてしまったことに改めて気づいては、何かとりかえしのつかないような思いがする。 遅すぎるのだ… ...続きを見る

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2010/08/02 14:06
「想像の共同体 ナショナリズムの起源と流行」を読む
本書の初訳は、ベネディクト・アンダーソンの教えを受けた白石隆・白石さやによって行われ、1987年に東京で出版されている。 当時はずいぶん話題になった書物であったようで、もはやナショナリズムの古典として位置づけられているようだ。 それにしても1987年にはまだソ連邦の解体も予想だにされず、本書も批判や時代の流れに合わせてその後、増補版、そして定本と、三度の刊行を重ねている。 ...続きを見る

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2010/07/29 19:32
「日本語で書くということ」 水村美苗著
水村美苗の話題作「日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で」(‘08.10)は、実はこの2冊分冊で発刊されたエッセイ・評論集の巻頭を飾るはずのエッセイであったということだ。 巻頭エッセイであるはずの文章が次第に長くなり、独立した書物をなすほどの重い内容と量を持つに至って、別の書物として発行されたのが「日本語が亡びるとき …」だったという。 ...続きを見る

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2010/07/24 18:02
「必死剣鳥刺し」を観て
藤沢周平原作「隠し剣」シリーズのうちの一篇を映画化したもの。 平山秀幸の監督作品の中では、徹底した管理教育論者の教師を描いた「ザ・中学教師」が今でも鮮烈な印象を残している。 ゆとり教育が実施されていた頃の作品で時代に逆行するかのような中学教師像を描いて気骨のあるところを見せていたと思う。 ...続きを見る

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2010/07/22 18:41
南京新唱 会津八一について
三井記念美術館の入口に「自註鹿鳴集」が平積みされているので 「奈良の古寺と仏像〜会津八一のうたにのせて〜」を観に行く人は 奈良へのガイドブックとしても是非一冊購入して欲しいものだと思う。 和辻哲郎の「古寺巡礼」と並んで、少なくとも私にとって、奈良への憧憬を熱く語る本としては双璧である。 ...続きを見る

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2010/07/18 17:28
奈良の古寺と仏像 會津八一のうたにのせて 三井記念美術館にて
三井記念美術館は、平成17年10月にオープンして以来、気になっていた美術館である。 今回は、「會津八一のうたにのせて」というサブタイトルに魅かれて、奈良の寺々から「出品」された仏像を観るために、はじめて訪れることになった。 ...続きを見る

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2010/07/15 23:40
「きのうの神さま」 西川美和著
全く!才能溢れる若い女性の出現に目を瞠ることは昨今少しも珍しいことではないのだが・・・ 映画作品「ゆれる」も「ディア・ドクター」も観ていない私としては この作品集ではじめて西川美和の力量を知ることになった。 本書は直木賞候補にも挙がり、作者の本業が映画監督であるということに心底驚嘆してしまう。 ...続きを見る

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2010/07/12 18:26
「あなたを読む、わたしを書く」北村薫の創作表現講義
早稲田大学文学部での二年間にわたる講義の一部をまとめたもの。 授業時間の半分以上は、生徒の書いた掌編小説を読み検討することにあてられたとあるので、カルチャーセンターでの小説作法講座のようなものである。 本書ではそれを除いた一般論が述べられている。 余談のような個所も省いていないので、授業の雰囲気がよく伝わってくる。 著者は高校の国語教師をしていたこともある人だから、書くばかりでなく、教え方のつぼをよく心得ているのだと思う。 ...続きを見る

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2010/07/10 10:32
天城越え 修善寺から下田へ
伊豆は歩いてみないとわからないという。 伊豆に限らず、やはり旅は歩くことが基本だろう。 島崎藤村は大仁から修善寺まで一里の道を歩き、下田までは乗合馬車に乗っている。 明治42年、鉄道は大仁までだった。 伊豆半島は小さな紀伊半島だ、というのは昭和11年に「私の伊豆」を書いた川端康成の印象である。 雨が多い。 「六月伊豆の温泉へ行くとすれば、先づこの狩野川の鮎釣りくらゐのものであろう」 と、書いている。 修善寺への道中、車窓より狩野川の流れの中に等間隔に並ぶ釣人が見え... ...続きを見る

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2010/06/21 19:42
竹林の小徑 修善寺にて
渓流の瀬音に、六月のやさしい雨音などたちまちかき消されてしまう。 宿は珍しい木造3階建てで、桂川に面していた。 夜中に目覚めても雨の音を聞き分けることができない。 ...続きを見る

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2010/06/20 17:59
藤巻健史の「金融情報」はこう読め!
藤巻氏は、本書における主張について、ポジション・トークであると予め断ることによって、内容が免責されるように仕組んでいるのだろうか。深読み過ぎるだろうか… 朝日新聞などのコラムは、楽天的な?著者の性格を反映して、経済に疎い読者でも楽しく読める。 よって、人気者の藤巻氏は講演会等あちこちから引っ張りだこのようである。 株で大損をしたと言われているが、講演会をこなすだけで十分にお金持ちなのである。 とはいえ、トレーダーとしてリスクをとって大きなもうけを手にすることは、労働によっ... ...続きを見る

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2010/06/12 21:05
ベッキーさんシリーズを読む
ベッキーさんシリーズは直木賞を受賞した「鷺と雪」をもって完結した。 物語の時代設定は、1929年のウォール街から始まった世界恐慌の影響が尾を引く昭和7年。 5.15事件の起きた年である。 ...続きを見る

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2010/06/10 20:52
ベルリン・コンスピラシー
ホロコーストを生きのび、戦後元SSの将校を殺害した罪で突然62年後に捉えられたユダヤ人実業家がいる。 一方、イランの核武装を警戒するアメリカと、選挙を控えて支持率を気にしている実は親・ナチ派のドイツ首相がいる。 国際的陰謀、国家による犯罪を書いた探偵小説という前知識があれば、事の成り行きについてはほぼ推測がつく。 ただ、どのように事が運ばれ、国家の残酷さに対比させて個人の生き方がいかに描かれるかに興味がわく。 サスペンスフルな場面が何か所かあり、巨悪と個人の正義の対照が際... ...続きを見る

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2010/06/05 20:06
どこから行っても遠い町
懐かしい風景なのだ。 都市近郊の駅から自宅周辺ほどのエリアで生起する小さな物語が11篇。 最初の一篇で投げかけられた謎が最終篇で明かされる。 登場人物が各篇でだぶっているのだが、読者は短編集として半ば以上を読んでしまう。 それだけ一篇一篇が完結したドラマになっている。 ...続きを見る

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2010/05/21 21:59
イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を読む
イザベラ・バードの「日本奥地紀行」を講読しながら、宮本常一が日本人の民俗について語ったものをまとめている。 ...続きを見る

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2010/05/18 21:52
ジョゼフ・フーシェ ある政治的人間の肖像
伝記作家シュテファン・ツワイクの傑作とされている。 岩波文庫版は絶版になっていたが、最近再版された。 シュテファン・ツワイクはまだまだ読む価値のある作家だと思うし、翻訳される作家のNO4だということでも分かるように明晰な人物描写、シニックな人生観、時とすればピカレスクロマンのごとく血沸き肉躍る面白さ! ...続きを見る

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2010/05/15 19:33
ユダヤ人の歴史 現代篇
猛烈な読書家としても知られる、元外交官・佐藤優が「獄中記」だったか、著作の中で推薦していた図書で ユダヤ人をめぐる現代の様々な言説のルーツを知るために 気になって、「古代・中世篇」「近世篇」「現代篇」と買って「つんどく」しておいたものである。 ...続きを見る

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2010/05/07 19:26
「庶民の発見」を読んで
この本を読むと、果てしなく「遠野物語」へと誘われるし、今は失われた「またぎ」或いは柳田国男が「山人」と呼んだ人々の生活がどのようなものであったか限りなく想像力をかきたてられたりもするのだが、全篇を貫いているのは、食うために闘い続けてきたものたちこそ「庶民」なのだという感慨である。 逞しく、だが一方では危機に臨んでようやく露命をつないで生き抜いた祖先がいたから、今の自分がいるという当たり前のことに気づく。 (あだや疎かに今日の日を過ごすことを深く戒めることになる、読書の瞬間であ... ...続きを見る

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2010/04/27 18:07
「わが生涯」トロツキー著
紅い若葉が、まるで花が咲くように次々に開くと、やがて下枝の方から白いものがちらほら姿を見せ始めた。 暖かい日が続くと、樹上にかけて白い花が駆け上っていった。 里山に唸り声を上げて風が吹きすさぶ夜があった。 夜が明けてみると樹下にピンク色の絨毯が敷き詰められていた。 やがて紅い葉が緑色に変わり、ヤマザクラの木はいつしかハザクラになった。 一部の方からご心配頂いたように、膝の手術のため一カ月ほど入院した。 ウグイスの声をBGMに聞いた日々に... ...続きを見る

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2010/04/22 19:44
「鳥の物語」
中勘助といえば「銀の匙」があまりにも名高い。 岩波文庫に入っていたこともあるので「堤婆達多」を読んだ人もいるだろう。 寺田寅彦や森田草平らとともに夏目漱石の弟子だったが、その人となりについては実はあまり知らない。 ...続きを見る

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2010/02/20 19:26
グローバル化する医療
副題に「メディカルツーリズムとは何か」とある。 メディカルツーリズムとは、患者がより高度な医療、或いはより安価な医療を求めて、海外へ行くことである。 日本ではあまり一般的ではないが、医療行為として一部を除いては認められていない臓器移植を受けるために旅立つ例がたまにニュースになったりする。 タイ、シンガポールなどは積極的に海外からの患者を受け入れることを、輸出産業のひとつとして戦略的に位置付けているという。 ...続きを見る

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2010/02/09 18:32
「アートを始めるまえにやっておくべきこと」 椿昇+後藤繁雄
松任谷由美へのインタビューで、創作へのインセンティブは何か、と問われて、才能の無い人への憎しみ、というように答えていたように記憶している。 すごく正直な人だなあ、と思う一方で、そこまで言わせるのは何なのだろう、と考えた。 或いは、才能が無いのに売れている人に対する憎しみ、ととれば至極穏当な答えだが。 ...続きを見る

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2010/01/20 22:02
東京詩 藤村から宇多田まで
東京という求心力と呪縛力を持つ都市をめぐる詩のアンソロジーであって、その「記憶の集積体」を追体験しようとする書物である。 ...続きを見る

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2010/01/14 19:45
紫陽花舎随筆(あぢさゐのやずゐひつ)
江戸の粋、と言われて、その美意識を忽ち合点できる文化状況に今はないのだ、ということを鏑木清方の随筆を読みながら痛感する。 そこで、清方の書き遺した開化期の文化をめぐる文章を読むことは、霞の彼方に朦朧と垣間見える、失われた時を求めて、たどたどしく日本の美の伝統という川の流れを遡ってゆくことにほかならないとつくづく思うのだ。 ...続きを見る

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2010/01/08 19:55
「シズコさん」を読んで
母娘間にわだかまる憎悪には思わずため息が漏れてしまう。 肉親ゆえに逃げ場の見出せない感情。 佐野洋子の私小説そのものと受け取れるが、母「シズコさん」が呆けはじめ、子供返りするようになってから訪れる「和解」は、読者へも追体験的なカタルシスを与え、一篇の童話のようにも感じられる。 ...続きを見る

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2010/01/06 18:26
3年連用日記
年末に町の本屋に日記帳を買いに行くと、定番の「三年連用日記」がずらりと棚に並んでいた。 この日記帳を利用している人は多いのだろう。 大きな書店では10年連用日記なども平積みされているが、果たしてどのような人が10年というスパンで日記を書き続けることを意図するのかちょっと分からない。 2年連用日記というのもある。 2年後は比較的かくある自分が想像しやすい。 何か短期の目的のために2年間を計画的に過ごしたいというのは分かるような気もする。 ...続きを見る

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2010/01/01 14:43
「幻燈」 大佛次郎セレクションより
大佛次郎の代表作といえば、まず勤皇の志士「鞍馬天狗」だろうか。 或いは未完の大作「天皇の世紀」を挙げるべきだろうか。 大衆小説作家として出発した大仏次郎だが、ライフワークとして、豊富な歴史資料をもとに事実に即して書き続けたのが「天皇の世紀」であった。 できる限り歴史の真実に迫りたいというのは、歴史学者ばかりではなく、いかに叙述すべきかに精通したプロの作家なればこその欲望でもある。 資料の山に埋もれ、得てして「詩」や「物語」を喪失しがちなのがその時はまりやすい陥穽ではあろう... ...続きを見る

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2009/12/30 21:38
「ノモンハン戦争 モンゴルと満洲国」を読む
司馬遼太郎がノモンハン事件を書こうと企図しながら、ついに果たせなかったことはよく知られている。 本書のあとがきで「司馬遼太郎は何故ノモンハンを書かなかったのか?」という本まであることを知った。 現在テレビでは「坂の上の雲」が放映中で、欠かさず観ておられる方もあると思うが 明治維新期の勃興する若い国に生きた若者群像を描いて、希望と情熱をたぎらせた青春が眩しい。 と同時に、その後の日本がたどった戦争と敗戦への道すじを思うと、複雑な思いにとらわれずにはいられないのもまた確かなの... ...続きを見る

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2009/12/28 19:42
クリスマス・イヴに贈る「おとうさんの ちず」
クリスマスに何か絵本を贈りたいと思ったら、この本をプレゼントするのも一案である。 それも小学生の子供向けではなく大人に贈りたい。 子供は教訓的なお話を好まない。 たとえ教訓を含んでいても、決して作者の意図通りには感心してはくれない。 子供の野放図な想像力は決して教訓的なものばかりではないからだ。 このお話には大いに教訓的な示唆があり 大人の世間知はそれをそれとして「素直に」受け入れることができるのだけれど 果たして子供はどのような反応を示すだろうか… ...続きを見る

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2009/12/24 11:51
「戦後思想の名著50」より
先日読んで、ブログにも感想を記したきだみのるの「気違い部落周游紀行」。 「戦後思想の名著50」(2006)に取り上げられているので、今日の評価がいかなるものか興味深く読むことになった。 戦中戦後、東京近郊の村の成員がどのような意識をもって暮らしていたのか、生き生きとした描写をとても面白く読んだわけだが、この書物は、題名の不穏当さのゆえに長い間、真っ当に論ずることが避けられてきたということを知った。 差別語の是非はひとまずおいておくとしても、内容を読めば「気違い」も「部落」も... ...続きを見る

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2009/12/20 18:39
「気違い部落周游紀行」を読む
開高健が活写した「きだみのる」像を読めば、その作品を読まないではいられない。 早速図書館で「気違い部落周游紀行」を収録した「土とふるさとの文学全集@」を借りてきた。 一読後、民俗学的にも興味深い村人の習慣や意識、行動原理といった具体の描写と省察は、深沢七郎の風刺に近似しているという印象を持った。 文体は明晰で諧謔味に富み、洞察力に満ちた鋭い文明批評がユーモラスな語り口につつまれている。 ...続きを見る

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2009/12/18 00:15
「人とこの世界」
開高健が 「文章による肖像画集」という試みで、対談に人物評をまじえ、作家たち(学者と画家各一名を含む)の生き様を鮮やかに浮き彫りにしている。 1970年に河出書房新社から発刊されたものだが、文庫化され版を重ねているのが納得される迫力である。 改めて戦後文学を読んでみたい誘惑にかられるのだ。 水村美苗の「日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で」(2008)は、副題を「近代文学のすすめ」としてもいいような内容だったが、苦闘の果ての果実(書き言葉)がどのように受け継がれたか。 ... ...続きを見る

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2009/12/15 22:17
「昔のミセス」
昔は婦人誌と呼んでいた女性誌を、歯科医院の待合室で気まぐれに手に取った時の、既視感。 目まぐるしく変転する世相をよそに、女性誌の読者が求める世界はこうも変わらず続いてきたのだという驚き。 ...続きを見る

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2009/12/13 12:29
「目白雑録(ひびのあれこれ)3」
久しぶりに金井美恵子のエッセイ&評論集を読んで、相変わらずの舌鋒の鋭さに胸がすくような心地よさを覚えた。 「オーラの正体」では中田英寿を俎上にのせて、日本のマスコミ報道の偏向を突く。 世界に雄飛?したサッカー選手の「期待される」虚像を、日本という「辺境?」に住むサッカー・ファンは唯一マスコミを通じて知らされるわけだが、「オーラ」というものを金井美恵子自身が否応なくまとわされてしまった体験から、「オーラ」の正体見たり…、となる下りは抱腹絶倒である。 そのある日、「薄い西陽のあ... ...続きを見る

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2009/12/10 20:39
昭和30年代モダン観光旅行
昭和30年代を懐かしさのみで語ることの愚かしさを思うのであるが 同時にあの頃の乏しさすら牧歌的風景に見えてしまうのもまた正直なところだ。 つい先日昭和36年を年表的に回顧するTV番組を観て、ポリオワクチンか…騒然とした世相だったなあ、と懐旧に耽ったばかりだ(NHK「日めくりタイムトラベル 昭和36年」)。 小児まひワクチンの認可を要求して厚生省に押しかける母親たちの逞しさが際立っていた。 逞しさなら今日の母親も負けないだろうが、あの頃の母親ならばどんなに貧しくても給食費未... ...続きを見る

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2009/12/08 20:27
日本の女帝の物語
悠仁親王がご誕生になる前は、皇室典範の改正が云々されて、女帝論議が盛んであった。 その頃、歴史上の女帝は「中継ぎ」であったとする見方が大半を占め、主にその見方を訂正する意味で書かれたのが本書である。 ...続きを見る

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2009/12/04 21:47
「悼む人」を読んで
確かに、死をめぐる今日の状況について考えさせるきっかけになる本ではある。 しかし、最後まで「悼む人」である静人に感情移入できないため、小説としてついに面白さを感じることができなかった。 ...続きを見る

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2009/12/01 23:43
蒼の詩 永遠の乙女たち 東郷青児
年とともに、芸術作品と呼ばれるものに、インスパイされることより、癒されることを望むようになってきている。 興奮はいつか冷めるが、深く満たされた感情は記憶され、持続する。 題材そのものが日常のごくありふれた平安やくつろぎをテーマにしていて、それに魅かれることもあり 一方、この世の摂理からはみ出しているような幻想も、あり得ないがゆえに、日常の逃避場所として確保しておきたい思いにとらわれる。 ...続きを見る

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2009/11/29 14:59
「カフェの扉を開ける100の理由」
カフェ・ブームというのがあったらしい・・・ 本書には沖縄から北海道まで71軒のカフェが紹介されている。 「素敵な」カフェの共通項は、おしゃれな雑貨店が併設されているかギャラリーを兼ねている、オーナーまたは店長が海外に滞在していた経験があるか雑貨を買いつけに頻繁に渡航している、メニューにオーガニックなもの、和風のもの、エスニックorローカルなものを加え特徴を出している、インテリアのキーワードはレトロ、… など。 ...続きを見る

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2009/11/24 18:19
「介護現場は、なぜ辛いのか 特養老人ホームの終わらない日常」
表題の答は、低賃金とハードワーク。 当然予想された答だ。 介護報酬改定にともなう賃金アップによって、介護現場の人手不足と激務は解消するのだろうか。 ケアマネージャーをしているAさんに聞いたところ、介護職だけでなく事務職も含めて平等な分配がなされた上で、Aさんの事業所では月給にして8千円のアップだそうだ。 非常勤の介護職の時給が850円として、1日分の賃金にもならない。 昨夜のニュースで取材されていた事業所に至っては、人件費としてわずか4千円がプラスして支払われるだけだ。... ...続きを見る

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2009/11/20 19:35
「糸魚川の自然を歩く」
どこにでもあるようで、どこにもない糸魚川 ...続きを見る

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2009/11/18 19:33
宮沢賢治をめぐる4冊の本
車窓から見上げる建物はどこか威圧感を感じさせた。 花巻駅の周辺では高層の建築物だったせいだろうか。 タクシーの運転手が あれも宮沢家の経営ですよ、と言った。 宮沢賢治の母方も宮沢性で、その一族が所有するホテルだった。 ...続きを見る

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2009/11/14 23:44
光原社 材木町にて
宮沢賢治が盛岡での生活を開始したのは 年譜によると、県立盛岡中学校に入学した13歳の時である。 「注文の多い料理店」を光原社から出版したのは28歳。 ...続きを見る

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2009/10/10 20:05
たしかにここは修羅のなぎさ・・・ イギリス海岸にて
童話村前に客待ちしていたタクシーに乗り、宮沢賢治詩碑第一号の建つ羅須地人協会跡へ向かった。 ...続きを見る

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2009/10/07 17:54
宮沢賢治童話村
宮沢賢治記念館は賢治のマルチな才能を、充実した展示内容で紹介している。 賢治の幅広い活動そのものに負うところが大きいとはいえ、他の個人博物館と比べてもレベルが高い。 空調のきいた収蔵庫には、3000枚の遺稿が一枚ずつ桐の箱に収められているそうだ。 ...続きを見る

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2009/10/04 19:38
宮沢賢治記念館 ハーナムキヤにて
ハーナムキヤ(花巻)はイーハトヴの中心である。 ...続きを見る

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2009/10/03 19:36
林風舎にて
花巻駅の北側の擁壁に、日が沈むと「銀河鉄道の夜」が浮かび上がり、宮沢賢治ファンの観光名所になっているそうだ。 ...続きを見る

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2009/10/02 18:26
「昭和史 戦後篇」
自民党が大敗して民主党政権が成立した今、内閣交代劇を中心に戦後日本のたどった歩みを通覧してみるのはまことに興味深い。 自民党から民主党へ、というより麻生政権から鳩山政権へ、ととらえると、世代交代しながらも世襲議員が祖父の世代の国家理念を多少なりとも受け継いでいることがよく分かる。 二世三世議員の弊害が指摘されているが、確かに政治家の世襲が固定してきていることを、戦後史を通じて確認することができる。 ...続きを見る

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2009/09/25 20:40
人を惚れさせる男 吉行淳之介伝
今、吉行淳之介の作品を読む人がどれだけいるのだろうか。 読者にとって、ひところ、よく読んでいながら、いつの間にか忘れてしまう作家がいる。 一般には私小説に近い作風の作家とされているのかもしれないが、純文学と大衆文学を区別するように、もはやそのようなジャンル分けも無効と思う。 朝ドラのモデルとなった吉行あぐりさんが母であり 父はダダイスト吉行エイスケである。 ...続きを見る

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2009/09/22 16:19
泣き笑い健康法
笑う門には福来る とは昔からあまりにもよく言いならわせられてきた格言なので その意味を深く問うこともないのだが 笑いのある情景には幸福感が満ちているし 笑えば、心の澱が洗い流されるような気がするのは日常的に経験することだ。 ...続きを見る

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2009/09/15 21:41
「私の日本地図10 武蔵野・青梅」
すでに失われたものをいつまでも哀惜していてもはじまらないのだが… 失われてしまったものの価値を再認識することは、後ろ向きのことではなく、必ずや未来につながる作業だと思う。 ...続きを見る

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2009/08/31 18:34
「旅の民俗学」
宮本常一が’69から’80にかけて対談あるいは鼎談したものをまとめている。 ...続きを見る

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2009/08/26 23:40
「しのびよる破局 生体の悲鳴が聞こえるか」
NHKの特集番組に加筆し再構成したもの。 ...続きを見る

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2009/08/24 18:55
「鷺と雪」
北村薫の直木賞受賞作である。 ベッキーさんシリーズと呼ばれる推理小説のうち「街の灯」「玻璃の天」に続く三作目の短編集。 ...続きを見る

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2009/08/21 22:25
「生命40億年全史」
ひぐらしが鳴いている。 少し遠いところからツクツクボーシの声も聞こえてきた。 日中はミンミンゼミにアブラゼミがかしましい。 樹木の立ち並んだ公園では、まさに降るような蝉の声だ。 短い期間に己のDNAを残すべく奮闘する。 何と短い昆虫の命か…と思うが、それも人の寿命と比べてのこと。 すべて相対的なものだ。 ...続きを見る

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2009/08/17 21:29
「凍」
「剱岳 点の記」を観ての感想を記したところ、ブログ「小径を行く」の遊歩さんよりこの本を紹介して頂いた。 そもそも「剱岳」の映画を観るきっかけとなったのが、登山好きの医師よりの薦めであった。今は、ヒマラヤの高峰を眺めているだけでうれしいという人だ。 ...続きを見る

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2009/08/07 21:55
今朝子の晩ごはん 忙中馬あり篇
因みに、昨日の松井今朝子のブログでは、裁判員制度に言及している。 理由は明らかにされていないが、この制度に否定的な意見をお持ちのようだ。 実際当初は、専門家が専門家の責務を果たせないために、困難な仕事が国民に丸投げ?されたかのような印象すら受けたものだ。 司法制度改革のために、裁判内容の公開が必須であることは、堀田力も力説しているところだが、是非今朝子さんのご意見を伺ってみたい。 人間的にどうかと思うような非常識な裁判官がいることも確かだが、検察寄りの判決を出しがちなのは... ...続きを見る

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2009/08/04 23:18
「ムサシ」
シリアスな本を読んだ後、無力感に苛まれる時、本書のような戯曲に接すると、急に風通しが良くなったようで、精神衛生上とても具合がよい。 ...続きを見る

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2009/08/02 16:00
「ロシア 闇と魂の国家」
ロシアという大国が抱える問題がそのまま今日の日本を映し出す鏡となる。 外務省きってのロシア通とされ、外務省のラスプーチンとまで言われた佐藤優とロシア文学者で東京外国語大学学長の亀山郁夫による対談集。 ...続きを見る

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2009/07/31 01:06
詩集の効用 「眠れる旅人」
忙しない現代社会。 たまには詩集を手に取ってみるとよい。 日常のルーティーンに流されて、いつの間にか決まったものの見方しかできなくなっている。 いや、余裕がないと言うべきなのかもしれない。 余裕とは、時間や空間のそれというより、日頃の視線をいかにずらしていけるかどうかということ。 ...続きを見る

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2009/07/24 23:02
「剱岳 点の記」を観て
美しく、人を拒む高山。 その美しさを、何の努力もなしに、スクリーンで堪能しようと、雨の中を出かけた。 映画好きの人ではなく、むしろ山好きの人が薦めてくれたので? まず間違いないだろう。 ...続きを見る

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2009/07/21 23:24
「今朝子の晩ごはん」
すでに続篇の「今朝子の晩ごはん 忙中馬あり篇」(’09.4)が出ている。 当代の人気作家による手早くできる料理のレシピ集かと思うとそうではなく、松井今朝子のブログに掲載されていた日記を加筆修正して文庫本にまとめたものだ。 文庫になった2007年の日記はすでにブログでは読むことができない。 ...続きを見る

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2009/07/19 13:43
「作家のおやつ」
「作家の…」と、前置きがついても、お菓子の話は堅苦しくなくて写真も楽しい。 故人になった方ばかりで、まだお菓子が特別なものだった時代を回顧させて懐かしい。 趣味で製菓に凝っていた頃を思い出した。 お菓子は、日々三度の食事と違って、責任もなく、食べさせたいあの人この人の喜ぶ顔、驚く顔を想像しながら、ただひたすら夢中になってつくる。 ...続きを見る

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2009/07/15 22:29
「そろそろ旅に」
十返舎一九が戯作者として自立するまでを、まるで江戸時代は天明・寛政期にタイムスリップしたかのように、目の当たりにさせてくれるのが本書である。 考証、物語の運び、人物造形の面白さ、生き生きとした会話と人情の機微、…etc. すべてに安心して、読ませてくれるのが松井今朝子の作品だ。 ...続きを見る

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2009/07/13 01:09
続・京都本の世界
油照りの京都。 フライパンの底で炒られるお豆のようになっても、女の子たちは町に出て行きたいのでしょうね。 (そんな優雅な世界が今の若者たちにどこまで許されるだろうか などという無粋な心配はこの際、止しにしましょう) 高台寺の夏のお茶会で、そんな女の子たちをたくさん見かけました。 せめて浴衣を着て、帯を文庫に結んで、少しは涼しくなった石畳の道を歩いて、夕涼みのお茶会に参加してみましょうか。 ...続きを見る

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2009/07/09 22:03
旅行ガイドとしての文学
「武蔵野」の風景は国木田独歩によって発見されたといっても過言ではないだろう。 武蔵野の範囲は茫漠としていて、とらえどころがなく、月の入るべき山もない芒が原を、雑木林に落ちる木漏れ日が小川の水面をきらめかせる風景として固定したのは、国木田独歩だからだ。 因みに、柳田国男によれば、独歩の武蔵野は正確ではないという。 ...続きを見る

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2009/07/05 12:16
おそろし 三島屋変調百物語事始
夏風邪をひき根気がない時にこの本を手にとった。 宮部みゆきの本を読んだことのない初心者としては、あれこれ書評する力はないが、その才筆に納得した。 彼女と桐野夏生の新刊に関しては、図書館に購入するのを6か月待って欲しい、という要望があるとか。 それほど売れる作家なのだ。 著作権を支払わずに不特定多数の利用者に本を貸す図書館は、最近ブック・オフとともに目の敵にされているようだ。 それでも読み手にとっては図書館という存在はありがたい。 図書館がなければ永久に手にもとらない本... ...続きを見る

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2009/07/02 19:45
京都本の世界
腐っても鯛、というけれど、首都を東京に奪われてからも、京都は依然として1200年のミヤコである。 京都特集を編むと女性誌が売れると言われた。 春は桜の、秋は紅葉の古都の案内をこぞって特集する。 ...続きを見る

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2009/06/29 22:25
月の塵
書き手としての幸田文は、露伴の死の年に、乞われて父・露伴について書くことから出発した人だ。 もともと文筆を業とすることなどてんから考えていなかった人である。 44歳という遅い出発であった。 (遅いということでは、岡本かの子の47歳という例があるが) 断筆宣言をして置屋に勤め、「下駄屋」をしようか、と真剣に考えたこともあった。 そのような幸田文が、60歳を過ぎた頃に書いた随筆を集めたのが本書である。 半ば老いへと足を踏み入れたことを自覚する時、どのような老後を送れるもの... ...続きを見る

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2009/06/27 23:56
渋沢家三代
「日本資本主義育ての親」といわれた渋沢栄一、遊芸放蕩の世界に生き、廃嫡されたその子の篤二、博物学者を夢見ながら祖父のあとを継いだ敬三。 深谷の農民が「財なき財閥」に成長した渋沢家三代の物語である。 ...続きを見る

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2009/06/24 21:39
「記憶の中の幸田一族」を読んで
1997年に刊行された青木玉対談集「祖父のこと 母のこと」が文庫化されたもの。 随筆とはまた違って、即興で、著者の人柄が引き出される面白さがある。 対談者に反応する著者の息遣いや言い回しが、幸田露伴、幸田文父子の周辺を生き生きと伝えてくる。 ...続きを見る

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2009/06/21 20:34
「甘粕正彦 乱心の曠野」を読んで
関東大震災直後の戒厳令下において、大杉栄殺害の首謀者として軍法会議で懲役10年の実刑判決を受けて服役した甘粕正彦は、皇室の慶事による恩赦で減刑され、殺人犯としては異例の短さである2年10カ月の刑期を終え仮出獄すると、フランスへ遊学の後、満州へ渡り、数々の国際的謀略に関わり、満映理事長の地位に就いて、終戦の年を迎えた。 今や、大杉栄暗殺は軍による陰謀であったとする見方が定説となっているようだが、甘粕正彦の満州での行動の一部を概観しただけで、そのことが十分に推察されるのだ。 日本... ...続きを見る

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2009/06/19 22:29
「小津ごのみ」を読んで
原節子主演の小津映画ならほぼ観ているつもりだが、内容もタイトルもどこか似ていて、すぐにストーリーを思い出せないにもかかわらず、印象的なカットが独立して妙に記憶に残っていたりする。 ...続きを見る

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2009/06/14 18:37
「誰も書けなかった石原慎太郎」(佐野眞一著)を読んで
石原慎太郎が書いた本を読もうとは思わないのだ。 不遜な言い方になるが、書かれていることは読まなくても分かっている、と。 佐野眞一に倣えば、石原慎太郎の場合、作品中のヒーローが創作者本人を越えることがないから、という言い方もできよう。 これは素直に読めば褒め言葉であり、同時に作家としての成熟を疑う言葉でもある。 石原慎太郎自身が、政治家よりも作家を上位においていることを考えると、本人にとっては不本意な評価かもしれない。 作物よりも、50年出ずっぱりで話題を提供してくれる生... ...続きを見る

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2009/06/12 20:18
だれが「本」を殺すのか
リアル書店に興味を失ってから、また図書館の開架式書棚を一瞥すらしなくなってから、どれくらいの時がたつのだろう。 ネット書店と図書館のネット予約とブックオフオンライン(eブックオフとの違いがよく分からない。品揃えも価格も違うのだ)と青空文庫でことが足りてしまう。 本が売れないと言われて久しいが、ますます本の物質性が希薄になってゆくようだ。 これは電子本へあと一歩という状況と考えてよいのだろうか。 ケイタイ小説を読む人が増えているようだから、すでに... ...続きを見る

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2009/05/09 19:31
遅ればせながら「東電OL殺人事件」を読んで
「東電OL殺人事件」とその続編とも言うべき「東電OL症候群」を新潮文庫版で読む。 今更ながら…と思われるだろうが この事件が起きた1997年当時、週刊誌等マスメディアがセンセーショナルに扱っていたにもかかわらず、事件の一端に触れた記述を読んだのは、その後のフィクション、桐野夏生著「グロテスク」のみだったので、今回改めてじっくりと読んでみた。 圧倒的な迫力で書かれたフィクションと、厚い取材の壁とプライバシーの禁忌に阻まれたノンフィクションとで、どちらが... ...続きを見る

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2009/04/17 18:56
「ふるさと隅田川」
幸田文を江戸っ子だと思っている人は、文が生まれた向島も長く住んだ小石川も大雑把に江戸のうちに入れて考えているようだ。 エリアとしての江戸というより江戸周辺の明治維新前の風俗の名残を、文の文章から感得して、何となく文を生粋の江戸っ子とみなしている。 ...続きを見る

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2009/04/11 11:53
「天使のとき」
2時間足らずで読めてしまう本が、重い。 白一色に金色の文字で「天使のとき」と。 細い線描の天使の顔があまりにも無邪気で… 泣けてきそうだ。 ...続きを見る

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2009/04/01 19:18
中原淳一展
中原淳一展を松屋に観に行く。 ヤマハホールで二胡の演奏を聞いて以来の、久しぶりの銀座である。 寒の戻りで、春とは名のみ。 春物のダスターコートで闊歩したいところだが、まだ毛皮を首に巻きつけている人もいて、中途半端な銀座通りであった。 ...続きを見る

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2009/03/28 16:39
「小石川の家」と「帰りたかった家」の狭間で
幸田文全集全巻を読了した母も、又としぜんと引き込まれるように文庫版を読みだした。 何度でも読み返してみたくなるのが幸田文の文章だ。 ...続きを見る

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2009/03/26 21:44
「役にたたない日々」を読んで
おおよその日常は「役にたたない日々」に違いない。 ...続きを見る

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2009/03/22 15:57
幸田家の人々 「幸田文の箪笥の引き出し」
「幸田文の箪笥の引き出し」を読みながら、著者・青木玉のたたずまいを思い出した。 確か日本近代文学館主催の講演だったと思う。 上背のある痩せ型の人で、しなしなと柳に雪折れなし、しゃべる時はいつでも自然に笑みがこぼれるという風にお見受けした。 母である幸田文は露伴の薫陶のほどが思い遣られる、玉とはタイプの異なるきりっとした人だったに違いない。 母は露伴の要求に意地で応えたが、玉は祖父の厳しさに加え母のそれを、それこそ柳に雪で受けたことが想像される。 ...続きを見る

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2009/03/19 23:06
「サブリミナル・インパクト ―情動と潜在認知の現代」を読んで
サブリミナル・メソッドなる言葉をはじめて聞いたのはいつの頃だったか。 友人のお姉さんが、学習効果を上げるために睡眠中にテープを流している、と聞いたのがはじめだったかもしれない。 その後、商品の販売を促進する目的で、テレビの映像に自覚できないほど短時間の画像を挿入した例があったり、シアーズのカタログから、モデルの視線の交錯やその他様々な仕掛けがあることを分析した本が出版されたり… 比較的最近では「ポケモン事件」なんてあった。 ...続きを見る

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2009/03/05 21:00
「卜部日記・富田メモで読む 人間・昭和天皇」を読んで
2006年に「富田メモ」、2007年に「卜部日記」が発見された。 晩年の昭和天皇をめぐる記述から昭和史が再検証されることになった。 半藤一利、御厨貴、原武史による鼎談のかたちで、昭和天皇の素顔、宮中政治家・宮中官僚の動き、また日記を残した侍従や宮内庁長官の人柄など語られている。 ...続きを見る

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2009/03/02 21:46
赤めだか
著者の立川談春は立川流一門の落語家なのだが、よく知らないでいたことが悔やまれる。 (早速オフィシャルサイトをのぞいてみると、近くのホールで予定されている三人会の公演がすでに売り切れ御礼になっていた) ...続きを見る

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2009/02/27 22:21
「マリー・アントワネット」(シュテファン・ツワイク作)を読んで
歴史上の人物は、自分が不当に描かれていることを、多少とも墓の下で慨嘆していることだろう。 死者に口なし。 弁明も、謙遜すら許されない。 ...続きを見る

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2009/02/24 22:16
<「生きづらさ」について 貧困、アイデンティティ、ナショナリズム>を読んで
「生きづらさ」というソフトな言葉で、実は死に至る社会の病理について語った本。 「死に至る」とは自己否定の挙句自殺してしまうことだ。 ネット自殺については、はじめてニュースになった時の衝撃は忘れられようとしているかもしれないが、自殺者は平成10年に3万人を越え、以後ほぼ横ばい状態にあり、3万人を下ることはない。 (先進国でも突出している) ...続きを見る

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2009/02/19 20:56
日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で
薄々分かっていながら、臆病なために意識化できずにいたことを、水村美苗による本書が顕在化させてくれる。 まず文部科学省の役人に読んで欲しい。 そして、バイリンガルにならねばという、現実的には達成不可能な強迫観念をひとまず横において、日本語の豊かな世界を再認識し、その伝統を覆す危機を共有し、抵抗への足がかりとせねばならない。 ...続きを見る

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2009/02/17 21:44
「駅」 日本の名随筆93
京都は在来線で行くと東京から105番目の駅になるそうだ。 ...続きを見る

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2009/02/14 21:03
のだめカンタービレ
「つんどく」してあった「のだめカンタービレ」12巻から20巻を一気読みする。 ...続きを見る

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2009/02/08 20:51
芝生の復讐
「裏切られた王国としてのアメリカとメランコリア」 リチャード・ブローティガンを評するこの一言が、短編集の隅から隅までを覆い尽くしているように思う。 むしろ翻訳者・藤本和子の作品として読むのだ、という感想もあるくらい、名訳の誉れ高い作品なのだが 当然のことながら藤本和子の作品としては読めないたった一つの理由は、ここがアメリカだということだ。 ...続きを見る

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2009/02/05 21:43
中野翠のコラム集を読む
中野翠のコラム集を読む。 ブックオフで求めたものなので、同時代のコラムではないのだが、コラムとは言え古びた感じがしない。 中野翠のコラムの特徴は言うまでもなく、自らの好悪の感覚を信じ、すべてそこから出発することだろう。 時代にぴったりと適応している書き手は逆に古びやすいかもしれない。 中野翠自身は、むしろトレンドに敏感な書き手で、決して古びないことを目指しているわけではないけれど。 ...続きを見る

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2009/02/01 12:09
チャイルド44
2008年の英国推理作家協会による賞を受賞していて、面白いと評判の冒険&推理小説だ。 ...続きを見る

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2009/01/28 21:00
母が重くてたまらない 墓守娘の嘆き
ホテルのレストランなどで、仲睦まじげな母娘二人組を見かけることがある。 成人を過ぎたかと思われるお嬢さんと、その友達に見まごうほど若い母親である。 一見、「豊かな」時代の優雅な微笑ましい一風景に見える。 その母娘に、癒しがたい病理が潜んでいるかもしれない、などとは普通ほとんどの人が考えないであろう。 ...続きを見る

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2009/01/26 20:51
エッセンス・オブ・久坂葉子
久坂葉子が本格的な創作活動に入ったのをVIKING同人になった時とすれば、死の21歳まで、4年足らずの歳月である。 数編の短い小説、他に詩と短文が残るだけである。 書簡や日記を合わせて、富士正晴は久坂葉子全集を出すことに情熱を注いだが、いかんせん作品が少な過ぎる。 財閥の末裔であること、自死したということ、美人であったということ…それらのアクセサリーが彼女の存在にオーラをまとわせていることは否めない。 ...続きを見る

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2009/01/24 21:20
忘れられたパンデミック 史上最悪のインフルエンザ
今期はインフルエンザの流行が、例年より早くはじまったようだが、その状況に対する反応は人それぞれである。 ウィルスを透過しないという謳い文句のマスクも売られているようだ。 果たして本当にウィルスをシャットアウトできるものか、従来のマスクとどう違うのか。 不確かな情報に対して、個人は無力だ。 ワクチンもそうだ。 まあ、しないよりはいいだろう、くらいの気持ちで、ワクチン接種を受ける。 鳥インフルエンザの情報も同様で、対岸の火事くらいの認識でいる人と、変異しやすいウィルスに対... ...続きを見る

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2009/01/22 20:53
贋・久坂葉子伝
久坂葉子は神戸が似合う女だ、と言ったのは富士正晴だったか。 ...続きを見る

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2009/01/20 00:18
神戸ルミナリエ2008
クリスマス・シーズンが近づくと、わけもなく神戸に行きたくなって ルミナリエの最終日に合わせて旅程を組んだ。 神戸に倣って開催されていた東京ミレナリオには一向に食指をそそられないのに、何故か神戸…♪ ...続きを見る

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2008/12/20 18:21
宮本常一と渋沢敬三 「旅する巨人」
著者は当初、宮本常一ひとりの評伝を書く予定だったが、パトロンとしての渋沢敬三の影響力抜きに希代の民俗学者について語ることができないことに気づき、宮本常一と渋沢敬三、ふたりの伝記となった。 ...続きを見る

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2008/12/11 18:42
図鑑を読む 「葉っぱで調べる身近な樹木図鑑」
この時季になると誰もがあいさつ代わりに口にするが、一年の経つのは早い。 いつの間にか年の瀬へとなだれ込んだ。 昨年より3年連用日記をつけ始めたのだが、驚くほど!進歩がないのでびっくりする。 というのは、ふとちょうど一年前の同月同日の記述に目をやると、全く同じ人がやってきて火災保険の契約など同じ日に取り交わしていたりするのだ。 これはあまり時季に関係ないことなので偶然にしても、十年一日同じことを繰り返している印象を強くする。 ...続きを見る

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2008/12/07 23:17
「下駄で歩いた巴里」 林芙美子紀行集
熱心な林芙美子のファンというわけではないけれど、この紀行集を読むと、芙美子が飢え、憧れる対象が透けて見えてくるような気がして、愛おしくすらなってくる。 放浪記がヒットして、押しも押されぬ流行作家となった芙美子が、たとえ宿代を気にしながらの旅であっても、昭和初期に一年近くもパリに逗留できる財力は並みではない。 長谷川時雨に、あなたもパリへ行ったら…、くらいの挑発はしたらしい。 対する時雨は、同じ額のお金を国内で使ってみせましょう、と啖呵を切った。 自立した二人の女性が、正面... ...続きを見る

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2008/12/02 19:02
「忘れられた日本人」を読んで
今更ながら、ではあるけれど、民俗学のこの名著をじっくりと読んでみると、我々の歴史認識の不確かさを実感するのだ。 宮本常一が、「伝承者としての老人の姿を描いて見たい」と日本各地を歩きはじめたのは、昭和14年のことであった。 本書には終戦をはさんだ時期の、老人からの聞書きがおさめられている。 ...続きを見る

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2008/11/01 21:54
「読書という体験」
このタイトルには、読書が十分にリアルな体験となり得る、という(岩波文庫の?)自負?がある。 作家やジャーナリスト、学者ら24人の、読書礼賛、影響を受けた書物へのオマージュ、読書法、読書歴・・・etc. ...続きを見る

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2008/10/28 20:55
堀辰雄文学記念館 追分にて
国道18号を西進していたバスが、追分の交差点から旧中山道に入り400mほど戻ると堀辰雄文学記念館だ。 堀辰雄は旧軽井沢のバタ臭い雰囲気よりも、鄙びた旧宿場町の面影を愛したようだ。 晩年には旧脇本陣であった油屋旅館の隣に家を建て、49歳で永眠するまでの2年ほどを過ごした。 (油屋旅館は現在、旧中山道をはさんだ向い側に移っている) それが今、堀辰雄文学記念館になって、はるか昔に寂れた旧宿場町に彩りを添え、追分を堀辰雄の目を通して見ることを強いるのだ。 ...続きを見る

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2008/10/21 19:36
「古道」 古代日本人がたどったかもしかみちをさぐる
著者の藤森栄一は在野の考古学研究者として功績のあった人。 特に縄文農耕論が近年再評価されているということだ。 ...続きを見る

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2008/10/05 14:08
「群衆の中の芸術家」 ドラクロワ、クールベ、マネ
阿部義雄の「群衆の中の芸術家」を読む。 名著の誉れ高い本書、絶版となっていたものを、大分昔、美術館のミュージアムショップで平積みにされている文庫版を発見した。 ボードレール研究者として名高い著者の、精緻な論理的文章に憧れながらも、少々敬遠する気持ちも働き、つんどく状態になっていた。 現在は、文庫版も絶版になっている本なので、ここに書き込むのは気が引けるが、遅ればせながら19世紀美術を同時代人の臨場感と高揚感で眺めるきっかけになったこと、美術館に行く楽しみを倍増させる意味で、... ...続きを見る

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2008/10/01 19:24
新・古代出雲史 『出雲国風土記』再考
神は人なり、と言ったのは新井白石だが、神々の世界がぐんと身近に感じられるのが風土記の世界だ。 森羅万象に神が宿ると感じた古代人の心を私たちはいつの間にか失ってしまっている。 ...続きを見る

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2008/09/27 17:56
古代出雲
荒神谷遺跡発掘(1984〜5)以後の、古代出雲をめぐる議論の争点とその考え方を学ぶ本。 著者の門脇禎二は具体性を重んじる学風で知られる。 かつて著者の講演を拝聴したことがあったが、その時も「平城京の貴族の数は?」という設問が投げかけられ、そこまで具体的に再現するのか、とちょっと驚いたことがあった。 本書にも以下のような記述がある。 ...続きを見る

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2008/09/23 19:00
洲之内徹が盗んでも自分のものにしたかった絵
洲之内徹の美術エッセイを、芸術新潮に連載されていた当時読んでいなかった筆者は、後に文庫化されたものを、夢中になって読んだ。 批評というより美術随想なのだけれど、小林秀雄ならこれも批評だと言うだろう。 小林秀雄や青山二郎が洲之内徹を高く評価していたというのは有名な話だ。 一方、洲之内徹の方は、一時期まで小林秀雄に私淑していて、居酒屋で彼が座ったという席に必ず座ったという。 ミーハーで、自分の俗物性を強烈に意識していたようだ。 またそれだからこそ、他人の描く絵の中に、掛け値なし... ...続きを見る

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2008/09/19 19:13
「出雲神話の誕生」
大国主命にまつわる伝承は、因幡の白兎や大蛇退治の説話など、子供向けにリライトされたものによって、幼児期から親しみ深いものであった。 ところが、大国主命の素性を辿ってみると、意外や弱小な一地方神に過ぎない。 その大国主命の話が、何故記紀神話の少なからぬ部分(古事記においては神代巻の1/3以上を出雲神話に割いている)を占めるに至ったのか。 本書はその疑問に答えて、1966年に刊行された「出雲神話の成立」を文庫化し2006年に発行された。 長い年月批判に耐えた書物として、教えら... ...続きを見る

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2008/09/13 19:20
戦う村の民俗を行く
朝日選書におさめられた「戦国を行く」シリーズの第5弾。 戦国時代をみる時、戦国大名による覇権争いに目が奪われがちであるが、領国経営は各大名が最も腐心したところである。 それも大名の側からではなく、郷村の成員である百姓の立場から戦国を読み説いたのが本書の第1章「戦う村」である。 ...続きを見る

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2008/09/09 21:12
松本竣介 「Y市の橋」
「Y市の橋」にはいくつかのバージョンがある。 特に心に沁みる作品は、青の松本竣介と言われるように、青とブルーグレーの微妙な色相の変化と、コンクリートの橋とその周辺を塗り込める乳白色が印象的な、1943年に制作されたものだ。 運河の水面は暗く淀んでいる。 明るめの青色に塗られた空は、工場の煤煙か、ちぎれ雲でかすかに汚されている。 コンクリートの橋の上には、まるでテルテルボウズの影絵のような人物が点景となって佇んでいて、その孤影が都会的な感傷をかきたてる。 ...続きを見る

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2008/09/05 20:53
「心臓に毛が生えている理由」
没後2年経つにもかかわらず、熱烈な米原万里ファンのために「最後のエッセイ集」と銘打って発刊された。 批判精神横溢、著者の毒舌が壺にはまると抱腹絶倒、愉快なことこの上ない。 「発明マニア」がそうだった。 本書は読売新聞等に掲載された短いエッセイをまとめたものだ。 ...続きを見る

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2008/09/01 22:03
「古都」を読む
京都駅からバスで北西に小一時間ほど行くと高山寺。 最寄のJRバス停「栂ノ尾」からさらに周山街道を北進すると全山北山杉に覆われた山里に到る。 生まれおちて間もなく生き別れとなった双子の姉妹、千恵子と苗子が奇しくも再会する地である。 ...続きを見る

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2008/08/30 18:45
「政治と秋刀魚」ジェラルド・カーティス著
西荻駅の北口へ降りて数分のところに、その下宿屋があった。 閑静な住宅地で、東京女子大の学生の通学路に当たっていて、露地を入るとこじんまりした庭を隔て、三部屋の離れがあった。 カーティスさんの著作を読んで、思いがけず失われた時がよみがえり、懐かしかった。 その頃、服作りを学ぶために休日にK先生のお宅にお邪魔していた。 K先生はよく、カーティスさんがねえ・・・、と話題にしていたものだ。 よく整理された、驚くほど小さなアトリエ(というより仕事場)だったが、K先生はカーティスさ... ...続きを見る

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2008/08/28 22:04
「火花 北条民雄の生涯」を読んで
評伝はしばしば作品から想像される作家像を裏切るものだ。 それでも、作品の強烈な印象に導かれるままに、作家の等身大の姿を求めずにはいられない。 ...続きを見る

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2008/08/25 21:26
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京」
海外赴任中に小説を読みつくし、さてそれなら今度は自分が面白い小説を書いてみよう、と思ったのが小説執筆のきっかけだったそうだ。 TVの書評番組で楡周平氏がインタビューを受けているのを聞いて、書き始める動機として珍しいものではないが、楡氏の風貌にスマートなエリートサラリーマンを見て、興味を覚えて手に取ったのが本書である。 ...続きを見る

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2008/08/23 14:32
「徳川将軍家十五代のカルテ」より
徳川家代々15人の将軍の出自と病歴、死因について考察した本。 ...続きを見る

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2008/08/20 21:16
「秋の牢獄」
著者は2005年に「夜市」で第12回日本ホラー小説大賞を受賞して、作家デビューした。 本書は三篇の物語よりなっている。 共通項は、居場所についての物語ではないかと、穿った見方もできそうだ。 ...続きを見る

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2008/08/17 16:16
千羽鶴
言葉には言霊というものが宿っていると信じられてきた。 先日読んでいたマキューアンの小説「贖罪」にも同じようなことが書かれている一節があり、イギリス人の伝統にも、霊魂を負うた言葉を軽々しく口にしてはならないというタブーがあるらしいことを知った。 妖精の国イギリス人が怪奇な物語を好むことにも、この辺に理由がありそうだ。 ...続きを見る

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2008/08/14 21:10
われ、ファッション・ブランドを愛す 桃田有造の痛快一代記
何年か前に、母のためにカシミヤのコートをつくりたいという妹に付き合って、日暮里まで生地を買いに出かけたことがあった。 その時、カシミヤでも様々な等級があることを知った。 ...続きを見る

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2008/08/11 22:21
贖罪
空想癖が強く、11歳から小説を書きはじめた少女が、少女時代に犯した罪を、生涯をかけて償う、という物語である。 一つの事件を複数の登場人物の視点から描くことは別段珍しいことではないのだが、特筆すべきはその描写力だ。 ...続きを見る

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2008/08/09 22:18
さらば外務省!
刊行当時ベストセラーとなり、著者の天木直人氏はしばしばTVにも登場していたということだ。 本の整理をしている時(というより、ただ単に本の移動に終わったのだが)「つんどく」本の中から現れた。 誰かが貸してくれたものだろうが、放置しているうちに賞味期限切れになっているかも。 と、思いながら読み始めたが、これが面白い。 ...続きを見る

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2008/08/06 20:19
「エレクトラ 中上健次の生涯」を読んで
中上健次の評伝「エレクトラ」を読む。 ...続きを見る

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2008/08/03 15:43
「5年3組リョウタ組」を読んで
「5年3組リョウタ組」新米の教師が、競争社会を反映するような事件に遭遇し、生徒とともに悩み悪戦苦闘しながら成長してゆく物語。 お涙頂戴のキャラクター設定など、少々クサクてついていけないところもあるのだが、石田衣良の楽天主義に救われる。 ...続きを見る

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2008/07/20 10:17
The Book
マンガのノベライズというものをはじめて読んだ。 原作のマンガ荒木飛呂彦作「ジョジョの奇妙な冒険」も読んでいない。 そういう読者が、何の基礎知識もなく読んで楽しめるものだろうか? 逆にマンガをきっかけにしてオリジナルな小説を書くことの意味とか、マンガを小説に変換した時の文体の特徴とか見えてくるかもしれない。 ”The Book”は「ジョジョの奇妙な冒険 第四部」の設定を借りた後日談となっている。 従って、忠実なノベライズというより、オリジナルな物語と言える。 ...続きを見る

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2008/07/18 22:21
「眠れない一族」を読んで
「眠れない一族」副題に「食人の痕跡と殺人タンパクの謎」とある。 眠れない・・・食人・・・殺人タンパク・・・ と、題名にあらわれたキーワードを繋ぐだけで、際物のポピュラーサイエンスと思いがちだが、今日のBSE問題に絡めて、科学的な実証状況が具体的に書かれ、何よりも文明批評へと通じているところに本書の醍醐味がある。 ...続きを見る

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2008/07/15 20:49
生物と無生物のあいだ
文章が分かりやすく、美しい。 生命科学の素人でも、小説を読むかのように、渋滞なく読み進めることができる。 言葉と言葉を繋ぐ回路に飛躍がない一方、非本質的なところでは大きく省略しているのだろう。 だから、一般的な読者にも生命現象の核心がシンプルな像を結ぶのだ。 ...続きを見る

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2008/07/13 09:34
フクロウとベゴニア
富士花鳥園のベゴニアの写真をアップしておきます。 全天候型の温室で、これでもか!というほどベゴニアの華麗な色彩に酔いました。 ...続きを見る

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2008/07/11 22:07
「おひとりさまの老後」を読んで
自分の意志とは関係なく手元に届いた書物のおかげで、学ぶことがある。 Mさんが貸してくれた。 ためしにN市の図書館サイトで検索したところ、蔵書数20に対して予約待ちが260件に達していた。 昨年7月の初版からすでに一年も経っているというのに。 これでは読もうと思っても順調にいって半年先のことになるだろう。 その昔 本を貸すばか、借りるばか、そのまた本を返すばか という教訓めいた言葉があったが それは、本は買って読んでこそ身につくという戒めだった。 本が消費財のよう... ...続きを見る

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2008/07/08 19:34
埋もれた国立民族学博物館前史「高橋文太郎の真実と民族学博物館」
ブログ「西東京市・高橋家の屋敷林」の管理人さんのおかげで、この労作を拝読することができた。 「高橋文太郎の軌跡を学ぶ会」が講演記録や資料・聞き書きを編集、一冊の本にまとめたものだ。 ...続きを見る

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2008/07/06 13:41
「とはずがたり」の鎌倉
「とはずがたり」の二条が鎌倉に滞在した日々の見聞について拾い読みしていて、ふと先頃読んだ、近世も末に無宿人として捕えられた衛門姫のことを思い出した。 江戸について書かれた随筆集の中でも、衛門姫が起こした珍事?は異彩を放って、読み手の心をわしづかみにした。 ...続きを見る

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2008/07/02 22:59
蟹工船
世界経済がグローバル化する中で格差社会を容認する政府。 共産主義国家が自壊して以来、富の偏在を調整する圧力は急速に低下した。 「親の世代より豊かになれない」と言われたアメリカ社会の現実が、十年の時を経ずして日本のものとなった。 ...続きを見る

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2008/06/08 22:26
「暗闇のヒミコと」
早くも来年5月から「裁判員制度」が始まるという。 心構えはできているだろうか? 無作為抽出で「裁判員」に選ばれる確率は確かに低い。 それでも、人が人を裁くという重く、できれば逃げて通りたい役目を、普通の生活者である誰かさん、法律の素人が担わなくちゃならない。 ...続きを見る

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2008/06/06 21:00
「東京島」
桐野夏生の最新刊を読む。 「東京島」という題名が放つオーラに惹かれ、桐野夏生の筆力に期待した。 ...続きを見る

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2008/06/04 21:09
「恋するフェルメール」
以前に「フェルメール全点踏破の旅」(朽木ゆり子著)という本を読んだことがあるが、この本もまた同様の趣向である。 たまたま、有吉佐和子の娘である有吉玉青の書いた本をはじめて読む機会になった。 「複合汚染」「華岡青洲の妻」「紀ノ川」が記憶に残っているぐらいで、そもそも熱心な有吉佐和子の読者でもなかった私が、その娘が書いた本を読んでみようという気になったのも、フェルメールの名前ゆえであった。 ...続きを見る

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2008/05/30 17:11
「吉原手引草」
吉原という江戸の遊里を、著者は同時代人の如く見てきたように活写する。 吉原で渡世する様々な職掌の人間に語らせる手法だ。 聞き手は、吉原で起きた事件を取材する若い男。 後にこの男は戯作の種を探す草双紙の作者と分かる。 さてその事件とは、今をときめく吉原一の花魁がある日忽然と姿を消した、というものだ。 ミステリー仕立てを駆動力にして、主役は葛城という花魁でもなく、当時夜でも真昼のように明るかったと語り継がれる不夜城・吉原遊郭そのものである。 ...続きを見る

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2008/05/17 21:13
「発明マニア」
時事ネタや環境ネタを俎上に載せ、想像力たくましく、問題点の解決法を探る。 米原万里の発明品の数々は、対象に迫る姿勢において正しく、その実現性において大いに疑わしいことは自明なのだけれど、読者を痛快がらせることこの上ない。 この世の矛盾、不都合、不条理を解決すべく、知識を総動員して空想の限り孤軍奮闘する可笑しさ・・・。 けれど、それは可笑しさというより、実は現実の裏に潜む不条理を撃つ批評なのだ。 不思議なことに、発明品が荒唐無稽なものになるほど、痛烈な文明批評として文体も溌... ...続きを見る

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2008/05/15 20:34
「貸し込み」
「貸し込み」というのは、バブル当時に盛んに行われた融資のことで、銀行は有り余った金を強引とも言える手口で貸し付けたものだ。 損害を被った借り手は裁判に訴える。 実際の経験が無ければ、銀行の業務内容や法廷闘争の詳細をここまで書くのは不可能だろう。 著者は同様の経験を経て、この金融犯罪を俎上に乗せたものだそうだ。 ...続きを見る

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2008/05/10 18:14
人生が見える・・・ 個人美術館
不況・好況の時を選ばず、美術館という施設は続々とつくられる時代のようだ。 あれよあれよという間に、六本木アート・トライアングルができあがった。 六本木ヒルズ(森美術館)、新国立美術館、東京ミッドタウンを繋ぐ三角形だ。 かつて展覧会は上野で開かれるもの、個展は銀座で観るものと決まっていたが。 あちこちに美術を鑑賞するスペースが増設されると、鑑賞者の行動と視線も多様化し拡散する。 ...続きを見る

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2008/04/05 12:02
旅の記憶 「和歌の風景」
旅の印象というものは、ディテールの感触を瞬く間に忘れ去ってしまうものだ。 強烈な印象だけが自己増殖して、修飾を施された記憶となって残る。 それは歴史と物語の関係に似ているかもしれない。 ...続きを見る

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2008/03/20 10:04
「京都を包む紙」
美しい本です。 タイトルからして泣かせます。 「包む」ものは、お菓子やモノそのものだけではなく、重い歴史を秘め、高度に洗練された文化を誇る京都のイメージなのです。 ...続きを見る

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2008/03/18 18:20
「歌わせたい男たち」 君が代或いは喜劇的な現実をめぐって
シーンと静まり返った会場に裂帛の気合のこもった一声が響き渡った。 「拒否します」 女子生徒の迷いなき声が眩しかった。 ...続きを見る

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2008/03/05 23:25
「京都の平熱 哲学者の都市案内」
腐っても鯛・・・というか、観光地としての京都は不滅のように思っていたが、「90年代は、雑誌の京都特集が激減した」(京都の平熱)。 その90年代になって、往年のアンノン族である私は京都詣でを再開した。 ...続きを見る

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2008/03/01 16:14
雛人形に託す思い
三寒四温の季節になった。 昨日吹いたのが春一番だったそうだが、今日はもう寒い北風に逆戻りしている。 土埃が窓の隙間から入り込んで、掃除をして間をおかずにもう床のざらつきが気になる。 ...続きを見る

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2008/02/24 17:41
八国山にて
武蔵野と聞いて、どのような自然風景を思い浮かべるだろうか。 どこまでも続く萱原を孤独な旅人が先を急ぐ情景か 雑木の疎林に木漏れ日が煌めき、梢より落ちてくる鳥の声にふと足止める郊外の風景か 煌々と照る月が、薄原を銀箔色に染め上げる情景か ...続きを見る

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2008/02/16 17:34
カフェロジィ HOYA BUNCAにて
喫茶店らしい喫茶店が無くなって久しい。 バブル崩壊後、カフェブームというものがあったそうだが、とんと無縁であった。 駅周辺に見かけるのは、コーヒーのチェーン店ばかり。 静かに本を読んだり、音楽を聴いたり、友人と語らう空間は、ファミレスに移行したのかもしれない。 できれば、親密なくつろげる空間を、身近に持ちたいものだと思う。 ...続きを見る

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2008/02/14 22:16
猫の物語 「ヒトのオスは飼わないの?」
文体の強烈な感染力を持つ作家に、町田康がいる。 「猫にかまけて」に続いて「猫のあしあと」という新作エッセイが出た。 どちらもまだ読んだことが無いので、何とも言えないが、猫についてならば、百關謳カ(内田百閨jにも「ノラや」という名作があり、内田百閧フ文体の方は、古今の文章家たちが模倣しようと試みた挙句、結局ものにならなかったという、伝説のような話がつたわっている。 (まさに「文は人なり」) ...続きを見る

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2008/02/07 21:13
「ヒロシマ独立論」
終日雪降りとの予想がその通りになった。 日曜日でよかった。 週日であれば、雪に弱い東京、たちまち通勤の足が乱れたことだろう。 ...続きを見る

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2008/02/03 21:04
三千年の叡智は何処へ 中国餃子
中国で製造された冷凍ぎょうざから、有機リン酸系の農薬が異常な高値で検出された。 マスメディアによれば被害が広がっているようだ。 厚労省は疑わしい食品は絶対に食べないようにと呼びかけている。 ...続きを見る

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2008/01/31 21:23
ハイ・コンセプト
右脳思考、総合力(マルチ)の必要性を強調する人が多くなった。 一時代前までは、専門性のある技術を身につけて、安定した職を得ることが、賢い生き方のように思われていたような気がする。 急速に時代は変わり、専門化した知的労働でさえ(弁護士や医療でさえも!)コンピューターにとって代わられたり、労働力の安い国に外注されるようになった。 ...続きを見る

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2008/01/29 19:00
まだ間に合う?「脳を活かす勉強法」 
ブログをチェックしているうちに、ほとんど無意識にPCをシャット・ダウンしてしまいました。 何故だ? そういえば、茂木健一郎も人間の行為と意識の時間差について書いていたっけ。 意識は行為の後追いだと。 0.5秒遅れるらしい。 ...続きを見る

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2008/01/22 22:13
鳥追い考
年賀はがきの売り出し期間延長について、おかしい、という意見がありました。 年賀状を出すのは松の内に、という常識に反するというものでした。 松の内が東京では1/7まで、京都では1/15までと異なることを、この話をきっかけに初めて知ることになりました。 ...続きを見る

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2008/01/20 19:41
「累犯障害者 獄の中の不条理」
バリアフリーの「高齢者専門棟」 老人ホームでも病院でもなく、刑務所の話であった。 今朝の朝日新聞のコラムが伝えるところによれば、高齢受刑者が「廊下にめぐらせた手すりにつかまり、手押し車を押して歩く」ということだ。 先駆けは広島県の尾道刑務支所。 さらに3つの刑務所で「高齢者専門棟」をつくるという。 ...続きを見る

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2008/01/19 21:29
「ウェブ時代をゆく―いかに働き、いかに学ぶか」
リアルな世界の傍らに同じように広大な電脳空間が控えている。 そんなウェブ時代に、どのように学び、職業を選択すべきか。 もし私が現在高校生であったなら、大いに啓発され、大いに鼓舞されたことだろうと思う。 今の若者は、確かに過酷な現実をサバイバルしてゆかなくてはならないのだけれど、著者のような先達に、ネット世界で可能な学びと職業の可能性を示唆されて幸せだとも思う。 ...続きを見る

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2008/01/17 17:30
まずは「呼吸法」から・・・
「フューチャリスト宣言」は結構、扇動的な本だった。 読後、少し時間が経ち冷静になってみると。 付箋をつけた個所を再度チェックしてみてそう思う。 どのようなコンセプトで書かれたかも明白になってくる。 巧みなレトリックが暗示的に働き、批判的な心の動きは影を潜め、すっかり同調してしまっている自分に気づく。 これではとても読後感想文など書けないな、と思うが、冷却期間を経ると、反論したい個所も少なくない。 ...続きを見る

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2008/01/13 14:56
フューチャリスト宣言  梅田望夫×茂木健一郎
明るい未来を展望する二人、梅田望夫と茂木健一郎の対談集である。 ...続きを見る

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2008/01/10 19:15
メイコめい伝
某ブログのページで触れられていたこの本を、地域の閉架書庫より引っぱり出した。 といってもWebサービスを利用するので、昔のようにカードから検索するなどの手間はいらない。 ...続きを見る

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2008/01/08 20:55
「永遠平和のために」
今年をどんな年にするか? カントによれば、どう意図しようとも、「自然」は私を「しかるべきところ」へ連れて行くだろう。 ...続きを見る

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2008/01/03 18:34
新訳「野性の呼び声」
親しみやすい新訳で古典を今に復活させることを企図した叢書の一冊である。 読んだつもりになっていて意外に読んでいない古典や、再読するのにぴったりのシリーズではなかろうか。 ...続きを見る

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2007/12/12 19:34
フェルメールの謎 「フェルメール全点踏破の旅」を読む
フェルメール好きは、特に日本人に多いと言われる。 彼以後の絵画に、フェルメールのスタイルの影響力を見出す時、その嗜好がはるかに普遍的なものであることを推測させる。 フェルメール再評価のきっかけは、19世紀末の仏人美術評論家テオフィール・トレ(トレ=ビュルガー)によるものとされるようだ。 (画商でもあった彼はフェルメール作品の値上がりを意図したという説もある) ...続きを見る

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2007/12/10 18:19
典座教訓・赴粥飯法
道元の有名な著作。 「典座教訓」は禅寺における典座(てんぞ)の役割と心構えを懇切に記した書である。 典座とは禅の修行道場における食事を司る役のこと。 (一読して、栄養士の教科書として採用されたことが納得される内容だ) ...続きを見る

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2007/12/07 21:23
リヴァイアサン号殺人事件
「リヴァイアサン」は17cトマス・ホッブズの有名な著作 「万人の万人による闘争」という冷徹な世界認識。 その混乱状況を克服するために、万人は政府にその属性たる「自然権」を委ねる。 この政府が「リヴァイアサン」である。 ...続きを見る

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2007/12/02 21:47
嘘つきアーニャの真っ赤な真実  米原万里著
世には熱烈な米原万理ファンが存在するらしいのに、私にとって彼女の著作は本書がはじめてなのだ。 米原万理さんへの興味をかきたてられたのは、時々覗いて(コメントも残さずに読み逃げです)啓発される一方の、あるブログのページからだった。 早速ブックオフに在庫があるものはまとめて注文した。 ...続きを見る

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2007/11/29 21:00
「実感なき景気回復に潜む金融恐慌の罠」 菊池英博著
給食費を滞納する親、奨学金を返さない社会人 タダ酒に弱い役人、利権に群がる政治家・・・ 下々から国家の舵取りをする政治家まで、財布のひもは固いのに、人のお金となったら途端に倫理感が麻痺してしまうのは何故だろうか。 ...続きを見る

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2007/11/18 20:22
「夜の来訪者」  プリーストリー作
1945年の作品で、作者プリーストリーがその左翼的な言辞のためラジオ番組から降板されるという経歴を持つ作家であることを知った上で読んだならば、日本ならさしずめプロレタリア文芸のジャンルにくくられて、何らかの既成観念に縛られ、この戯曲を面白く読むことができなくなるだろうか。 答は否である。 ...続きを見る

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2007/11/05 20:42
「悪人」  吉田修一著
恋愛小説はいつの時代にも必要とされる。 21世紀の今日、源氏物語や伊勢物語を実用的な恋愛指南書としてイメージする人はいないだろう。 本質は変わらなくても、時代の感性が様々な衣装を着せて恋愛物語を紡ぎだす。 ...続きを見る

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2007/11/04 18:43
内藤ルネの世界
このページを書く資格があるいはないのじゃないか、とちょっぴり気後れしながら、それでも書いてみることにしよう。 何故なら、私も内藤ルネデザインの少女雑誌の付録に胸ときめかせて育った口だからだ。 ...続きを見る

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2007/10/29 21:17
季寄せ  花を食べる
草叢にすだく虫の声を、この夏ほど涼しげに聞いたことはなかった。 それほどの猛暑だったということか。 身体も心も暑気払いを求めて、感覚は自然と涼感を覚えさせてくれるものに向かって研ぎ澄まされたような気がする。 ...続きを見る

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2007/09/09 23:01
平和と軍事 「ハワイの歴史と文化」
猛暑の続く8月某日。 福生に用があり、友人の車で出かけた。 友人は子供の通う学校の姉妹校がある関係でボストンに滞在した後 一旦帰国してから家族総出でハワイに行ったそうだ。 帰って間もなかったのでひとしきりハワイの話に熱が入った。 ...続きを見る

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2007/09/07 20:21
ハワイ王朝最後の女王
ハワイ王朝の歴史は短い。 家康にはじまる徳川幕府による265年の治世を1/3に縮めたくらいだ。 ...続きを見る

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2007/09/06 18:07
「陰日向に咲く」
劇団ひとりの小説デビューということで話題になった。 私自身はNHKの朝ドラ「純情きらり」の最初の方に出演していた劇団ひとりを、わずかに知っているばかりだった。 世間は、お笑い芸人が、切ないラブストーリーを、心憎い構成でさりげない短編集に編んだことに驚いているようだ。 劇団ひとりをあまり知らない私は、純粋に小説として楽しんだか、というと、やはり「純情きらり」の師範学校の先生で主役の宮崎あおいの初恋の人、という役どころが忘れられず、多少は役者としてのインパクトの影響下にあった。... ...続きを見る

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2007/09/02 21:01
メタボラ
えっ、こいつってひょっとして凄く悪いやつなんじゃないの!? 約600頁の小説の100頁めくらいで突然背筋がぞくっとした。 久しぶりに桐野夏生の本を手に取ったものでどうも期待し過ぎたようだ。 ...続きを見る

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2007/08/04 19:13
ディスカバー・ジャパン「京都影の権力者たち」
四季を通じて観光客と修学旅行生であふれんばかりの京都。 東京に遷都してからもずっと自分が中心だと思いたくて、観光客を冷ややかに眺め続けてきたに違いない京都。 俗っぽくてすれっからしで、それでもにこやかに笑みを絶やさない京都。 片思い・・・? つれない京都がそれでも好きなのだろうか。 ...続きを見る

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2007/07/24 20:50
「街道をゆく」
続けて読んだため、「十津川街道」とこの巻の違いを感じた。 十津川街道は学徒動員前に、学生時代の著者が歩いたことのある思い出の地でもあり、生家に比較的近く、書かれているのが幕末の動乱期という作家として調べ尽くした時代のため、皮膚感覚的に身近なものであったのだろう。 「嵯峨散歩、仙台・石巻」の仙台・石巻は、意外にモダンな、そして古代には蝦夷の住む奥地でもあり、著者の憧れも混じって、いく分ベールの彼方という印象が残る。 ...続きを見る

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2007/07/21 10:48
「医療はどこへ向かうのか」
医療の未来について著者は必ずしも明るい予測をしていない。 遺伝子組換えの技術ひとつをとってみても、その成果を病の治癒或いは発症の抑止に役立てることはできたとしても、それを悪用・誤用・乱用しないとは誰も言えないからだ。 あからさまに功利的ではなくとも、知識欲は、倫理や道徳をはるかに越えて無目的に暴走するものだ。 真理を求める好奇心は、コントロールできる限りで英知として結実するものだろう。 科学の名のもとに好奇心を全開させて不可侵であるべきかもしれない領域に立ち入ることの方が、自... ...続きを見る

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2007/07/09 21:12
「しっかりしてよ!介護保険」
奥付を見ると、2000年3月に発行された本である。 介護保険制度の実際の運用は同年4月にはじまっているので、まさにタイムリーな出版だったといえる。 ...続きを見る

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2007/07/08 18:12
「円朝芝居噺 夫婦幽霊」
書評などとてもおこがましくて書けません。このような作品に対しては。 著者は本書の中で俗流リアリズムの信奉者であることを告白していますけれど・・・。 俗流ほど深く難解なものはないと、却って読者の方は構えてしまいます。 やさしい局面を難しく考えてしまうのが、将棋の素人だそうで、どんな分野でも半可通の陥りがちな陥穽ではありますが。 ...続きを見る

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2007/07/02 20:23
ハンナ・アーレントに出会う 「責任と判断」
書物を通じて、すでにこの世にいない人と、時空を超えて出会えることは、幸せなことだ。 通常想像される以上に、その圧倒的な興奮と充足感は、孤独な読書体験のうちにとどめ置くには、強過ぎるものだと思う。 ...続きを見る

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2007/06/27 19:54
古代出雲への旅 幕末の旅日記から原風景を読む
出雲は特別な国である。 ...続きを見る

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2007/06/23 20:59
古代出雲巨塔の謎
本書は、時事通信社より刊行された「神の塔 出雲大社の暗部をえぐる」が文庫化されるにあたり改題されたものだ。 出雲国に生まれ育った著者だからこそ、神道と仏教の生々しい中世の葛藤を書くことができたのかもしれない。 ...続きを見る

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2007/06/21 19:30
闇の歴史、後南朝 後醍醐流の抵抗と終焉
「闇の歴史」というから当然、敗者の歴史である。 貴種流離譚の好きな判官贔屓の日本人にとって、南朝の悲史ほど気にかかるものはなかなかないと思うのだが、どうだろうか。 ...続きを見る

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2007/04/30 15:33
「南朝全史」
「南朝全史」のはじめに、南朝研究が本格的に始まったのが、中央公論社による「日本の歴史9 南北朝の動乱」(佐藤進一著 1965)であるという指摘がなされている。 太平記で親しい南朝の歴史がようやく本格的に学問の対象となったのが、戦後20年を経てのことだというのだ。 いささか驚くとともに、天皇制という微妙な問題に直接リンクする史観に同時代の政治が影をおとさないはずない、と思う。 だから南朝史はどこかいつも物語性を帯びていた。 ...続きを見る

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2007/04/11 21:44
語るに足る、ささやかな人生 〔アメリカの小さな町で〕 駒沢敏器著
題名が「語るに足る、ささやかな人生」 そして主人公であるところの「私」はアメリカのスモール・タウンを巡りながら、風景と、そして人々と親密な交流を試みる。 読む前から、この書物に書かれている内容はほぼ推察できるような気がしていた。 ...続きを見る

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2007/03/25 18:28
なぜ伊豆長は高村光雲になれなかったのか 職人伝説
大げさなタイトルを掲げてしまったけれど、「土の絵師 伊豆長八の世界」を読み、様々な角度から入江長八の残したものを検証する人々の作業を通して、結局心にわだかまったのはそのことだった。 多分、長八自身のわだかまりであったことと推測する。 ...続きを見る

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2007/03/17 20:36
伊豆文さんと長八の宿
伊豆文邸 松崎にて                       2007.3.2 ...続きを見る

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2007/03/16 19:52
井戸の底に落ちた星
主に書評を中心に、本にまつわるエッセイ・短編・詩を収めている。 できれば書評だけでまとめて欲しかったと思うほど、書評に読み応えがある。 ここに書くことは、書評集の書評ということになるが、それもまた成立するだろう。 ...続きを見る

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2007/03/12 21:33
大人の男のすなる<純文学> 「死顔」を読む
人の本をちょっと手に取り、読み始めた。 ああ、純文学ってこんな感じだったなあ、と少々懐かしい。 「純文学」という言い方、ジャンルが未だあるかどうかも疑わしい昨今、吉村昭の「死顔」は、文学とは道を求めると同義であった時代を回顧することにもなった。 ...続きを見る

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2007/03/08 21:23
秋の四重奏 バーバラ・ピム著
何も事件らしい事件は起こらないのに、ページを繰る手が止まらなくなる・・・ サマセット・モームがジェーン・オースティンの「高慢と偏見」について評した言葉である。 ...続きを見る

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2007/02/22 20:33
「清凉寺(嵯峨釈迦堂)」について 嵯峨野紀行 7
「清凉寺(嵯峨釈迦堂)」について ...続きを見る

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2007/02/20 20:42
お江戸への近道「わが落語鑑賞」
CDで志ん朝の「夢金」を聞きながら、いつの間にかうとうと・・・とこちらが夢の中に入ってゆく。 ...続きを見る

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2007/02/18 15:38
「ケッヘル」 中山可穂著
上巻を読み始めたばかりでは、モーツァルトに関する薀蓄がたっぷり盛られた、スノッブで都会的なおしゃれなラブストーリーかと早とちりするかもしれない。 ...続きを見る

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2007/02/10 16:07
感光生活
「感光生活」 光がすべてを射し貫いて、印画紙にものの形ばかりかその秘密の一端まで写し取られてしまう。 まず透明な視線を感じさせて、いい題だな、と思う。 一方でX線を照射された著者の骨格がイメージされ、う〜ん少し違う、とすぐに思い返す。 15の短篇集だが、表題作はない。 いずれも著者の等身大の姿が描かれているのだろう。 ...続きを見る

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2007/01/28 21:14
「われ巣鴨に出頭せず 近衛文麿と天皇」 
戦中戦後の歴史が、第三次まで内閣を組織した近衛文麿の評伝としても記述されている。 弱さ、優柔不断を指摘され、首相の器ではなかったとまでいわれる人が、非常時を軍部との軋轢の中で如何に行動したかが記されている。 ...続きを見る

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2007/01/10 21:15
「憲法九条を世界遺産に」
日本国民は 正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し 国権の発動たる戦争と 武力による威嚇又は武力の行使は 国際紛争を解決する手段としては 永久にこれを放棄する。 ...続きを見る

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2006/12/29 22:34
<出雲>という思想 近代日本の抹殺された神々
冬至の昨日 植木屋さんに高いところに生っている柚子の実を採ってもらった。 10個ほどを半分に切って、さらしの袋に入れ、浴槽の湯に浮かす。 皮に含まれる油分から柑橘の爽やかな香が立ち上る。 湯気の中でほっと一息ついた。 変わらぬ風習が懐かしい。 ...続きを見る

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2006/12/23 23:02
妖怪談義
妖怪談義 柳田國男著 講談社学術文庫 ...続きを見る

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2006/12/16 17:57
そうじ力
人生の悩みは人それぞれ。 ところが、こと「掃除」「整理整頓」となったら、モノが過剰に溢れる今日、誰でも多かれ少なかれご同様の悩みを抱えているのではないだろうか。 ...続きを見る

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2006/12/10 21:43
飢は恋をなさず 斎藤緑雨伝
飢は恋をなさず 斎藤緑雨伝 吉野孝雄著 明治文学全集28 斎藤緑雨集 ...続きを見る

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2006/12/09 21:00
アースダイバー 中沢新一著
                  ...続きを見る

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2006/12/04 20:33
一葉忌に 斎藤緑雨のことなど
霰降る田町に太鼓聞く夜かな ...続きを見る

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2006/11/24 21:56
「水曜の朝、午前三時」
水曜の朝、午前三時  蓮見圭一(文庫) 水曜の朝、午前三時  (単行本) ...続きを見る

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2006/11/16 20:22
「たけくらべ」を聴く
たけくらべ〜樋口一葉名作選 朗読:幸田弘子 ...続きを見る

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2006/11/14 20:46
「緋色の迷宮」 家族という迷宮或いは愛情という名の牢獄
「緋色の迷宮」は人間心理のミステリーであり、サスペンスは専ら心の動きというものに尽きる。 昨今マスコミをにぎわせる、家庭内で起きる事件、あるいは家庭に原因を持つと思われる殺傷事件の数々が頭を過る。 ...続きを見る

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2006/11/11 20:48
一葉レジェンド
                永井愛さんの「書く女」を観てから、改めて一葉こと樋口ナツとは本当のところどんな女性だったのだろうか、と改めて考えることが多い。 ...続きを見る

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2006/11/05 23:08
「民俗学者小泉八雲」 漂泊する詩人の魂
        「民俗学者小泉八雲 日本時代の活動から」         「ファンタスティック・ジャーニー ラフカディオ・ハーンの生涯と作品」 ...続きを見る

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2006/11/04 20:19
「国宝伴大納言絵巻」展 謎の男は誰だ!
国宝「伴大納言絵巻」が高精細デジタル画像撮影により、等身大の写真パネルで展示されるという。もちろん現物も、である。 史実ではあるけれど「宇治拾遺物語」にも記された説話文学の世界に、身体ごとタイムスリップできるだろうか。 毎度のことながら多大な期待をもって、ミーハー気分を横溢させて、会期切れ間近になってうかうかと出かけてしまった。 ...続きを見る

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2006/11/02 20:41
デス博士の島その他の物語
また一人素敵な作家を発見する。 そして虜になる。 深夜一時半、興奮冷めやらず、消灯してからもこのまま眠れるものかどうか不安が過る。 ...続きを見る

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2006/10/29 21:16
港の見える丘公園 横浜散歩
徒然草には、「友とするにわろき者」として 「一つには高くやんごとなき人。二つには若き人。三つには病なく身強き人・・・」とある。 別に吉田兼好のような隠者でなくとも年々、この意味が痛切に感じられる。 若い人も、また満身くもりなき健康体の友人もありがたいには違いないが、多分兼好法師は次のように言いたいのだな。 一つ目は敬して遠ざけるという類、二つ目は語るにもの足りない、三つ目はやはり二つ目と同様で、どこか深みがない。 ...続きを見る

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2006/10/27 21:29
大仏次郎の横浜
「大仏次郎の横浜」 福島行一 神奈川新聞社 ...続きを見る

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2006/10/20 21:20
「老いびとの庭」 根津神社
根津神社境内 乙女稲荷 ...続きを見る

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2006/10/19 19:39
樋口一葉に聞く
                   樋口一葉に聞く ...続きを見る

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2006/10/15 21:35
樋口一葉「いやだ!」と云ふ
樋口一葉「いやだ!」と云ふ ...続きを見る

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2006/10/13 23:01
「風の影」 書物というラビリンス
風の影 カルロス・ルイス・サフォン著 ...続きを見る

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2006/10/11 20:54

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