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zoom RSS はるか王朝の雅のあとを訪ねて 源氏物語の世界を歩く

<<   作成日時 : 2017/03/23 21:45   >>

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夕顔町という、物語中の女の名を冠した町を探した。
酔狂な、と思われそうだが、本人は歩きながらかすかなときめきを覚えている。
まるで萩原朔太郎が幻視した「猫町」を現実の風景に重ねてみるように。
悪いことをしているわけではないのだが、一般的な観光からすれば、何だか道を外れている…
けれど歴史ある土地を歩く人は多少とも己の幻を追い求めるものだろう。
それは歴史の真実というより物語としての歴史である。
そこで、京都はひとり旅らしき人を多く見かける。
妄想を同行者にも強要するわけにはいかないから、ひとりぼっちのわがままな旅を敢行するのだ。

さて、夕顔町だが
「夕顔」とは言わずと知れた源氏物語に出てくる薄命の佳人の名である。
後の「宇治十帖」を予感させるような登場人物である。
浮舟と違うところは、社会構造による圧力ではなく夕顔が女の嫉妬により呪い殺されるところだろう。

夕顔町をあとにして「源融 河原院跡」を訪ねた。
鴨川の畔、五条大橋南側の西詰近く、その屋敷跡と推定される地にぽつんと石碑が建っている。
川原沿いの家並みの前、榎の大木の下。
石柱に過ぎないので、光源氏のモデルとされる融の面影を追って、センチメンタルな感慨にふけるためわざわざ訪れる観光客もそういないだろう。

源融は嵯峨天皇(786〜842)の十二男。
紫式部の生きた時代から100年以上も前の人だ。
偉大な物語作者の時代にすでに
「昔はよかったわ」などという懐古趣味があったと思われる。

この後、風流人源融が陸奥国塩釜の風景を模したという、六条河原院址は塩釜のあとを訪ねることになる。




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夕顔町という名の源氏物語ゆかりの地を探し歩くうちに迷い込んだのがこの仏光寺
「真宗仏光寺派本山」となっているから浄土真宗に違いないのだが
西本願寺の南に隣接する興正寺と関係が深く、
興正寺は仏光寺と改称した時点で天台宗に属した時期がある。
本願寺8世蓮如が宗派再興の運動を起こし、延暦寺の弾圧を受けて、北陸に移った際
仏光寺14世経豪(きょうごう)が蓮如に私淑したため、天台宗から追放され、仏光寺を去り
名を蓮教(れんきょう)と改め、のち山科に一宇を建て旧名・興正寺を称した。
その後、天文法華の乱(1592)で大坂に移っている。
西本願寺とともに現在地に移った。
本願寺が東西に分かれると西に属したが、江戸時代を通じて分派独立をめぐり西本願寺との争いが絶えなかった。
独立したのは明治9年(1876)であり、現在の建物は明治35年に焼失した以後のものである。

そして今回迷い込んだ仏光寺の方は
経豪が蓮如に帰洛帰参して興正寺の名を起こした時、仏光寺は衰微して、経豪の弟・経誉(きょうよ)が再興している。
現在地の仏光寺通り新開町に移ったのは、秀吉が東山に大仏殿を建立する際であった。
その後数度の火災に遭い、現在の建物は明治期のものである。

京都の寺500をめぐったというタクシーの運転手の話を聴いたことがあったが、観光寺以外はほとんどたずねたことがない。
そこで、偶然にもはじめて参詣することになったお寺だったので、つい長い解説を入れてしまった。(「京都府の歴史散歩」より要約)

この寺で特筆すべきは、境内に京都造形大学のセレクトショップがあることだ。
ここで森正洋のモーニングカップを買ったことは前に書いた。
また畳敷きの和カフェがあるのも、京都らしいミスマッチ、伝統と革新のあらわれかもしれない。



↑興正寺


↑仏光寺


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仏光寺大師堂


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夕顔町


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「夕顔之墳」と刻まれている
源氏物語の世界を愛する心が、夕顔をリアルな存在にしてしまう。

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五条大橋より鴨川の上流を眺める


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源融 河原院跡
河原町という通り名は、一説にこの「河原院」からきているとか。
藤原基経の台頭により隠棲したのが「第一河原院」で大邸宅だった。
この榎はその邸内にあった森の名残という。
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                                         ’17.2.27



                                      
                                           つづく

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