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zoom RSS 源氏物語の世界へとワープする風俗博物館

<<   作成日時 : 2017/06/06 22:56   >>

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風俗博物館では源氏物語の世界を、1/4の縮尺の装束で再現している。
非常に高価なものだ。
文様も衣装のサイズも1/4だが、厚さを薄くすることはできないので少々ぼってりした印象は否めないけれど。

受付におられた女性の話では、団体客は受け付けないとのこと。
表にそれとすぐ分かる看板もないので、見過ごして通り過ぎかねないので注意すべし。
おかげでゆっくり、じっくりと人形で再現された宮中の女君たちの雅な生活ぶりを追体験することができる。

「はくたく」の宴 〜藤原道長 春日詣の献饗 天下泰平の祈りが込められた古代の「はくたく」は日本の郷土食のルーツ〜
という展示が行われていた。
「はくたく」とは「小麦粉を練ってのばして方形に切ったもの」(『和名類聚抄』)
あるいは「すりおろした薯蕷(やまいも)と米粉をあわせて連木で伸ばし、二寸に切り揃えてから細く切り、ゆがいて小豆の摺汁でいただく」(中世の料理書『厨事類記』)

はくたく女の装束が素晴らしい。
十二単よりも厳儀の時に着用した最高の礼装だったそうだ。
いわゆる物具(もののぐ)装束と呼ばれるもの。

源氏物語の世界に浸りたい人や平安時代の有職故実に興味のある向きには必見のミュージアムだ。


※ 冒頭は『堤中納言物語』「貝合」より
赤系統の装束を着た左方と青系統の装束を着た右方に分かれて競っている。

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「風俗博物館」は去年、近くの現在地に移転。
看板など無いので要注意。

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餺飥(はくたく)の宴
山梨県の「ほうとう」や平泉の「はっと」の起源がこの餺飥だという。
そのルーツは平安時代、奈良春日社で供されたもので、藤原道長ら摂関家藤原氏が春日社の神事と競馬(くらべうま)の後に黒木御所で催した宴では、庭中に幄舎を設けて8〜20人の妓女が楽に合わせて「餺飥」を打ち、饗されるという趣向を凝らしたものだったという。
天下泰平の祈りが込められた行事で、展示は道長の『御堂関白記』、藤原頼長の『台記別記』ほか平安時代の日記を参考に具現化された。
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↑↓「はくたく」の宴
春日社への参詣であるにもかからず、興福寺の僧の姿が見られる。
平安時代には神仏習合が進み、興福寺と春日社の一体化が図られた。
藤原頼長の『台記別記』には、春日社の神事の翌日行われた「はくたく」の宴に、興福寺別当ほか多くの僧侶が準備に参加したことが記されている。
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かさね色目
左、花橘かさね:緑の橘の木が春を迎え色濃く葉が色づき、初夏に白い花が咲き、やがて朽葉色の実をつけるという、一年の変化を表すかさね色目。着用時期は旧暦4月〜5月。
右、梅かさね:早春に咲き競う様々な梅花の色目を表現する。着用時期は旧暦11月〜2月。


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松かさね
常盤木のめでたさにあやかり、四季を通じて着る色、祝いに着る色とされた。
千歳に変わらぬ常緑葉の萌黄色の美しさと、雌花の蘇芳色に子孫繁栄を託したかさね色目。

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雪の下かさね
降り積もった雪の下にも、春待つ紅梅と新芽を思わせる、生命力あふれるかさね色目。
着用時期は旧暦11月中旬〜春頃まで。

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紅紅葉(くれないもみじ)かさね
「紅葉の様々」として『満佐須計(まさすけ)装束抄※』に記載される紅葉する木々の色を表したかさね色目。
着用時期は旧暦10月・11月頃。
※ 平安時代末期に成立した平安装束の有職故実書 
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右:明石の御方〜六条院冬の御殿に住む明石の姫君の実母〜

「梅の折枝、蝶、鳥、飛びちがひ、唐めいたるめいたる白き小袿に、濃きがつややかなる重ねて、明石の御方に」(源氏物語)

異国風の織模様に、純白と紫の高貴な配色に気品の高さを思わせる装束。紫の上が「めざましと見たまふ(不快な気持ちで御覧になった)」、明石の御方の高雅な装束。紫の薄様かさね。

左:空蝉〜二条東院に住む尼〜

「空蝉の尼君に、あをにびの織物、いと心ばせあるを見つけ給ひて、御料にあるくちなしの御衣(おんぞ)、聴色なる添へ給ひて」(源氏物語)

出家している空蝉には、喪に服しているような青鈍色(あおにびいろ)の色合いの中にも、聴色(ゆるしいろ)を加えて華やかさを加え、特別に源氏の装束から梔子色(くちなしいろ)の装束を加えた。色々かさね。

※聴色(ゆるしいろ)とは禁色(きんじき)ではなく、誰もが着用することができる装束の色。平安時代に表された色名で、紅花で染める薄い色をさす。紫草で染める紫と大量の紅花で染める紅(くれない)色は高価で王朝人の憧れであり、高位の公家達は競うように求めたが、一般の人々には許されない禁色であった。(風俗博物館)

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歳暮の衣配り(きぬくばり)
源氏35歳の年の暮れ、秋に落成した六条院春の御殿(おとど)において、各町の御殿に住まわせている女君達に相応しい正月用の晴れ装束を紫の上とともに整え
どの女君にも元日にお召しになるように手紙を添えて歳暮とした。
源氏一番の思い人として、女君達の年齢や容貌・性格に相応しい装束を見立てるよう源氏に勧めた紫の上であったが、源氏自らが選びゆく、きらびやかな衣装を目の当たりにして、まだ見ぬそれぞれの女君達の器量を推し量る紫の上の心中は複雑だった。
『源氏物語』「玉鬘」

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花散里〜六条院夏の御殿に住む源氏の信頼厚き女性〜

「浅縹(あさはなだ)の海賦(かいふ)の織物、織りざまなまめきたれど、にほひやかならぬに、いと濃き掻練具(かいねりぐ)して」(源氏物語)

夏の御殿の女主人に相応しく、涼しげな浅縹色に州浜の文様を織り出した装束。色目は花散里の控えめな人柄を表す。紅の薄様かさね。(風俗博物館)

奥右手:玉鬘〜六条院夏の御殿に住む源氏の養女〜

「曇りなく赤きに、山吹の花の細長は、かの西の対に奉れ給ふを」(源氏物語)

華やかでとても美しいが、優美といった感じがしない装束に、源氏の親友・頭中将に似た玉鬘を紫の上が想像した装束(風俗博物館)

奥左手:明石の姫君〜六条院春の御殿に住む源氏の娘〜

「桜の細長に、艶やかなる掻練とり添えては、姫君の御料なり」(源氏物語)

幼い姫に相応しく、桜かさねの細長につややかな赤い装束を加えた若さ溢れる華やかな装束。裏陪(うらまさり)紅梅かさね。(風俗博物館)
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紫の上〜春の御殿(おとど)に住まう〜
源氏物語「玉鬘」に
「紅梅のいと紋浮きたる葡萄染(えびぞめ)の御小袿、今様色のいとすぐれたるとは、かの御料」とある。

紫草の根を多く使った高貴な葡萄染に、春の御方に相応しく紅梅の文様を織り出す。さらに流行色の今様色を加え、現代風の華やかさを加える。源氏最愛の女君として最も高価で気品高い装束である。紅梅の匂かさね。
※今様色とは、当世風の流行の色という意味で、紅花で染めた色または濃い紅梅色のことを指す。(風俗博物館の解説より)


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伏籠(ふせご)
装束に自分の好みに調合した香りを焚き染める時に使う。火取香炉で薫物を燻らせた上に大きな竹籠を伏せて衣服をかけ、香りを焚き染める。
香を焚き染める工夫は平安時代の人々にとって日常的な習慣であった。自らの所作の後にどのような香りを残すか、それぞれが心配りしていたのだ。
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黄菊かさね
菊は花盛りに厄除けの花として愛でられた後、「移ろひ盛り」といって盛りを過ぎ赤紫に変色した折と、二度愛でられた。その黄菊の移ろう様子を表し、四季の花の霊験を願ったかさね色目。

綿入れ
『満佐須計装束抄』には、女房装束のかさね色目の段に、「十月一日より練衣(ねりぎぬ)綿いれて着る」と記され、更衣の頃より防寒のため綿入れ装束が用意されていたことが分かる。
『源氏物語』「野分」では中秋名月でありながら、嵐の翌日に寒くなったので
「・・・細櫃めくものに綿引きかけてまさぐる若人どもあり・・・」と記されており、櫃(衣装箱)に綿をひきかえて綿入れの用意をしている女房の様子が窺える
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偏つぎ
偏つぎとは、主として女性や幼い子が漢字の知識を競い合った遊びで、偏と旁(つくり)に分かれた札を使った様々な遊び方がある。
たとえば、漢字の旁に偏をつけて文字を完成する、あるいは旁の札を出して、これに様々な偏をつけた文字を考えさせ、続けられない者、または読めない者を負けとする遊びである。
『源氏物語』では「葵」の巻で、源氏と紫の上が偏つぎに興じる場面が出てくる。

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双六(すごろく)
上代に中国から伝来した遊戯。
平安時代の双六は現在の双六とサイコロを振る点では同じだが、内容は異なり、バックギャモンのようなゲームに近い。
二人がそれぞれ12枠の陣を示した双六盤を用い、盤の上に白黒の石(駒)を並べて、相対する二人が交互に2個の「賽(さい)」を「筒(とう)」に入れて振り出し、目の数だけ石を進めて、先に全部の石を敵陣に送り終えた方を勝ちとする。
『源氏物語』では「常夏」の巻で近江の君が双六に興じる場面などが見られる。
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日本最古の物語『竹取物語』
890年後半成立したというのが通説。
『源氏物語』「絵合」の巻にも
「物語のい出で来はじめの祖なる竹取の翁」とあり、紫式部が生きた平安中期にすでに読み親しまれていたことがわかる。
天上界(月の世界)の無限性と地上界の有限性が対比して描かれ、古来からの民族の伝承文学に、神仙思想や仏教思想を取り入れて創作された。
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『堤中納言物語』「貝合」
後ろ姿の貴公子は、密かに豪華な貝合せの品々を贈り、後見のいない少女の姫君を救った蔵人少将


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藤威


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黄櫨匂威                                  ’17.5.10



                                          つづく

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