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zoom RSS 「時代(とき)を刻んだ貌(かお)」 田沼武能肖像写真展

<<   作成日時 : 2017/03/27 20:53   >>

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冒頭のリーフレットの中の人物をまず説明しておくと、中央で微笑んでいる女性は無頼派坂口安吾夫人、坂口美千代。
銀座五丁目で文壇バー「クラクラ」を経営していた。
右手で大笑いしているのが檀一雄。
左手、シリアスな視線で文士の生態を観察しているのは、駆け出しの頃の松本清張だ。

冷たい雨の降る日曜日。
田沼武能さんの話を聴けるというので練馬区立美術館に出かけた。
講演会の前にオリジナルプリントを見ておこうと、「時代(とき)を刻んだ貌(かお)」と題された田沼武能肖像写真展を拝見。
写真家が恐れ多くも被写体としたのは、小林秀雄、永井荷風、谷崎潤一郎、佐藤春夫、吉川英治、井伏鱒二、川端康成はじめ、錚々たる文士の面々、画家、彫刻家、音楽家たちである。
女性では、白洲正子、山崎豊子、有吉佐和子、画家では三岸節子と夫婦で原爆図を描いた丸木俊、それに黒柳徹子。

芸術家のなかでもとりわけ気難しい創造者を、写真家はいったいどのようにして彼らの懐に飛び込み、或いは隙を穿って、貴重な肖像を印画紙に定着させることに成功したのだろうか。
会場で待ち合わせた友人に会い、ともに講演を聴いた。

「人間大好き」という田沼武能氏は1929年生まれの戦中派。
木村伊兵衛に師事し、お話を伺うと、苦労は笑い話となり、芸術性や技術的洗練にもまして人柄の好さで幸福な写真家人生を送られたということが伺われた。
やはり被写体となった三島由紀夫は、自らの老年を口うるさい(意地悪いだったか?)爺になるだけだと悲観し、それも夭折の原因だったとみられるふしがある。
88歳の写真家が肖像となった芸術家の印象を語る時、なお「人間が好き」を端々に伺わせ、聴講者はみな幸せな思いに包まれたのではないだろうか。
差支えのある話は避けても、実際にビッグネームと対面した写真家の証言は生々しい。
写真のもつ力、分けても被写体のオーラが、一枚一枚のゼラチンシルバープリントにくぎ付けにさせずにはおかない。

芸術家のなかには晩年に至り、ついに人間に絶望したまま世を去る例があるだろうに。
田沼武能氏の、人とのつながりが大事という人生訓に励まされもした、楽しい講演会だった。
「田沼武能肖像写真展」は、当会場と「石神井公園ふるさと文化館分室」の2会場で同時開催されている。
さらに強烈な面構えを観たくなったので、石神井公園を散策がてら「ふるさと文化館」を訪ねてみたい。




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