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zoom RSS 久しぶりに美術館のはしごをする

<<   作成日時 : 2017/02/22 23:40   >>

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冷たい北風の吹く平日。
それでも上野公園は相変らずの人出である。
都美術館で開かれている「ティツィアーノとヴェネツィア派展」を観るために、パークサイドカフェでいとこと待ち合わせた。
12時前に着いたのにすでに数組が入口で待っている。
ストーヴに身を寄せるようにして寒風を避けながら待つことおよそ20分。
店内に入ってホットカルーアミルクが運ばれてくるとやがて待ち人来たる。

最近は美術館に行くにも気合がいるようになった。
この日は三菱一号館美術館の「オルセーのナビ派展」と2館めぐることになった。
元気な学生の頃でも美術館のはしごはとても疲れたものだ。

さて肝心の「ティツィアーノ展」だがヴェネツィア派の特徴がよくわかる展示だったと思う。
ティツィアーノの「ダナエ」の官能的なこと!
金色の雨が降り注ぐダナエの顔は陰になっているのだが、満ち足りた表情は明らかだ。
そしてダナエはゼウスの子、英雄ペルセウスを身ごもることになる。
ヴェネツィア派の抒情的表現は、聖母子像よりやはり異教的主題に相応しいようだ。

フィレンツェ派のミケランジェロは圧倒的に素描が上手だった。
そのミケランジェロがヴェネツィア派を批判して言うに、素描ができていないと。
ティツィアーノについても、その卓越した色彩表現にデッサンの力が加われば、と惜しまれたことは、ヴァザーリの「ルネッサンス画人伝」でも言及されている。

ダナエもフローラも優美、繊細、官能的…
後のロココを予感させる。
厳格なフォルムより、色彩と光の戯れる表面を重んじたことが、ヴェネツィア派の表現のポイントになっているようだ。
本展ではティツィアーノの最初の師匠となったジョバンニ・ベッリーニから、ティツィアーノの遺産を受け継ぎ、さらに発展させたヴェネツィアを代表する画家ティントレットやヴェロネーゼの作品も併せて観ることができる。
水の都ヴェニスに行った気分になれるところも本展覧会の妙味であった。

都美術館をあとにして山手線で東京駅に向かった。
歩いても行けるところだったが、いとこの提案ではじめて初乗り運賃が410円になったタクシーに乗った。
(タクシーの運転手が浮かない顔をしているように見えるのは気のせいだろうか)

三菱一号館では「オルセーのナビ派展」を観る。
アンティミスト(親密派)に相応しい親密な空間で、絵画が対象を忠実に描写することからはなれて自立してゆく様を眺めた。
絵画もまた人工知能のようだな、と思う。
人間の描いたものがやがて自動運動を行うようになり、勝手に成長してゆく…
画家のタッチが画布を完成させるのだけれど、画布そのものが今度は画家に働きかけるのだ。




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パークサイドカフェにて


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都美術館にて


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三菱一号館美術館にて                         ’17.2.21

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
美術館のはしご・・・びっくりです!
ウリ坊は美術に疎いので、はしごしたら、こんがらがってしまいそうです(笑)
それにしても、三菱一号館美術館って、東京駅のごく近くですよね〜かえって都美術館から上野駅の方が遠かったりして(下り道だから、楽かも知れませんが)。
それにしても、初乗り運賃が下がり、お二人だったらバス代とほとんど変わらないのですね!
ウリ坊
2017/03/05 18:04
ウリ坊さん、ありがとうございます。
初乗り運賃は¥410ですが、中距離を乗ると逆に高くなるとか。
三鷹駅より乗ったタクシーの運転手さんは、深夜の客が減ってしまった、とぼやいていました。
深夜料金は2割ほど高いので、今度の料金改定による割高感が強いのでしょう。

2017/03/06 23:39

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